ハンドメイドマーケットプレイスのEtsy、2,000億円前後でのIPOの噂

ハンドメイド品のマーケットプレイスであるNYのスタートアップEtsyが早ければ今四半期中にIPOする準備を進めているようだ。久しぶりにサイトを覗いてみると日本語版のローンチも準備しているようだ。

Etsyが注目され始めた2011年から2012年頃、日本国内ではGrouponクローンよろしくEtsyクローンが乱立したが、案の定そのほとんどが生き残っていない。本誌のこの記事の予測通りとなった。

国内では博報堂とカヤックの合弁会社であるiichiが生き残っているが、他はあまり勢いがありそうにないし名前も聞かない。

Etsyの事業概要は下記の通り。

■ビジネスモデル

広告：商品掲載で20セント
決済：販売成立で売上の3.5%

■事業数値

2013年流通総額？（gross merchandise sales）：
1.35B$（約1,300億円）
未上場時時価総額：1B以上（約1,000億円）
上場時時価総額予想：2B（約2,000億円）

出典：Etsy Crafts IPO Putting New York Tech Back on the Map（ブルームバーグ）
Etsy’s IPO Valuation May Hit $2 Billion Feeding Off of GrubHub
（ブルームバーグ）

米国市場では久々のNYのTech銘柄の上場という点に注目が集まっているようだ。同じNYに拠点を置くコマースのプレイヤーであったFab.comがファンキーなバーンレートで調達した資金を溶かしたあげく、ゼロ円同然で売却され、日本国内のプレイヤーでは伊藤忠とITVの大損が記憶に新しい。

GrouponのフラッシュセールやFab.comのセレンディピティコマースのようなボラティリティの激しさはなく、ハンドメイド品を売るPeer to Peerのモデルで日本でいうと代々木公園あたりで主婦や若い女性がハンドメイド品を売っている場をオンライン化したモデルであり、実需に基づいているため大崩れすることはないと思われる。

ハンドメイド品の売買といえば日本ではEtsyクローンではなくメルカリ内でもそういう取引があると耳にしたことがある。メルカリは広義ではハンドメイド品の売買市場も取り込んでしまうのだ。2015年2月2日現在、メルカリは1,000万DLを突破したと発表している。

ブルームバーグによると、400億くらいの年商がないと2,000億の時価総額には値しないという説もある。コマース銘柄は利益が出にくいが、市場がどう評価するのかIPO後も注目したい。