話題のネタに乗るか否か

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ブロガーが数字を取りに行く時のパターンとして「話題のネタに相乗りする」というパターンが挙げられる。話題のネタのベンチマークとして最適なのがBLOGOSの注目タグだ。複数のブロガーがそのネタに関連する記事を寄稿しており、それに気づいた(ネタに困った)ブロガーたちがその話題について取り上げて、さらに話題になる。というループが存在するといえる。

スクリーンショット 2013-11-09 14.34.13僕は書き手のポリシーとして「話題になるネタを作る」ことを主眼と置き、「話題になっているネタに便乗する」ことはあまりしないようにしている。多くのブロガーが話題にしているネタは極力避けるのだ。

例えば、炎上マーケティングという考え方にも二通りあると思う。一次ソースとして結果的に炎上してしまった場合(その意図があったかどうかは別として)と既に炎上しているネタに二次的に便乗する場合。後者は新たな論点を炙り出せれば価値があるのかもしれないが、炎上ネタに乗って数字を取りたい心理も垣間見え、特筆に値する見解がなければ「ダサい」と感じる。

ポジティブなネタ、例えばtwitterのIPOなどに乗るのは悪くないと思う。しかし、ネガティブなネタ、例えばmixiの赤字やリストラに乗るのはダサいと思う。それが僕の価値観だ。僕の立場では、放っておいても誰かが書くネタ、しかもネガティブなネタを追う必要性は感じない。

ネガティブなネタで今年僕の頭に残っているのは、GunosyのロジックとかGREEのリストラとかそういう話。そういうネタは全て自分は書こうとは思わなかった。あまり生産的な内容にならないだろうし、ブロガーが5人くらいGREEのリストラについて語れば、論点はだいたい出尽くしてしまい、あとはトリッキーでクリエイティブな論点を創り出すくらいしかわざわざ記事を書く価値はない。

なぜこの記事を書こうかと思ったかというと先日、メディアに殺されるmixiという記事を読んだから。この記事について私の周囲では否定的な見解もあるようだが、「ネガティブなネタをブロガーがこぞって取り上げることで、ユーザーからのイメージが悪化する」という構造自体は存在すると思う。その構造に加担することがクールではないという自分自身の価値観から、僕は今までそういうネタは避けた。一方で先日のMOVIDAのDemoDay記事はそういう記事をどこでも見かけないから、先陣を切ろうと思い書いた。

とはいえ、メディアに殺されるほどではないというのが読者の感想もあり、強すぎる表現に違和感を覚える人はいるであろう。大元氏は数字欲しさに強めの表現にしたんだろうなと勘繰られても致し方ない。私にもそういう経験があるからどちらの立場も理解できる。

当該記事の最後の一文のみ抜粋してみよう

収益構造に変化が生じ、それに対応しようとしても「それを悪」であるかのように報じるメディア。もし、これから先ミクシィに最悪のシナリオが訪れた時、「なぜあの時リストラしなかったのか?」そんな見出しがメディアのタイトルを飾ることが訪れないことを願いたい。

とあり、決して大元氏はmixiを殺したいと思っているわけではないように見える。読者によってはmixiを擁護した記事と読むこともできよう。しかしこの記事タイトルではmixiを殺すメディアの一翼を担ってしまっている印象を私は受けた。

私もネガティブなネタに相乗りする手法を避けてきたと冒頭で主張して、今回敢えて乗ったという矛盾を犯したわけだが、メディア論として指摘しておきたい観点なので記事化した。

ネガティブなネタをこぞって叩く相乗り記事はクールではない。同じネタに群がるのではなくオリジナルなネタを探せ。

メディアのあり方を変えた 米ハフィントン・ポストの衝撃という本を先日読んで、メディアは横並び意識が強く「特ダネ落ち」しないための夜打ち取材などをやるのは不毛で、ストーリーテリングに基づくオリジナル記事の付加価値の高さを思い知らされた。本誌では今までストレートニュースは資金調達ネタのみ扱ってきたが、それすらやめようかと思わせられるほど、横並びのネタに価値はない。

横並びではない価値の高い記事を多く出せるよう、努力したいものである。

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