ライフスタイル関連の○○協会や○○検定というビジネスモデル、これは美味しいというか、相当にあくどいなと思います。フードコーディネーター協会を事例にそのエグいモデルを可視化してみましょう。
ライセンスモデルで利益率が高い協会検定ビジネス
まずフードコーディネーター協会の会員というのがあるらしいです。会員特典を下記に抜粋。会費はざっくり個人なら年間2〜3万、法人なら4〜5万。
・会員として協会事業に意見提案したり協会事業に参画することができる。
・協会主催の講演会、セミナー、見学会に会員料金で参加できる。
・3級及び2級1次試験の受験料は、会員価格で受験できる。
・ジャーナルを年6回無料購読できる。
・協会ホームページの会員ページが活用できる。
○○協会は○○検定を付随して有していることが多く、フードコーディネーター協会もフードコーディネーター資格認定試験があります。1級になると二次試験まで含むと受験料2.5万です。
ざっくり協会会員になり、資格試験を受けると年間5万円くらいになる。資格試験の対策セミナーとかも数万円であります。
コスト構造を見ると、資格試験も教材もライセンスモデルのようなもので、受ける人が増えれば増えるだけ利益が上がる仕組みで、極めて利益率は高い。フードコーディネーター協会を事例に挙げただけで、この手の検定ビジネスは受験者が多ければ多いほど儲かります。
僕などTOEICに搾取されていると憤慨したことが昔ありましたね。TOEICはあたかも社会人が高得点を取っておくと極めて有利かのような風潮がありますが、TOEICというビジネスに乗せられているだけだと思います。実際にスピーキングできないと仕事で話になりませんしね。
資格取得の投資対効果をどう捉えるか
フードコーディネーターはHPによると3級は約42,000名、2級は1,040名いるそうです。フードコーディネーター資格を持っている人に話を聞いたことがあるのですが、その資格を持っているからといってそれで仕事できている人はほとんどいないと聞きました。1級レベルになれば話は別でしょうが、たしかに3級レベルでは仕事にならないでしょう。
こうした資格はエンターテインメントとして「俺、フードコーディネーター3級持ってるんだぜ(キリッ)」と言って、合コンで料理できそうアピールするくらいの武器として、数万円の投資を高いと見るか否かは人それぞれの価値観でしょう。
僕はカラーコーディネーター検定3級を有していますが、その割に色彩センスが悪いし、それで仕事になるとは思ってもいません。士業や医者など職業に直結する以外の資格は、自己満足に過ぎないのだと思います。合コンでフードコーディネーターと名乗って、ウケが良い。それに満足できて、投資の正当性を感じられるならいいんです。実際に教養としては良いと思いますしね。ただ、それで仕事ができるとか過渡な期待を持たない方がいいです。
しかしこの「協会検定ビジネス」のライセンスモデルで楽して儲けるというのが、癪に障るなというか、変な資格に踊らされて無駄な金と時間を投資しないようにしたいものです。この手のモデルの格好の餌食はケイコトマナブを読んでいるような非キャリア志向のOLでしょう。騙されやすいのでお気をつけいただきたいものです。
僕はこの手の資格は事業者として儲けるには良いのですが、儲けさせる側にはなりたくないなと思います。コンテンツに課金するという心理と類似はするでしょうが、価値に対して割高だと思うんですよね。
ライセンスモデル、美味しいっすよね。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
北欧ヴィンテージ食器・北欧の生活道具の通販サイト、LARO(ラロ)で街コンで使える食器を揃えよう!
スタートアップの会計なら、クラウド会計ソフト「freee(フリー)」
■ The Startup最新事情
New ! Amazonマーケティングカテゴリー1位獲得。
梅木雄平が選ぶお勧め書籍30冊。
記事ネタや広告掲載に関してはこちらからお問い合わせ下さい。
東洋経済で「スタートアップのビジネスモデル」を連載中。
最新記事:ス「5秒の動画」で採用を決める時代はくるか
会員数200名突破!スタートアップ業界の表裏最新事情を届けるUmeki Salon、サロンインタビュー記事はこちら。