コスト積み上げ発想と提供価値発想の利益率の差

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世の中に存在する事業の構造を見てみると、コスト積み上げ発想の利益構造と、提供価値発想の利益構造のモデルの2つがあることに気づきます。

コスト積み上げ型というのは、例えば、仕入れが発生し、そこに一定のマージンを乗せて、売る。というモデル。例としては、小売全般や広告代理事業。100万円の広告をクライアントに売るために、代理店は80万円で広告枠を仕入れて、100万円で売って20万円の利幅を確保する。

一方の提供価値発想型。例えば、小説を書く。掲載媒体から原稿料をもらう。それが文庫化する。文庫化の際に印税を受け取る。重版される。印税増える。映画化する。原作費もらう。と、1つの仕事から複数のキャッシュポイントが発生しうる構造。

言い換えると

一物一価=コスト積み上げ型
一物N価=提供価値発想型

といえるでしょう。

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難易度が低く、コモディティ化しやすいのはコスト積み上げ型。参入障壁が低く、比較的誰にでもできる。一方の、提供価値発想型は、「何かで一発当てる」必要がある場合もあり、難易度は高い。ゆえに、一度勝つとその地位は持続しやすい。

メディアの月額課金は、提供価値発想型。しかしほとんどの場合、コスト構造は積み上げ方式であり、ライセンス料のごとく売上に比例してコストが伸びるわけではない。売上と費用の構造が異なるため、そういう事業はスケールすると利益率がグングンと伸びてくる。やるのであれば、そういう事業をやったほうが労力の割に報われるのではないだろうか。

一物一価型のビジネスモデルを続けている限り、栽培マンから抜け出すことはできないであろう。

サラリーマンなど、代表的なコスト積み上げ型一物一価モデルでは。外銀でチームの成績が良かったので、営業利益の一定比率を皆に還元しようなどという、提供価値発想での分配など普通はない。

提供価値のアップサイドをもっと人々は考えたほうが良い。最初は全然儲からないかもしれない。しかし、仮説を立てて、それを信じてみて欲しい。

「バリュー」という言葉をよく考えてみると、バリューの有無というのは、代替可能性の高低と高い相関がある気がします。



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