The Startupでは目先の株価に踊らされた報道はまずしない。業績や株価が上がればメディアがこぞって取り上げ、業績や株価が下がればこぞって叩きにくる。
ディー・エヌ・エー ミクシィ グリーほか 突然儲からなくなった会社何が起きたのか
この現代ビジネスの記事に限らず、メディアの横並び主義や本質が見えてない感じにほとほと嫌気が差したので主張しておきたい。
一例としてGREEを挙げておきたいが、「突然儲からなくなった」と言っても四半期で100億円の営業利益をまだ上げている。サイバーエージェントでも営業利益は通期で約100億円だ。単純計算でいえばGREEはサイバーエージェントの4倍の営業利益を稼いでいる。下記は現代ビジネスの記事からの抜粋。
GREEの最新のIRによると現預金は約400億円、利益剰余金は約900億円ある。希望退職募集によるリストラや事業の先行き不透明感はたしかにあるが、財務的に当面潰れることはない。時価総額は2,200億円。PERは9倍だ。DeNAに至ってはPER6倍の水準。同様に財務的には安定している。
なぜちょっとした業績や株価の低下をメディアはこぞって取り上げたがるのか?僕個人的にはアホかと思っているわけだが、その理由を考えてみた。
■1:悲観的な内容の記事が読者に好まれるから
特に日本人は人の粗を探し、調子が良かった人が崩れると叩いて喜ぶ傾向にありますよね。嫉妬文化があることは否めない。その心理につけ込んでメディアは過剰なタイトルや内容の記事を書く。記事を読んだ印象では「GREEオワタ」と感じざるを得ないような。
読者はみんなそんなに賢くはないし、細切れの時間でニュースを読んでいる。短絡的な思考で記事の内容を鵜呑みにし「ああ、GREEオワタか」と思い込むわけです。自分で考えずにね。これではメディアに踊らされているといってもしょうがない。メディアはPVも取れて、めでたしめでたしなわけ。
■2:メディアの横並び意識
これは特に新聞社とかに強い傾向があると聞きました。「特ダネ落ち」するなという奴です。他メディアがGREEの凋落について報じていて、それが結構インパクトが大きそうなネタであれば、取り上げないわけにはいかない。そういう意識でネタ選定している書き手は少なくないでしょう。僕かて「しまった、Rettyの資金調達情報が事前に回ってこなかった…」とか思うくらいですから、書き手であれば当然の心理といえます。
■3:経済記者やジャーナリストは財務諸表を読めるんですか?
1の悲観的で過激な表現で数字を取りたい、2の横並び意識。こういうのが勝って、そこまで過剰に報じるべきものでもないネタを過剰に報じている気がします。GREEやDeNAの営業利益が下がっているのは事実ですが、現代ビジネスの記事のみに関わらず、各メディアの報道によって両社に対して悲壮感漂う市場環境になっているように見えます。確実にメディアはマーケットメイクの一環としての役割を果たしている。
でもよく見てほしいわけですよ。PLではなくBSを。GREEの利益剰余金、900億円じゃないですか。営業損益も赤字で利益剰余金的にもかなり危うい企業を「そろそろオワタ…」と叩くのは確実性が高いから問題ないと思いますよ。全然BS的に安泰そうな企業をフルボッコで叩きにいくのは、この記者たちは財務諸表読んでるのか?経済記者のくせに読めてないんじゃないか?と思うわけです。
僕がGREEやDeNAオワタという記事を書いている記者たち自身が終わってるんだよという主張をしても雀の涙でしょうが、バフェットの「ミスター・マーケット理論」を書き手の皆さんはもっと真剣に捉えた方がいいんじゃないでしょうか。ミスター・マーケットに関する参考記事。マーケットとメディアは連動しており、報道が過剰な時の実態はそこまでほどには良くも悪くもないんだと思う。
最後に投資判断を一言だけいうと、人材レベルが高くPERが6倍のDeNAはそれだけでbuyとでもいえちゃう気がします。GREEと比較して人材流出は少なそうなので、また凄いものが出てきてすぐ復活する気がする。
もっと物事を本質的に見よう。メディアと株価に踊らされてはいけない。
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