打倒楽天!ネットコンシェルジェが集客メディア「#Cart」で2億円を調達

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海外ECの情報を発信するネットコンシェルジェブログが有名な、株式会社ネットコンシェルジェが、アーキタイプベンチャーズとフューチャーインベストメントから総額約2億円の資金調達を実施したと2015年4月27日に発表した。

People&StoreというEC本店の集客サービスを同社が提供していたという話は、雑誌風アプリとして1年前に本誌でも紹介していた。そのPeople&Storeが試用期間を終え、装いも新たに#Cartというサービスとして再出発する。

タグラインは、だれでも簡単に集客できるショッピング SNSだ。

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■EC側:脱楽天依存!本店集客メディアを目指す

楽天などのモールに高い出店料を払うのではなく、あくまで本店にユーザーを送り込み、そのECの集客に寄与する。脱楽天の動きも加速する中、本店への集客は既存ではSEOやリスティングが中心であり、第三の集客方法に注目が集まる。ある意味ではPinterestなどもその効果を期待されただろうが、現段階においては日本でECへの送客でワークしているケースは多くないだろう。既に#Cartには2,000店のECが参加している。

■ユーザー側:EC版RSSリーダー(twitter?)

本誌では「EC版RSSリーダー」とも称していたが、twitter的ともいえるかもしれない。ショップだけでなく、人もフォローできる。ショップに関しては、各ECを訪れ、新商品がないかをわざわざ探す必要があった。それをユーザーは#Cartで気に入ったショップをフォローすることで、更新をチェックできる。また、タレントやクリエイターのアカウントをフォローすることで、新たに気に入るECを見つけやすくなる。

著名人はタレントの紗栄子やモデルの高垣麗子、滝沢眞規子ら100人が参加。#Cartへの登録ユーザー数は既に13万人に上る。

打倒楽天を目指し、ECの集客課題を解決したい

#Cartを運営する株式会社ネットコンシェルジェは、ECのブランディングを目的として 2003 年に設立され、これまでに 150を超える ECを支援した実績がある。支援を通じて「集客」が EC全体の課題であることがわかり、2015年2月に#Cartを中心とするメディア事業へと業態を変更した。

10兆円のEC流通市場を狙っています。この市場には楽天という巨人がおりますが、挑戦したいと思っています。まずは参加店舗数で楽天を超えたいと考えています。現在楽天には4万店舗が参加していますが、我々は2年以内に5万店舗の参加を目指します。

ECサイトの集客手法としての選択肢として、これまでリスティング広告やアフィリエイト広告がありますが、いずれもかなり高度化しており、初心者には取り組みにくくなっています。我々はビジョンに「世界一シンプルなマーケティング」を掲げ、だれでも簡単に集客できる世界を作りたいと思っています。

(ネットコンシェルジェ代表取締役尼口氏談)

ECのブランディングやコンサルティングを長年手掛けてきた知見、ECを熟知し、ECの課題を解決したいと考える尼口氏。EC関連のプレイヤーは数あれど、EC側についてここまで熟知しているプレイヤーは少ないのではないか。なんとなくノリでEC関連サービス始めました的なスタートアップは少なくない気がする。そんな彼らの行く末は、ドナドナM&Aだろう。

EC集客市場はまだブルーオーシャンか?

筆者は、EC自体は食傷気味であるがEC市場は成長市場なので、ゴールドラッシュ的な位置付けで裾野サービスには可能性があるという見解を示してきた。下記の記事でPeople&Storeについても触れている。

◆参考記事:Karteなど、注目のECマーケティング市場国内サービス3選

この市場には他にもフリップデスクなどの購買率という課題を解決するサービスもあるが、#Cartはその手前の集客という課題を解決する。集客領域はまだプレイヤーが少なく、#Cartに先行者優位性があるかもしれない。

尚、本資金調達案件の一部をThe Startupがアレンジしている。



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