サロンで「IPO初値バブル」ネタが国光さんを中心に、上場企業の経営者とこれから上場するであろう経営者たちのコメントで盛り上がっています。
100億円の時価総額を付けるには経常利益10億円は必要。ゲームを除くスタートアップでそれを超えてのIPOはほとんどない(国光氏)
ということで2012年から2014年9月までのインターネット関連新規上場会社27社をリストアップして調べてみました。2014年銘柄はともかく、2012年銘柄あたりは上場後1-2年で成長しているかという検証に良いかと。
注1:ピンク編み掛けは営業利益10億以上、緑編み掛けは7億以上
注2:モブキャストは赤字のため数字を赤表記
注3:フリークアウトのPERは表記ミスではありません
■営業利益10億以上:3社
コロプラ:57億
エイチーム:17億
enish:11億
全てゲーム企業となり、国光さんの言う通りでした。ここには入れていませんが、直近数値を見るとVoyageは2014年3Qで14億まで営業利益を上げており、通期では20億近くまでいくかもしれません。
■営業利益7億以上:5社
じげん:9.2億
ベクトル:9億
エニグモ:8.5億
オイシックス:7.4億
オルトプラス:7.3億
ここでようやく非ゲームが登場。ベクトルとオイシックスが意外と善戦している印象を受けました。とはいえ両社は営業利益7億強で時価総額200億を割っています。
PER100倍以上になってるところはさすがにバブってるなと。先行投資的な赤字によるPER高騰のフリークアウトや、そもそも赤字なモブキャスト以外では、イグニス、ホットリンク、メディアドゥあたりはバブってますな。
■時価総額100億以下の企業:8社(カッコ内は主幹事証券会社)
夢展望:10億(野村)
フォトクリエイト:17億(SBI)
トレンダーズ:29億(大和)
オウチーノ:32億(SBI)
レアジョブ:52億(大和)
エムアップ:64億(大和)
アイスタイル:71億(みずほ)
アライドアーキテクツ:73億(野村)
相対的には大和と安定のSBIが成長性の低い企業を通してしまっているという緩めの審査といえますが、夢展望の主幹事証券会社は野村です。野村証券の歴史的な恥でしょうね。現状の未上場市場がバブっていることもあり、未上場企業で時価総額50億円はザラにあります。そんな中で50億以下で上場を維持する意味は一体どこにあるんでしょうか。
きちんと利益を上げない限りはそれなりの時価総額を維持するのが難しいIPO市場。そんな中で昨今の未上場市場のレイターステージでは平気で50億以上の時価総額で値付けされていきます。
M&Aを睨むなら30億以上のEXIT事例は非ゲームでは国内ではまだありませんし、非ゲームで5-10億の営業利益が出る企業であれば上場意欲が旺盛でしょう。以前書いた上場企業保有現預金ランキングでも300億以上保有している企業は6社。それらの企業がEXITの受け皿になると思われますが、30億以上の買収というのはたしかに非現実的感が否めません。くれぐれもGREEに売却してはいけませんということは再掲しておきます。
こうした状況を踏まえてサロンで議論されたことと筆者の私見を交えると
①:IPO株に群がった個人投資家が「イグニスの滝現象」が何度か再現されることでIPO株への関心が薄まりIPO時の初値が跳ねにくくなる
②:IPO時に公開価格より1.5-2倍以上上がらないとレイターステージで投資したVCのリターンがあまりおいしくない
③:IPOで価格が付かない。30億以上での買い手企業もいない
④:30-50億の時価総額の企業は上場も売却もできないリビングデッド
⑤:リビングデッド企業続出で赤字企業は資金調達できず死亡
⇒レイターステージではしっかり黒字転換させておく必要アリ
2015年はこんな感じでしょうか。こうやって実績値で見ると、非ゲームで10億の営業利益を創り出すのって大変ですね。未上場企業のHigh-Valuationバブルもいつまで続くやらといった感じです。
クリスティアーノロナウド並の切れ味を見せる国光さんの加入もあり、Umeki Salonがレアルマドリード化しており、大変勉強になります。
gumi国光さんも参加するUmeki Salon、残り17名で440名突破。それ以降の新規入会者は値上げとなります。入会するなら今でしょ!?
内容の参考:スタートアップ起業家の家賃に迫る
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