【速報】優勝はコイニー:CAV主催RISING EXPO登壇全20社ご紹介

Pocket

本日9/28(金)に行われたCyber Agent Ventures(以下CAV)のイベント、RISING EXPOに行ってきました。このイベントは「日本最大級の、資金調達・事業提携の場」を謳い、既にサービスをローンチしており、1億円以上の資金調達を検討しているインターネットベンチャー20社が100社以上の厳しい選考をくぐり抜け、VCや事業会社向けにプレゼンするという大型イベントです。スタートアップ界隈では開催前から相当に注目度の高いイベントでした。本稿では20社全てについてコメント付きでお届けします。ちなみに優勝はコイニーでした。 

#1:Trippiece=旅行×ソーシャル

■サービス名:Trippiece (株式会社Trippiece)
■推薦者:元mixiCFO小泉氏

本誌でも何度か紹介しているがTrippieceがトップバッターだった。(参考:trippieceにみるテイストグラフ系サービスのマネタイズ手法)旅行関連のスタートアップでは既に一歩抜きん出た存在になっており、順当な成長ぶりが伺えた。20代の旅行初心者のユーザーが多いという点が印象に残った。マチュピチュへの旅行プランで140名の参加が既に決まっているものもあり、海外旅行という単価の高さから売上が立ちやすいモデルであることを改めて感じた。

#2: tixee=ソーシャルチケット

■サービス名:tixee(Live Styles株式会社)
■推薦者:Klab ventures

最近、Klab venturesが投資を実行したtixeeというスマホアプリのソーシャルチケットサービス。「電子もぎり」という点に注目しているようだ。入場スピードが求められる大型イベントでのオペレーションを、電子もぎりで短縮化できるのがイベント主催者側のメリットだという。ちなみに最初はQRコードでの運用を試したが、あまり上手くいかなかったという。ソーシャルチケットサービスはatndやpeatixなど国内でもレッドオーシャン化しているが、どこが一歩抜き出るのか。イベント規模に応じて大型イベントはtixee、小型イベントはpeatix、のようにセグメントごとに強いプレイヤーがシェアを伸ばすのか。今後に注目したい。

#3:チケットストリート=チケットマッチング

■サービス名:チケットストリート(チケットストリート株式会社)
■推薦者:incubate fund本間氏

「ライブエンターテイメントをもっと身近に」がコンセプトのチケット売買サイト。より具体的には「コンサートへ行けなくなった人」と「コンサートにどうしても行きたい人」を直接会ってのCtoCやエスクローでマッチングする。電話やメールなどでの問い合わせにも対応し、カスタマーサポートに力を入れているようだ。海外ではチケットの二次流通の市場も一次流通の市場から恐れられるくらいの規模に拡大しているという。

#4: VIVA JAPAN=ジャパニーズ・コマース

■サービス名:VIVA JAPAN (株式会社VIVA JAPAN)
■推薦者:DCM伊佐山氏

元cafe grooveの方が創業した日本のライフスタイルプロダクトを海外に持っていく」というコンセプトのEコマース。日本版Fab.comといえるかもしれない。既に、MOVIDA、DCMから出資を受けており、フランフランを経営するBALS創業者の高島氏も取締役に入っている。メインターゲットをASEANとしており、中でもまずは親日国を攻めていくようだ。

また、検索では買い物できなくなってきているというところで、人によるキュレーションとモバイルでのプッシュで商品を勧めていく(1日5つの商品をpushでお届け)というUXを考えているようだ。高いエグゼキューション力を有していると見受けられ、今後高い成長性を期待できると私は感じた。

#5:Wish Scope=クラシファイドサイト

■サービス名:WishScope(ザワット株式会社)
■推薦者:Wish Scopeユーザーのカメラマンの方

本誌でもたびたび登場するWish Scope。(参考:Wish Scopeの事業分析を元にしたCtoC事業の可能性)最近はみずほキャピタルとSMBCキャピタルから資金調達を発表している。「人間の興味・スキルを発見しやすいサイト」を目指しているようだ。「とりあえずwish」という若干寒い?言葉を流行らせたいようである。打倒クレイグズリストを掲げている。クレイグズリストが日本で流行っていない理由を徹底的に分析し、不安要素を排除してジャパナイズしたクラシファイドの設計を意識しているようだ。既に法人向けに有料の求人広告モデルも開始しているようだ。

