グノシー福島氏(愛称:ふっき)のまともすぎる名言集

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本稿は2015年9月17日に行われたB Dash Camp@京都での「注目企業、次の一手」のゆるいレポートである。

最近、セッションをそのまま紹介する記事に価値を感じなくなってきた。ログミーがやればいいと思われがちだが、このイベントではログミー化を恐れた登壇者たちが無難な発言しかしなくなることを恐れてか、ログミーの姿は見なかった気がする。ログミーはセッションを見ていない人にとっては良いのだが、セッションを生で見ている人にとっては、セッションでしか聞けない話を聞けなくなる恐れがあるため、イベント主催者や来場者には歓迎されないこともあるようだ。

「注目企業、次の一手」は今回のB Dash Campのオープニングセッションだったが、そのまま記載したら事故る発言が多々あったため、趣向を変えてパネラーの一人だったグノシー福島氏がセッションで発した「まともすぎる名言集」を本校で紹介する。引用部分が一部編集しているが、福島氏の名言だ。

ふっき先生のまともすぎる名言に、経営者は見習おう!

アホなことをすると伸びない。ユーザーを無視した施策はダメ。

グノシーが初期に伸びた施策で一番効果があったのが、「ログインをなくした」ことだという。当初のグノシーはFacebookやtwitterでログインして、そこからの取得情報でレコメンドするサービスだったが、ログイン画面でユーザーの50%が離脱していた。

数字で「50%が離脱」とあれば、フラットに考えればここを改善できればユーザーの定着率が上がり、その後の継続率も上がる。だが、案外「50%離脱」を甘く見て、見なかったふりをする経営者も多いのではないか。ここで福島氏がいう「アホなこと」とはFBやtwitterログインである。案外、ユーザーを無視している経営者は少なくない。

社長個人の欲求を満たそうとしてはいけない。自分のエゴを通してはいけない。感情に任せた意思決定をし続けると会社は潰れる。

グノシーがTVCMを打ち始めて、それまでのパーソナライズによるレコメンデーションンからマスへと舵を切った時。その判断がユーザーに受け容れられるか、少し怖かったという。実際に、ネット世論では多少炎上していた記憶がある。だが、数値を見てみると答えは明らか。数字はすごい伸びた。

ユーザーが何を求めているか。プライドなどの感情を排除して意思決定しないと、会社は潰れてしまう。社長個人の欲求を満たそうとする経営者は少なくないように見える。自己顕示欲なのか、サービスを伸ばすためなのか、客観的にはわからないくらい露出が多い経営者もいたりする。自分の感情を優先した意思決定を続けていては、たしかによからぬ方向に転じてしまう可能性もあるだろう。

自分の仕事は、自分をクビにすること。

具体的には自分が今担当している仕事は、どんどん仕組み化していき、他の人に任せられるようにすることが自分の仕事であるという話。経営者にもかかわらず、自分で仕事をしてしまっている人は案外多い。自分の今の仕事を仕組み化して部下に渡すことで、精度が落ちる可能性もあり、多少怖いかもしれない。しかし、自らをクビにして得た時間で、次の手を考えるのが経営者の最大の仕事であるといえよう。

実際にやっていることとしては、社内ツールであるSlackにコメントを「書かない」ことと言っていた。つい言いたくなるが、堪えて言わない。指示を出さずに会社が回る仕組みを作ることを考えているようだ。

個人投資家は事業を良い意味で理解してくれない。

難しいテクノロジー銘柄などは、上場後の個人投資家に確実に理解されない。アルゴリズムの説明をしてもおじいちゃん投資家に通じない。そんな状態では、会社の本質論を語るしかない。本質論を語り、支持を得ることで、高い時価総額が実現し、結果的に好条件での資金調達や、株式交換による買収戦略に踏み切ることができる。

この名言から筆者が読み取ったのは、500億未満のIPO銘柄の経営者たちは案外IRをサボっているのではないかということだ。正確にいうと、機関投資家が理解してくれればいいと思って、個人投資家をまともい相手にしない。しかし、機関投資家が出てくるのは時価総額500億以上の世界であり、500億未満では個人投資家からの支持を得て時価総額を上げていくプレイが必要になる。誰にでもわかる言葉で会社を説明し、その魅力を理解してもらう必要が有る。そういった意味で、個人投資家は「良い意味で事業を理解していない」と福島氏は言ったのであろう。

以上です。今回のB Dash Campで最もまともな発言が多かったパネラーではないかと感じました。

fukyky



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