2013年5月8日、キュレーション型ファッションコマースサイト「MUSE & Co.」を運営するミューズコー株式会社は、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ株式会社 (ITV)、インフィニティ・ベンチャーズ LLP (IVP)、三菱 UFJ キャピタル株式会社 (MUCAP)の 3 社を割当先とする、総額 3.5 億円の第三者割当増資を実施したと発表した。以下リリース内容を一部要約。

■MUSE & Co.概要

リリース　　　：2012年5月
会員数　　　　：約20万人
取扱ブランド数：約500

出典：PRAsiaGroupのリリース

MUSE & Co.はGILTクローンといって差し支えないでしょう。今回の出資のポイントを何点か整理します。

■１：アパレル系ならITV。伊藤忠のMD力が付加価値に

アパレル系のシリーズAではITVに勝るところはないでしょう。商社の中でもアパレルに強い伊藤忠グループのシナジーが見込め、ロコンドやiQonもITVが投資しています。ブランド開拓で付加価値があり、アパレル系スタートアップにとってITVからの出資は喉から手が出るほどかもしれません。ITV以外でアパレル分野で付加価値が出せるVCの存在が待ち望まれます。

■２：とはいえブランド数の壁に当たるはず（GILTの課題も同様）

キュレーション型コマースを標榜しているだけあり、通常のコマースより売上のアップサイドは低いのではないかと思われます。これはGILTも同様の課題があり、GILT CITYなどで商品の多角化を図っているといえます。ITVのシナジーで取扱ブランド数は増えるでしょうが、どうスケールさせていくのでしょうか。

■３：GILTへのEXITも選択肢にあるのだろうか

単独IPOを狙うのか、GILTのような先行者へ売却を狙うのか。GILTは日本版も力を入れていますから、GILTが扱うブランドや顧客とどれだけ被りがないかが売却にあたってのポイントとなりそうです。MUSEはGILTのようなラグジュアリー路線ではなさそうなので、案外被らないのかもしれません。

私がターゲットユーザーじゃないからか、それともステルスモードなのか全く情報が入ってこないMUSE & Coですが、対GILTでどういう戦いを見せるのか。百戦錬磨のIVP様の案件ですので、こっそりと注目しております。

先日記事化したGILTループとは違ったマーケティング手法をとっているのでしょうか。GILT本をまだ買っていない方はぜひ。

GILT(ギルト)――ITとファッションで世界を変える私たちの起業ストーリー

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