匿名寄りのクラシファイドとしては国内ではJMTYがあるが、Facebookログインで実名制を担保したWish Scopeと、どちらにクラシファイド分野での軍配が上がるのか今後に注目したい。

#6:Omiai=Facebook上でのお見合いマッチングサイト

■サービス名:Omiai(株式会社ネットマーケティング)
■推薦者:モバイルインターネットキャピタル

創立9期目のネットマーケティング社の新規事業として立ち上げられた「Omiai」 。結婚マッチングサービスだ。海外ではこの分野でスケールしている事業もあるとのこと。最大のポイントはFacebookログインによる「顔写真がわかる」マッチングサイトであるとのこと。特に男性に人気だという。ちなみに男性は月額3,000円。別で聞いた裏話だが、月額費用を1,000円から3,000円に途中で値上げしても、離脱率は低かったという話をも聞いたことがある。Omiaiを通して出会った人の入籍報告も最近あったようだ。

同分野ではFriggというサービスもあるが、Friggでは顔写真が設定されていない場合も多く、たしかにお見合いにおいて第一印象で顔写真があることは重要だなと感じた。

#7:Eyeland=位置情報×コミュニケーション

■サービス名:Eyeland(オーシャンズ株式会社)
■推薦者:ネットエイジ西川氏

「ローカルグラフ」がコンセプトのスマホアプリ。デモ画面を見ると、アメーバピグのリアル位置情報版の印象を持った。今いる場所をベースに、チャットなどで周囲にいる人とのコミュニケーションを楽しめるという。

位置情報サービスといえばfour squareであるが日本でアクティブ率が下がってきているように見える中で、位置情報系のサービスはよほど中毒性がなければアクティブ率の向上は見込めない。知らないユーザーと接することに本当に中毒性を感じるのかがセンターピンになるであろうが、アメーバピグの先行事例もあり、どこかでブレイクする可能性もあるかも。

#8:taptrip=グローバル・コミュニケーション

■サービス名:taptrip(株式会社奇兵隊)
■推薦者:incubate fund和田氏

「世界中に友だちを作ろう」というコンセプトで、世界249カ国の人と繋がる価値を提供するサービスだ。サービス名から旅行系サービスかと思ったが、アプリ上で海外の人とコミュニケーションを図るサービスである。自動翻訳機能でストレスなく言語でコミュニケーションでき、絵文字などの非言語コミュニケーションも図れ、世界中の人々と繋がることができる。既に210カ国のユーザーがいるという。ちなみに推薦者の和田氏はポケラボ以来の共同創業案件ということで気合いが入っているようだ。

このモデルは私ははじめて聞いたが、海外の人とコミュニケーションすることで疑似旅行体験ができたり、異文化コミュニケーションを図れる事業モデルは面白いと思った。個人的には翻訳機能なしで英語でのコミュニケーションができて、レアジョブ的な使い方をするのもアリかと思った。

#9:チームスピリット=ビジネスクラウドサービス

■サービス名:チームスピリット(株式会社チームスピリット)
■推薦者:salesforce

salesforceの投資案件。スマホをメインデバイスとしたUXを提供する現代版サイボウズのようなものだろうか。勤怠管理や交通費精算、行動管理や原価管理などがスマホアプリで簡単にデータ入力でき、容易に定量的なパフォーマンスマネジメントが可能になる。ビジネスツールで定量的なビッグデータの収集に向くだろう。セールスフォースとの相性の良さもあり、現在はセールスフォースの上に乗っているそうだ。

yammerやtalk noteなどのビジネスコミュニケーションに特化したツールは見かけてきたが、定量データドリブンとなるビジネスツールは私は今まで見たことがなかった。面白そうな分野だ。

#10:Canpfire=クラウドファンディング

■サービス名:Campfire(株式会社ハイパーインターネッツ)
■推薦者:クロノスファンド松山氏

今回の登壇社の中でも高い知名度を誇るであろうCampfire。クラウドファンディングやCampfireに関しては本誌の読者であれば説明不要であるので説明は割愛する。クラウドファンディングは受注生産に近いプラットフォームであり、ガジェットと相性が良いという話があった。他にもネットサービスの立ち上げの際にプロモーションとして利用するケースも増えてきているように見受けられる。

