国内動画制作市場では既にViibarがぶっちぎってるかもしれないよ

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あまり取材をしない本誌だが、気になるスタートアップをB Dash Camp@京都で発見したので番外編を。動画制作クラウドソーシングのViibarだ。代表取締役の上坂優太氏に最近の調子を伺った。2015年5月にはYahoo!本体、GCP、GREE Venturesから7億の資金調達を実施し、累計10億以上を調達。C向けの動画事業が3MINUTEやC Channelを中心に盛り上がりを見せる中で、B向けの動画事業や如何に。

東洋経済オンライン参考記事:元楽天の30歳が挑む、動画界の「価格破壊」映像クリエーターをたばねるViibarの潜在力(2014年3月筆者執筆)

viibar

プラットフォーム型とマーケティング型が8:2

Viibarのビジネスモデルは通常のクラウドソーシング的なプラットフォーム事業と、同社ではマーケティング事業と呼ぶViibarの営業担当やプロデューサーが付く二つのパターンに分かれる。既に上場済みのあのクラウドソーシング銘柄も同様のパターンである。

取引件数か取引金額なのかは非公開だが、プラットフォーム型8割:マーケティング型2割だという。筆者は「取引件数」が8:2と予測する。

プラットフォーム型の単価のボリュームゾーン30〜70万円前後で、動画制作ニーズが顕在化した顧客の利用が多い。動画マーケティングのニーズが高まっており、プラットフォーム事業はコストパフォーマンスの良さが好評とのことだ。

マーケティング型での動画制作単価は300〜500万円

プラットフォーム型は手離れがいいが手数料型のモデルであり、薄利と言わざるを得ない。よほど取引件数がスケールしないとここで儲けるのは至難の技だ。スケールの前提となる登録動画制作クリエイター数は3,000人弱になっており、フリーランスのクリエイターだけでなく、小規模のプロダクションも登録をしており、様々なクリエイティブに対応可能になってきている。

一方のマーケティング型はオンライン動画を活用したマーケティングに力を入れたいナショナルクライアントを対象にしている。

クライアントニーズは、ただ単に動画を制作するだけではない。動画マーケティングの効果を上げることが重要である。Viibarが蓄積したノウハウをベースに、効果が高い(打率が高い)動画制作を提案できる点が、強みだ。

具体的には、どんなターゲットに、どういったマーケティングをしたいか?という目的から、効果(打率)の高いクリエイティブを企画する分析基盤の提供を開始しているという。

打率を上げるためにViibarのプロデューサーや営業をつけた上での動画制作の単価のボリュームゾーンは300〜500万円のようだ。

動画配信の予算は300万前後が主流か

制作した動画は配信して再生回数を伸ばさなければ意味がない。プラットフォーム型での30〜70万円程度の単価で制作する動画はサービス紹介など企業HPに置いておけば良いものもあるだろうが、ナショクラが500万かけて制作した動画はその類ではなく、TVCMのようにオンラインでの再生回数を伸ばし、露出を上げることが目的であることが大多数であろう。

Viibarでは制作のみならず配信も扱うが、ほとんどは広告代理店を筆頭としたパートナー企業と取り組むことが多いようだ。その際の配信の予算は300万前後が主流のようだ。Viibarは現時点では代理店業に本腰を入れる意思はなく、クリエイティブの最適化に必要な配信やデータは取り扱うくらいのようだ。

動画の配信面は現時点ではYouTubeやFacebook、twitterやyahoo!あたりが主流であり、配信面は決して充実しているとはいえず、もはや代理店すらいらないように筆者には思える(むしろ代理店業の存在意義を感じない筆者としては、ネット系の代理店はいつ潰れてくれるのかなと思っている)。

国内の動画制作市場では既にぶっちぎりかも?

脇道に逸れたが、Antennaへ取材した際にも日本がスマホではグローバルでトップを走るが、動画では先進国で最下位というデータがある。裏を返せば、それだけ動画に伸びしろが残されており、2015年のスタートアップはやや動画ブームに火がついており、動画が関連していれば資金調達がしやすい環境とすら言える。

動画の指標はCPAではなく、ブランドリフトのような認知や好感度、購買意欲向上が指標となる。従来のオンラインマーケティングの広告主はダイレクト(獲得志向)型の比率が高かったが、動画の本格化でようやくブランド(認知志向)型の広告主が増えていくのだろうか。

ブランド型広告主のオンラインに最適化した動画制作のニーズは確実にあり、既存のTVCM制作とはノウハウが若干異なるはずだ。そういった観点ではViibarはオンライン動画広告市場の入り口を抑えており、Viibarで制作された動画が各スマホメディアに降りてくるのも時間の問題であろう。むしろ、動画の配信面が足りないのが、日本のスマホ市場動画広告最大の課題だと思われる。

既にアニメーション動画制作のスタートアップ(Crevoか?)とViibarの流通総額は10倍近い開きがあるという説も耳にしており、スマホ動画市場がしっかり立ち上がった時、その勝者はViibarとなっている可能性が高いと本誌では予測する。

あのGCP高宮氏案件ということで、伝家の宝刀「小粒IPO」(100億未満の時価総額での上場)の実現確率は高いかもしれない。セクスィー投資家GREE VENTURES堤氏とのタッグという点も見逃せない。



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