すまない。君が活躍できる場を与えることができなくて。

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自分の会社員時代の話って良いコンテンツになるなと思い、そのシリーズです。

新卒時代、配属時に役員会議で、全役員が「うちの部署に梅木はいらない」と言った話はこちら

2009年4月から2011年11月までの2年8ヶ月が私の会社員生活でした。もう独立して丸5年なので、会社員時代の話ってどんなに辛いことでも、今はもはやネタとしてすごく楽しめるくらいになりましたね。

さて。会社員のパフォーマンスの低さ(コスト意識のなさ)について上記記事で触れていますが、ぶっちゃけパフォーマンスなんて誰しもが高い時期もあれば低い時期もあるでしょう。どんなサイヤ人でも、低調な時期はあるものです。私が会社員としてまともなパフォーマンスを発揮したのではないかと思うのは、良く見積もったとして、2年8ヶ月中の2ヶ月分くらいではないかというのが自己評価です。

4社の経験があるのですが、会社を辞めるときに何度か言われたことを思い出しました。

君が活躍できる場を与えることができなくて、申し訳ない。

振り返ると、これは結構、名言なのではと思いました。

weak

もちろん、会社員である以上、与えられる環境を選ぶことは許されず、基本的に上にやれと言われたことはショッカーのごとく「キー!」と言ってやらねばなりません。しかし、経営者の仕事を考えると、採用した人材を最大限活かすこと。彼彼女らが活躍できるフィールドを用意して整えることが大切です。

それを、採用した人材が納得していないポジションで起用して「お前は成果が出ていないから出て行け」というのは違う気がするなと(厳密には解雇規制厳しいでしょうから、「出て行け」とはならないのでしょうが)。採用したのであれば、その人材が最大限活躍できるようなフィールドを整えるのが、経営側の責務だと思います。経営者の読者のあれば、身に覚えのある指摘でしょうが、雇われ側は案外それに気づいていません。

栽培マンとして汐留などで奮闘中の皆さんの中にも、「こんなことやりたくてこの会社入ったんじゃない」と思っている人、いると思います。もちろん、不遇な環境の中で奮闘し、得ることも多いでしょうし、そこでパフォーマンスを発揮できる人もいるでしょう。

しかし、「今の自分に与えられたフィールドでは、自分の価値は最大限発揮できない」と思えば、そのフィールドを自ら出ていくべきです。いつまでも「俺は世界の本田だ!こんなはずではない!」と言い張って、ミランのベンチを温め続けるわけにはいきません。ソリティアをやりながらオフィスの椅子を温めているおっさんは汐留に山のようにいるのでしょうが。

そこで、決して自分の能力が低いから、パフォーマンスを発揮できなかったのだと思う必要はないと思います。自分はそのポジションやチームの戦術にフィットしなかっただけ。FWで足が速いのに、なぜかセンターバックをやらされたとでも思えばいい。自らの能力に、そこまで悲観的になる必要はないんです。

私は会社員としてのパフォーマンスは相当に低く、使えない奴でしたが、それは「会社員というポジションに不適切な人材だった」からであり、ビジネスマンとして能力が低かったわけではないと思います。いち営業マンより、事業責任者の方が向いている。(あくまで例ですよ)新卒時代も直属の部署のマネージャーのビジネスセンスがないなとか、日頃思っていました。そこで愚痴り続けるだけか、スパッとやめるかの違いで、スパッとやめてきた結果、今の私があります。

世の中雇われ側の人が圧倒的大多数であるがゆえに、栽培マン論はマーケットが大きく、ニーズがあります。これを読んだ栽培マンのみなさんに気づいて欲しいのは、現時点での会社内での自らのパフォーマンスが低調だとしても、それは必ずしも100%自分のせいではないということ。あなたの力量を活かせない経営サイドに、半分は責任があるのです。だから、「どうせ俺なんか」と腐っていないで、社内で自分の力量が活かせそうな部署への移動を試みたり、もっと気軽に転職すればいいと思います。

経営サイドは、案外「採用した人の能力を活かせなくて申し訳なかった」と思っていることが、綺麗事ではなく本当にあるようです。私自身は自分がマネジメントの立場に回ると、独裁者気質のため、合わないやつは合わない。グッバイ。特に申し訳ないとは思ってない。という感じなのですが、やはり経営者の中にも心美しい方がいるものです。

今回は私の会社員時代を振り返った、栽培マンな皆さまへのエールでございました。自分の力量を活かせない会社にしがみつく必要はないですよ。



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