クラウドファンディングは国内ではCampfireとReady For?の一騎打ちとなっているであろう。他にも分野特化型のクラウドファンディングも多数できてきたり、クラウドファンディングのアグリゲーションサイトも登場しているようだが、私は国内において1,2社しか生き残れないであろうと考えている。掲載案件は強いプラットフォームに集中することが見込まれ、分野特化型が総合型のCampfireやReady For?に勝るのは難しいであろう。

#11:リボルバー=日本版のLittle Monsters.com

■サービス名:リボルバー(株式会社リボルバー)
■推薦者:エイベックス

セレブやハイブランドが熱狂的なファンを集め直接交流するためのプラットフォームを提供している。これは本誌でも先日ご紹介したRady GAGAのLittle Monsters.comのようなメディアのプラットフォームである。 2012/7/31の設立で9/3に倖田來未のサイト、次にAKB48の板野友美のサイトをリリースしている。リボルバーはLittle Monsters.comの運営会社であるBackplaneを競合と挙げた。BackplaneはまだLADY GAGAのみの提供のため、アーティスト数やアジアという環境で勝負したいという。

このモデルは日本でまだ認知が低いであろうが、アーティストの新たな収益モデルになる可能性があると、私は非常に注目している。特にコアなファンからのARPUを上げられるモデルであると考えている。

#12:コイニー=スマートフォン決済

■サービス名:コイニー(コイニー株式会社)
■推薦者:クロノスファンド松山氏

既に本誌の読者の多くはその存在は知っているだろうが、コイニーは日本版Squareと言われることが多い。詳細はリンク先のTech Crunchの記事をご覧頂きたいが、今後はNFC周りとの連携もしていきたいとのことで、大きな市場を取れる可能性もあるだろう。と私の周りでも期待されている声を聞くことが多い案件であり、前評判の高さも伺えた。私は決済には疎いのでコメントは控えておきます。

#13:my creadit=金融のターゲティング広告

■サービス名:my creadit(株式会社エクスチェンジコーポレーション)
■推薦者:電通国際情報サービス

ソーシャルレンディングサービスのAQUSHを運営しているエクスチェンジコーポレーションの新規事業。自分のクレジットカードのデータなどを入力し、信用力のスコアをはじき出す。そのデータに対して金融機関はターゲティングして、金融商品を提案できる。ターゲティングにより、成約率が上がり、成約した際にアフィリエイトで収益を得るというモデルだ。センシティブな個人の与信情報を取得した上での広告マッチングサービスである。尚、2012/10/1からサービスを開始するようだ。

#14:Between=カップル向けSNS

■サービス名:BetweenVCNC,inc
■推薦者:CAV海老原氏

韓国発のカップル向けSNSのスタートアップ。リリースから10ヶ月で既に150万DLされているという。この分野は海外ではPair、国内ではPairyなどにわかに市場が盛り上がってきているが、Betweenがこの市場で最も成功しているプレイヤーかもしれない。(参考:国内外カップル(リア充)向けSNSアプリ8選)フリーミアムやコマース、広告など、のビジネスモデルを考えており、特に後者2つはカップル用のセグメンテーションができ、カップルに何かを買う、O2Oで行動を促すというのはCVRが高そうに思える。コマースではフォトブックなどを考えており、広告では映画やアクセサリー分野を考えているようだ。ちなみに日本では1回のデート代が80$〜120$らしいということが印象に残った。

外部ネットワークのスケールが肝となるSNSにおいて、Betweenが急速にユーザー数を伸ばした秘訣はピッチからはわからなかったが、カップルに必要なUXを提供するUIであったり、キャンペーンなどのマーケティングの巧さが功を奏したのだろうか。

#15:Flava=振り返りたくなるライフログサービス

■サービス名:Flava(Greemmonster,inc)
■推薦者:CAV海老原氏

こちらも韓国発。既存の写真サービスは多いが、PCのフォルダに保存されているような感覚で、あまり読み返したいとは思わない場合が多いという問題意識から、ライフログを振り返りたくなるようを整理の仕方で保存するという価値を提供するサービス。Pathキラーとしての見られ方もあるようで(参考記事: 「Flava」で「Path」の不満をあらかた解消するが…コミュニケーションというよりかは「そのコンテンツを振り返りたくなるか」という点にフォーカスしたUXを提供しようとしている点が印象に残った。

