2016年のVRは、iPhoneにとっての2008年となるか

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B Dash Camp 2016 Springのセッションレポートを膨らませたモノです。

2016年から始まる未来~The Future of VR Games

パネラー(敬称略)
水口哲也(Enhance Games Founder / CEO)

モデレーター
藪 考樹 (モブキャストCEO)

まずは市場規模から。

☆2020年のVR市場のみ

市場規模:2.7兆円
そのうちコンテンツのみ:1.7兆円
4割がゲームと仮定:6,800億

☆2025年のVR/AR市場の内訳

ゲーム:1.4兆
医療:0.6兆円
エンジニアリング:0.55
ライブイベント0.5兆
映像エンタメ:0.4兆

出典:ゴールドマンサックス予測

まずはゲームから立ち上がっていくだろうが、解像度が高いモノが要求されるので、医療が市場を牽引する可能性があるとのこと。

☆2016年3月時点ARゲーム開発状況

VRハード:43社(日本は2社:SONYとFOVE)
VRゲームタイトル:90(日本は13社:バンナム、ソニー、スクエニ)
PS VRゲーム本数:15(日本は1)

VRはハードの価格が下がらないと、普及しないが、いつ価格が下がってくるかというタイミングの問題だけである。予想より早く、ハードの価格が低下してきているという。その中で、コンテンツプロバイダー側は、先に参入しておくと良いのか、適切なタイミングで参入すると良いのか。参入が早すぎると、制作コストの割に回収額が見合わず、スタートアップの限られた資金力では不利に思えるが、どれくらいの資本でいつ参入するかというのは、センスが問われるだろう。

ちなみに、Enhance Games(ちなみに同社は米国法人)のゲーム「Rez」はかなりPS VRで好評のようで、海外メディアでは絶賛の嵐だという。米国ではすでにVRに特化したセッションがかなり増えているようだ。

☆VRゲームのマネタイズ:PS関連グローバルデータ

PS4販売台数:3,770万
PSストア会員数:1.1億人
MAU:6,500万人
PSストア月間売上:195億円(PS4売上133億)

PSストア上でVRコンテンツを売るのが、国内では当面のチャネルとなるのだろうか。

VR

gumiのデバイス最適力の高さにみる、VRの可能性

セッション外で、子会社としてTokyo VR Startupsを立ち上げたgumi國光氏に話を伺う機会があったが、こう言っていた。

2016年のVRはiPhoneにおける2008年頃の位置づけになるだろう(國光氏)

これはスマホの次の革命がVRであるという明言だ。このデバイス・シフトの波を「そうかもね」と思ってるのと「来る!今めちゃくちゃ準備しておかないと!」というスタンスでは、その後得られる果実が全然変わる。

gumiは最初はよくわからない謎なSNSを作っていたと聞いているが、スマホに上手く最適化し、勝ち上がったプレイヤー。スマホ・シフトのタイミングを上手く掴んだといえる。デバイス・シフトで勝った経験を元に、次のデバイス革命に備えて、色々と仕込んでいるようだ。

VRと話がそれるが、新しいプラットフォームへの最適化が上手いプレイヤーと下手なプレイヤーが存在する。私が属するメディア・コンテンツ業界でいうと、サロンやnoteの波に乗れる人とそうでない人がいて、その差は大きい。その点、gumiないしは國光氏は過去実績からすると波に乗るのが上手いといえ、3〜5年後にVRで当てている可能性が高いのではないかと感じる。

銘柄としてみると、2016年3月4日時点ではgumiの時価総額180億円だが、100億くらいまで下がったら、あとはアップサイドの可能性にかけて、3-5年の中長期視点では「買い」推奨。gumiの株価がいくらで底を打つか、楽しみにしている。今時期にgumiの買い推奨って、世間からは馬鹿にされそうだが、ゲームのアップサイドはやはり大きい。

今回のセッションのEnhance Gamesは言わずもがな、国内プレイヤーでは他にはコロプラがVR強化の姿勢を打ち出している。VR市場で勝ち上がるプレイヤーがどこか、2020年頃にはまた勢力図が変わってきているだろう。



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