Wish Scopeの事業分析を元にしたCtoC事業の可能性

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CtoCサービスがにわかに盛り上がっており、本誌でもソーシャルランチCoffeeMeetingに関する記事をお届けしています。*著者はヘビーCoffeeMeetingユーザーのため、ご興味のある方は本ブログの上タブからぜひ「いつかお茶したい」してください。今回はCtoCサービスとしてWish Scopeを取り上げ、CtoC事業のセンターピンやKSFを探ります。

ゆるふわな世界感のWish Scope

本誌をご覧の方にWish Scopeはどういうサービスであるかという説明は省き、Tech waveの記事Startup Datingの記事を参考にして頂きたい。「願いを叶える」マッチングサービスであるWIsh Scopeは最も近い既存サービスはZaarlyであるだろうが、CtoCマッチングという観点では広義ではクラシファイドサービスであるといえます。IVSでの動画によると代表の原田氏は完全に実名ではないこともあり、クラシファイドには懐疑的なようですね。

UIやジャンルやお願い項目のワーディングから、堅いマッチングではなく「ねえねえ、お願い〜」的なゆるふわ系な世界感を私は感じます。

成約率は30%。ナレッジシェアに強い

Wish Scopeでは10のジャンルと5つのお願いによって投稿が分類されます。3/22日現在の掲載数を元に下記を洗い出してみました。

▷お願い項目

売買系:売ります/買います
スキル(ナレッジ)シェア系:手伝って/教えて
採用系:仲間募集

▷ジャンル:掲載数 /(成約数=Completedの表記) / 成約率
*目視のためザックリ。成約率%は四捨五入。

タレント:56(21)35%
ファッション:106(30)30%
書籍:44(7)15%
音楽:45(15)30%
映画:21(5)25%
ゲーム:30(11)30%
家電:92(20)20%
家具インテリア:48(16)30%
その他:323(93)30%
フード:58(19)30%
総投稿数 :823(237)30%

▷分析結果

全体的に約30%の成約。これはそれなりに高いのではないだろうか。
お願い項目でいえば成約数が多そうに見えたのが「ナレッジシェア」系。
これは「ゆるいQ&A」系ともいいかえることができそうです。
例:バレンタインに欲しい手作りのものは?

Q&Aというと堅く、即時性が求められるという印象もあるがが、ゆるふわな雰囲気により、ゆるい「教えて」投稿が集まり、それに応えれくれる人もそれなりにいるというサービスカラーになっていることが伺える。
売買系は家具等の大きいものの取引が多いように見受けられ、採用系も特にライトなものが成約しているようにみえる。

このように投稿を見れば色んな種類の投稿があることを知れて、ハードルが低そうなことは伺えるが、実は私はお願いしたいことがあまり思いつかない。。。投稿を増やす工夫については後述します。

センターピンは成約数。成約を増やす内部施策とは?

事業上のセンターピンは成約数になります。投稿数の母数を増やす必要もありますが、如何にユーザーがサイト内で成約の成功体験を積めるかでリピート率が違ってきますし、「成約率が高いらしい」という評判で、新規投稿数の増加も見込めます。ここではサイトの内部施策を考察します。

▷ 「応援」する

これはtwitterでいうRTのようなものでしょう。応援数が多いと人気投稿にランクインしやすいというロジックのようです。

▷人気投稿

たいていのサイトにはあるランキング。鉄板ですね。

▷ ベストヒーロー

これはWish Scope独自の機能ですね。お願いを叶えてくれた人に与えられる名誉称号。こうした名誉インセンティブは叶える側の成約の成功体験として良いもので、成約の再現可能性を高めるでしょう。良い機能です。

投稿CVRを高めるコンテンツマーケは重要

成約数を増やすためには新着投稿をユーザーに見てもらう必要がありますが、投稿CVRを上げる施策も重要です。サイト内構造ではない外部施策はこのようになっています。

▷メルマガ:成約CVR対策

毎日正午に来るメルマガというのはどこかで見たことがありますね。はっきりいってウザいと感じるユーザーは少なくないのですが、習慣化されると気になって見てしまうという罠がありますね。諸刃の剣である施策ではありますが、モニタリングしつつ慎重に運用する価値はあるかと。

▷ FBページ運用:成約CVR対策

まだあまり機能しているようには見えませんが、メルマガとは違う視点での運用が必要かと。どんなコンテンツを投下していくのか、この種のサービスでは結構悩みごとかと。

▷コンテンツマーケ:成約事例紹介による投稿CVR対策

バズワードになっているコンテンツマーケですが「サイトのKPIに結びつく数字を上げるコンテンツを仕込むこと」と私の中では定義しています。
最近、成約事例を紹介するブログを発信しているようですね。成約事例が紹介されると、投稿内容を想起しやすくなるので、そういうコンテンツがあるとユーザー的には嬉しいですし、投稿CVRは上がるでしょう。「どんな投稿が成約しやすいか」などのHow toコンテンツがあるとより良いなと。この分野は今後私が力を入れる分野でもありますので、ノウハウはあまり流出しないようにしておこう…w

これからのCtoCの話をしよう

今回のWish Scopeの個別分析からCtoCの事業を伸ばす施策の事例を取り上げました。今回の事例や他のサービスを見て思うことを。

▷これからのCtoCは間違いなくFacebookログインが前提

マスのユーザーがターゲットだからFBログインを外すサービスもたまにありますが、FBユーザーが国内で1,000万人を突破している中、よほど特殊な事情がない限りはFBログインを実装しないサービスは明らかに市場を読み違えています。匿名でのマッチングよりも実名でのマッチングの方が信頼性が高く成約CVRも高いのは目に見えています。

▷再現可能性が高いジャンルにチャンスがあり事業継続可能性が高い

成約数を積み重ねることが最も大事ですが、成約数を積み重ねる上で
「再現可能性が高い投稿内容の成約」がポイントになると思います。この点において物品売買のCtoCよりも「スキル」「ナレッジ」のCtoCの方が再現可能性が高く事業の継続可能性が高いといえます。

ヤフオクなどのオークションサイト級の規模にまで成長すれば物品売買のCtoCは面白いですが、スケールするのに相当時間がかかります。物品は有限なので、現代のFBログインによるネット界隈のインフルエンサーによるレバレッジも効きにくいでしょう。

いくつかの既存のCtoCサービスをみても「成約の再現可能性」およびマネタイズにはまだまだ疑問符が付きます。とはいえビジネスチャンスがある分野ではあると思いますね。

CtoC分野に興味があるため、5月頃にCtoCサミットを主催することを検討しています。2月にやったすごいCGMサミットの応用版みたいな感じで。そのうち告知しますので興味ある方はぜひ。



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