#16:iRemocon=家電のリモコンインフラ

■サービス名:iRemocon(株式会社グラモ)
■推薦者:CAV大下氏

今回の中では珍しいハードウェア。既に家電量販店で25,000円で市販されているようです。家のTVや暖房など、全てリモコンでの操作が必要なもの対して、家から出ていて遠くからでも遠隔操作できるリモコンだ。主要展示場のモデルルームにも多く完備されており、リモコンのインフラを目指しているようだ。クラウド×リモコンという感じである。

クラウド×ハードウェアという分野ではスマートTVでガラポンなどもあるが、家庭へ浸透させる難易度が高く、如何に大手を巻き込んでスピーディーに浸透させることができるかが鍵になるであろう。

#17:Beatrobo=人がキュレーションした音楽の共有

■サービス名:Beatrobo(Beatrobo,inc)
■推薦者:CAV大下氏

Spotifyのような音楽聞き放題のサービスがインフラになっていくであろう今後、人による音楽のキュレーションが必要になってくると考えており、そういったサービスを提供するのがBeatroboだ。Beatroboはロボットのアバターであり、10月以降リリースの新機能では友だちのロボが部屋に入ってきて、友だちのプレイリストを勝手に聞けるという機能が出る。曲との出会いのセレンディピティをより誘発できる仕組みだ。今後はiPhoneアプリなど様々なデバイスで利用できるようになるという。

音楽の楽しみ方を変える、新しい曲との出会い方を創るという点ではイノベーティブで良いプロダクトであると思う。 ティーンがどれだけハマれるかがポイントであり、その辺へのプロモーション施策が成否を握ると思われる。

#18:Snapeee=「かわいい」共有アプリ

■サービス名:Snapeee(株式会社マインドパレット)
■推薦者:CAV大下氏

Snapeeeは本誌でも写真アプリ紹介などでたびたび登場しているため、詳細は省きたい。が、「デコカメラアプリ」ではないと言われてしまい、私はてっきりデコカメラアプリだと思っていた。単なるデコレーション写真の共有ではなく、かわいいコンテンツを共有することでコミュニケーションが生まれるサービスを目指しているとのこと。

課金や広告、企業タイアップ広告など、マネタイズも始まっており、写真アプリのマネタイズの先端的な事例となるか、マネタイズの観点で今後注目してきたい。 

#19:cakes=有料コンテンツアグリ・プラットフォーム

■サービス名:cakes(株式会社ピースオブケイク)
■推薦者:ダイヤモンド社

本誌でも今最も注目しているサービスの一つであるcakes(参考:コンテンツ・アグリゲーションは次代の金脈と成り得るか?「本が売れない」という課題を解決したくて立ち上げたそうだ。プロが本気で創ったコンテンツだけがオンラインに載っていないので、そういうコンテンツが載るプラットフォームが必要だと考えたという。売上の60%をクリエイターに配分するそうだ。ん?ということは40%がcakesの粗利となる。これはまぐまぐと比率が変わらない気が…

yahoo個人ニュースというBLOGOSと被りそうなものが最近発表されたばかりで、クリエイターがオリジナル記事を提供し続けられるか否かが鍵であろうが、cakesは編集力が高そうで、その辺りが競争優位性になると考えられる。

#20:Mutations Studio=スマホ専用ゲーム制作会社

■サービス名:株式会社Mutations Studio
■推薦者:CAV久保氏

アドウェイズで大ヒットゲーム(2011年の年間ランク国内3位のゲーム)をプロデュースした方が立ち上げたゲーム制作会社。スマートフォンゲームに相当詳しそうな方で、次代のone of themを思い起こさせるような気がしました(勝手にそんな気がしました)

注目はリボルバーとVIVA JAPAN

振り返ってみると私が知っているサービスが半分、知らなかったサービスが半分でした。知らなかったサービスの中で、最先端でこれからブレイクしそうなサービスを知ることができたのが個人的には収穫でした。知らなかったサービスとして私が注目したのは…

・リボルバー(アーティストとファンの交流プラットフォーム)
・VIVA JAPAN(日本のライフスタイル製品をグローバルに販売)

この2つのサービスは確実に今後市場の拡大が見込まれる分野でかつ売上が立ちやすいモデルだと思いますので、今後この分野に注目していきたいと思います。

会員数ついに100名突破!スタートアップ業界の最新情報盛り沢山の有料オンラインサロン、Umeki Salonへのお申込はこちら。



Pocket

コメントを投稿する

「【速報】優勝はコイニー:CAV主催RISING EXPO登壇全20社ご紹介」に対してのコメントをどうぞ!