スペースマーケットが優勝:CAV RISING EXPO2014速報

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CAV RISING EXPO2014の速報です。スペースマーケットが優勝しました。おめでとうございます。2位は八面六臂。3位はVIP PLAZAでした。(海外インドネシア企業のため記事内で紹介は割愛)スペースマーケット、優勝しすぎてつまらないですね…w

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CAVといえば4.5倍♬のファンドリターン予想を本誌で最近出しました。

パンフレット上ではRISING EXPO登壇企業が2012年は28億、2013年は20億の資金調達を完了したというデータもあったため、今回のレポートでは本誌独自の投資判断も添えてお届けします。数億調達に1年以内に進む確率は過去実績では約50%。海外企業も5社ありましたが、本誌では国内企業のみのレポートです。

国内企業の登壇は10社でしたが、1社目のpurple cowに関してはThe Startupからブラックリスト認定を受けており、かつプレゼンを見ていないので割愛。2社目のiCareもプレゼンを見てなかったので割愛し8社を紹介。

ちなみに昨年の優勝はツイキャスでしたが、RISING EXPO勝手にThe Startup賞をplanBCDにお送りました。今回の勝手にThe Startup賞はINSUNEXTのトイロにお送りします。保険契約への送客単価は高そうですし、情報の非対称性という課題が明確な市場です。サイト集客力を高めればしっかり売上が上がるし社会的意義も高い事業でしょう。勝手にThe Startup賞の特典として「好意的な取材記事」をお送りします。

3:スペースマーケット(イベントスペースのAirbnb)

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■サービス名:スペースマーケット
■推薦者名:キープレイヤーズ高野氏
■1年以内資金調達予測:お馴染みの主要VCから年内に数億調達

IVSで準優勝、B Dash Campで優勝と2014年のスタートアップ業界ではお馴染みのサービスですね。Airbnbの部屋じゃなくてイベントスペース版。客単価が高いので売上が作りやすい。代表の重松さんも営業強そうですよね。

スペース金額の20-50%の成果報酬を取るということで、ちょっと手数料率高いと思うのですが、大きなスペースを埋めるソリューションがないので、イベントスペース側として売る手段のない空枠を持っているようなもので、需給がしっかりあり、そこに明確な問題解決手段を提供している。手堅く大型調達まで進むサービスでしょう。

4:Pocket Supernova / unda(ビデオメッセージング)

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■サービス名:unda
■推薦者名:衛藤バタラ氏(EastVentures)
■投資家:500startups、Klabventures、EastVentures
■1年以内資金調達予測:二桁億円の調達もあり得る

undaはグロースハック事例によく使われていますね。「ビデオプリクラメッセージングアプリ」と言っいましたがわかりやすい。snapchatの直近の時価総額が1兆円という説もあり、snapchatのように消えるのではなく、動画に装飾をして(それがプリクラということ)送るアプリ。

この手のコミュニケーションアプリは謎な時価総額が付くことはよくあります。かなりの規模のユーザーを獲得できていればそれこそFacebookやLINE、Snapchatへの売却が可能になるでしょう。直近のMAUは約2,000万人。(見間違えじゃなければ)。undaに関してはエンジニアタイプのこの記事が詳しいので、貼っておきます。

「ビデオアプリのLINE」というのは目指すポジショニングとして非常に明確です。

5:ウタゴエ / 瞬間日記(ライフログアプリ)

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■サービス名:瞬間日記
■推薦者名:KlabVentures長野氏
■投資家:KlabVentures(数千万円調達。2014.1)
■1年以内資金調達予測:数億円調達が可能

100億人の100年の記憶を預かるが理念のサービス。SNSは自分だけの思い出や悩みの記録に不便だという課題を起点に考えたそうです。日記市場は結構大きいのではないかと。日本国内では年間9,000万冊?の日記があるらしい。4年間でグローバル3,000万ダウンロードを達成。AKB48の柏木由紀がやっているそうです。「1人版Twitter」だとか。

育児、ダイエット、病院、コーディネート、上司夫の悪口。などが日記に書かれているということ。

プレゼンにユーモアがあって面白かったですね。月額課金モデルでMAUの数%が有料会員に転換できればそれなりに売り上がる。この「思い出市場」はmy365という写真アプリがあり、初速のダウンロードは伸びたものの、全く聞かなくなってしまった。「写真のみ」より「テキスト一行+写真」の方が手軽で継続率が高いかもしれない。

この手のサービスは一見ダウンロード数は伸びるのですが継続率が低い傾向にある。日記も三日坊主が多いですし。日記なのでDAUやWAUを数百万出せるかが鍵でしょう。

6:オリフラム(ゲーム)

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■サービス名:オリフラム
■推薦者名:CAV白川氏
■投資家:CAV(数千万円調達2014.8)
■1年以内資金調達予測:保留(ゲームの調達は減ってきている)
■参考記事:CAVから数千万円調達

昨日資金調達が発表されていました。代表の池田さんはDeNAでゲームプロデューサーだったようですね。ゲームは私はカバーしないのであまり突っ込みませんが、2年前に出ていたMutation StudioにもCAVは張っていますが、CAVファンドリターン予測では芳しくないという見方を本誌ではしました。

ゲームへの投資自体は2011-2012年頃よくありましたが、2014年に入り勝敗がハッキリ付いてきた印象。上場観測が出ているgumi以外では大型調達のアカツキや、累計調達額の多いAimingに期待がかかります。正直、ゲームは何がどう当たるか僕にはわかりません。

