じげん、ストロングバイ3つの理由

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今朝の東洋経済オンラインには、じげん代表取締役平尾丈氏取材記事じげん、時価総額1兆円のジゲノミクスとはを寄稿しています。連動して本誌ではじげんの決算分析記事編を。

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じげんはアナリスト泣かせと言われているようで、まだアナリストカバレッジは始まっていないようです。結論から言うと、The Startupではじげんは投資判断「ストロング・バイ」でカバレッジを始めます。

参考資料:じげん2013年度通期決算説明資料

ライフメディアプラットフォーム事業、構造のからくり

スクリーンショット 2014-08-06 22.39.33まずは今期の着地と来期予想から。増収増益見込み。2014年8月7日時点の時価総額は約560億でPERは87倍。一時期は時価総額1,000億に迫る勢いで、PERも100倍越えでした。営業利益率は2013年47%⇒2014年44%の予測なっていますが、過去のPL構造を見ると面白いです。

スクリーンショット 2014-08-07 10.02.31昨年対比のPLですが売上1.67倍の伸びに対して、売上原価は1.02倍の増加に留まっている。ライフメディアプラットフォーム事業は一度作ってしまえばあまり原価がかからないビジネスであり、集客力を増せば粗利は上がっていく構造にあると思われます。現に販管費は1.9倍の増加ですが、この増加分はほとんど広告宣伝費。上場前からリスティングなどを回す余力が出てきたと取材でも語られていたので、そういう背景でしょう。

スクリーンショット 2014-08-06 22.45.10構造的に原価率が低く、広告をかけて売上を伸ばしていく。ブランド認知が一定ラインに達すれば、広告費を抑えても売上を維持でき、その結果営業利益率が上がる。2013年度2014年度は営業利益率を下げて広告宣伝費に投下していく先行投資期間とも位置づけられるでしょう。

東洋経済オンラインでは下記のような算出ロジックを作ったが、ライフメディアプラットフォーム事業(言い換えるとアグリゲーションメディア事業)のアップサイドの余地はまだまだあるし、国内において各領域でアグリゲーションメディアの主たる競合もいない。

スクリーンショット 2014-08-07 10.11.18注:東洋経済オンラインから抜粋

展開領域が多いのでそれを合算してのアップサイドは出しにくいが、既存事業だけでも伸び白が十分ある。この手のメディア事業では昨今SEOで大きく順位を下げ、業績に響く企業も少なくないが、じげんのアグリゲーションメディアは各サイトからDB提供を受けていることから、圧倒的にページ数が多い。

僕はSEOにはさほど詳しくないので突っ込んでいったらSEO事業者の皆様からボコられそうだが、変な被リンクを張りまくるのではなくページ数や内部リンクが多いサイトの方が強いのではないだろうか。アグリゲーションメディアへの流入は99%がロングテールとも効くし、DB提供側(リクナビなど)のページ数が増えれば転職EXのページ数も勝手に増えていく。

リブセンス上場時に「SEOに強みがある」とのことで、アナリストなどに「リブセンスのSEOは何が強いのか?」と聞かれても正直うまく答えられなかったが、じげんの場合は「ページ数が多いから(しかもDB提供により自動的に良質なリンクが増えるから)」というシンプルな回答に達すると思うのだが、いかがだろうか。

O3プロジェクト「じげんスタンプ」の全貌が明らかに?

じげんの業績を占う上では、既存事業の手堅い伸びに加えて、新規事業とM&Aのアップサイドを見極める必要がある。

スクリーンショット 2014-08-07 10.24.23この新プロジェクト概要が8月5日にリリースされている。
じげんスタンプだ。

スクリーンショット 2014-08-07 10.35.48正直、この手のオフライン店舗のスタンプアグリゲーションサービスは目新しいものではない。本誌では先日事前決済のO:derを紹介したばかりだが、O:derにもスタンプをアプリで一括管理できる機能がある。

ただ、プレスリリースを見て気になった点はスタンプを押すと「EXポイント」を獲得できるという点。ライフメディアプラットフォーム事業でサイト登録や応募などでポイントを付与し、オフライン店舗のスタンプでもポイントを付与する。楽天ポイントのようなじげんポイント経済圏を創り出そうとしているのではないだろうか。

すぐの収益貢献は難しいだろうが、プラットフォーム志向の平尾氏らしい事業展開と考えられる。単なるスタンプアグリゲーションでは優位性はない。楽天ポイントのような経済圏を作れば、事業資産を溜めることができる。ユーザーを獲得し、スイッチングコストを高めて、ライフタイムを上げることができる。

再度強調しておこう。新規事業はすぐに利益貢献せず、ここはストロングバイの要因とはならない。

デッドファイナンスでのM&Aでどこまで時価総額上がる?

最後にM&A戦略だ。東洋経済オンラインでは借り入れや社債などのデッドファイナンスで資金調達し、M&Aを積極的に仕掛けたいという話を記載している。売上利益が出ている会社を買収していけば、業績予測の上方修正が繰り返されていく。M&Aによる時価総額経営はライブドアを彷彿とさせるものがある。

今後ゲームが斜陽のGREEやDeNAによるなりふり構わないスタートアップ買収合戦の火ぶたが切って落とされる説もあり、ネット企業の買収市場の競争環境は激しさを増していくだろう。ただ、じげんに関してはGREEやDeNAと全く異なる企業を買っていきそうだ。インターネットキャピタルの買収によるよじげん証券の設立や、ブレインラボなどなんかいぶし銀の企業を買っているイメージがある。

じげん、ストロングバイ3つの理由

それではじげんの投資判断について整理しよう。

■じげん投資判断の背景にあるロジック(ファンダメンタル分析)

1:既存事業は市場のアップサイドが見込め、手強い競合も皆無。SEOロジック変更によるダウンサイドリスクは限定的。堅調な成長が見込める。

2:新規事業はすぐには大きく業績貢献しないと思われるが、海外へのライフメディアプラットフォーム横展開やO3事業によるじげん経済圏の創出は3〜5年後を見据えた中長期戦略として適切である。特に海外への横展開は2〜3年後には明確に売上が立つのではないか。

3:M&Aによる業績予測上方修正に期待

ダウンサイドリスクは極めて限定的。
M&Aによる爆発力に期待。
よってストロングバイ。

ネット企業のIPOが増えていますが、中でも実需に基づいた堅調な伸びと、どんなM&Aを仕掛けてくるか予想がつかないスーパーサイヤ人・愛情友情平尾丈氏の大胆さに賭けて、ストロングバイとしておきます。テクニカル的には一時期の過熱感からだいぶ株価が落ち着いているので、買いを入れるには良い頃合いでしょう。

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