7:Antenna(キュレーションメディア)

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■サービス名:Antenna(社名:グライダーアソシエイツ)
■推薦者名:kazeniwa福永氏
■投資家:マクロミルなど(20億調達2013.8)
■1年以内資金調達予測:上場を目指さないため、あまり必要ない?
■参考記事:アンテナ、「スマホの絶対メディア」への挑戦

本誌読者であれば説明不要と思われるAntenna。東洋経済での杉本氏へのインタビューでは上場を目指さないとしており、今回は事業提携などを狙っての登壇か。

プレゼンの中でのキュレーションが流行る背景の話で「経験経済」という話が面白かったですね。広告単価100万円の大手クライアント(によるブランド広告)の導入がかなり進んでいるようですね。今後は海外展開に力を入れていきたいとのことです。ちなみに、フリップボードの直近の時価総額は800億とのこと。

8:トイロ / INSUNEXT(総合保険情報サイト)

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■サービス名:トイロ
■推薦者名:CAV白川氏
■投資家:CAV(数千万円調達2013.11)
■1年以内資金調達予測:なんとなくニッセイあたりから数億円調達
■参考記事:トイロがCAVから数千万円調達

保険は非常に情報の非対称性が高い分野。INSUNEXTというメディアで保険のシュミレーション結果を得て、そこから実際の各保険に送客するというイメージでしょうか。実際にシュミレーションしてみましたが、すごく使いやすくていいですね。個人的に保険はかなりぼったくっている業界だと思うので、INSUNEXTを使って消費者が保険業者にぼったくられない世界というのが理想の世界ではあります。

このての送客課金が見込めるサービスは「サービスコマース」と呼ばれることも増えてきています。メディアコマースともいえると思いますが、ライフプランシュミレーションというサービスを通して送客する。送客効果があると売上がしっかり上がる。時間はかかると思いますが、十分需要はあるサービスだと思いました。

9:八面六臂(B2B食品業界オペレーション効率化ツール)

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■サービス名:八面六臂
■推薦者名:SkyLandVentures木下氏
■投資家:リクルート、YJ、DeNA、マネックス(4.5億調達2014.7
■1年以内資金調達予測:直近で4.5億調達しているが、1年以内にまだありそう
■参考記事:八面六臂が4.5億調達

名前はよく聞くが全然中身を知らなかった八面六臂。中小個店の飲食の流通(納品業者からの)を八面六臂のアプリ通して受発注をすることで、オペレーション効率を上げようというサービスでしょうか。

水産食品流通のDSPという表現をしているのが面白いですね。鮮魚流通のAmazonというキャッチフレーズをよく聞きます。オペレーションを効率化できるアプリの導入をフックに、食品流通を握る市場なので、そのアプリ上で食品の売買の受発注も可能になっていく。システム使用料だけでなく、商品売買の成約手数料も儲けられるというアップサイドがあります。

累計取引店舗数も順調に伸びていますし、全ての構想が上手くいけば、かなりアップサイドはありそうですね。オペレーション効率ツールからのサービスコマースは裾野があって手堅そうだと思いました。

10:カブク / rinkak(3Dプリントマーケットプレイス)

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■サービス名:rinkak(リンカク)
■推薦者名:CAV竹川氏
■投資家:CAV、ニッセイ、フジ(2億円調達2014.6)
■1年以内資金調達予測:1年以内には調達はないかも
■参考記事:2億円の資金調達を実施

一番近未来的だったのがこのサービス。3Dプリンタのプラットフォームですが、データを送って3Dプリンタでモノを作りそれを売ることもできる。サイトを見る限りECっぽい感じ。

ただ3Dプリンタでモノが売買されるのかは国内市場においては時期尚早であり、参入タイミングとして早すぎるかもしれない。ただ市況も良いので大型調達しておけば3年くらい生き延びて、3〜5年後に3Dプリンタ市場が本格的に盛り上がってきた時に良いポジションを取っておければ良いのでしょう。

スクリーンショット 2014-08-08 15.55.21こういうのほんとに買うのかなあ。3Dプリンタで作られたものが普通に作られたものとどう違うのかそんなにわからないので、とりあえず買ってみるかな。ただ、データがあれば製造できるということで受注生産で在庫持たない。コスト構造が従来のコマースと全然違うという点は魅力的です。

感想:アーリーステージの案件は現象傾向。大型化が進む

8社中5社の1年以内数億円調達と予測しました。残りの3社もAntennaなど資金調達が必要なさそうなところも含まれています。

2012年は20社、2013年は15社、2014年は国内10社と海外5社が登壇。敷居を上げたのか、国内案件のみに焦点を当てると登壇企業は半分に。

スタートアップ市場が盛り上がっているのは主に2011年前後の銘柄によるシリーズA以降資金調達の大型化であり、2014年はシード・アーリーは不作とも言われています。その懸念がそのまま(一定のレベルを超えた)登壇企業数にも表れているのかなと。

登壇企業数は減っても、登壇企業から実際に億調達まで進める企業の数は変わっていなそう。故に億ラウンドへの進出率は上がるかも。ただ、今回は既に億調達を実行済みのところも何社かあり、資金調達の大型化が進んでいる傾向があることが顕著にわかりました。

10月に開催されるインキュベイトキャンプ7thもシードステージの案件をブラッシュアップするというよりは、アーリーステージに段階を引き上げている印象があり、全体的に資金調達はやはり大型化している感じがします。

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