採用できないのはあなたのせいだ。ACSモデルを学べ!

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起業家の悩みの種の上位3つのうちの1つに安定して登場するのが「採用」である。採用力のあるスタートアップとないスタートアップがあるのだが、ビジネスモデルがふわふわしたスタートアップフェーズでも事業の魅力もさることながら、経営者の魅力が採用と直結しているのはみんな心の中ではわかっていても、案外認識したくないと思っているのではないか。

もう一度言おう。採用力が低いのは経営者に魅力がないからである。決してキープレイヤーズ高野さんのようなエージェントのせいではない。

そこで、スタートアップ経営者にあえてお勧めしたいのが、恋愛工学だ。本誌読者の中にも恋愛工学の履修者は決して少なくないであろう。

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異性にモテるということは抽象化すると人にモテるということであり、あなたの企業に採用されがたる人を増やす(モテる状態)ことと同義である。小手先の技術論は馬鹿にされがちだが、技術論を習得してから馬鹿にすればいいと思う。あなたは採用候補者とのコミュニケーションを上手く設計して、採用に至るプロセスを踏めているだろうか。それを恋愛工学のACSモデルに当てはめてぜひ復習していただきたい。

①:Attractフェーズ

恋愛工学では「初対面で相手を魅了する」フェーズと解説される。ドラゴンボールでいうスカウターのようなもので「この経営者、能力高そうだな」と採用候補者に思わせたり、「なんか大きいことやってくれそう」「この人についていったら大丈夫そう」と魅力を訴えるフェーズである。

投資やメディアサイドで様々な起業家に会う機会が私は多いですが(年間100人以上は起業家に会っている)1時間くらい話せばその起業家がどれくらいのレベル感かある程度見極めが聞いたりします。失礼ながらAクラス起業家とBクラス起業家には目に見えない明確な壁がありますが、Bクラス起業家がAクラスになれないとは限りません。理想の投資としてはBクラス起業家にいれてAクラスに育て上げるのがROIが高いし、付加価値があるともいえます。もちろん絶対AクラスにいけなそうなCクラス起業家もけっこういます。シリアルアントレプレナーはSクラスと定義できるかも。

採用の話に戻すととにかく起業家は事業そしてそれ以上に自らの魅力を採用候補者に感じ取ってもらう必要があるのです。

②:Comfort Buildingフェーズ

初回でそれなりに魅力を感じれば採用候補者はまた会ってくれているはず。スタートアップ採用においては、このコンフォート・ビルディングがけっこう難しい気がします。経営者や事業の魅力はわかった。事業の魅力を共に共有し、数年後の成功イメージを採用候補者に持たせることができるか。相手にイメージさせることができるかの難易度が高い気がします。

価値観の擦り合わせや企業文化に馴染めるかなど、一定の時間をかけて相手に「このスタートアップに賭けてもいいかも」という安心感を与える。スタートアップにおいて「安心感」という言葉は違和感を覚えますが、ノリで入社してみたものの求められるスキルセットと乖離があり、全然モノにならずに苦しむという採用の失敗はスタートアップにおいて少なくない気がします。だからこそ、採用候補者が入社後に自分がどんな役割を果たすのかのイメージをこの段階でさせることが重要かと思います。

③:Seductionフェーズ

最後は口説きです。ここには年収やストックオプションといった経済面や社内でのポジションなど名誉欲をそそるものを。こういった最後の詰めの交渉を日本人はファジーにしがちですが、きっちりやっておかないと後々双方違和感を覚えたまま仕事をしていったことで、よろしくない結果になってしまったりします。ここはちゃんとやっておくべきです。

恋愛工学同様、スタートアップ採用においても「A→C→S」が基本の順序かと思います。Cがない中でA段階で「うちなら年収1,000万出すよ」のS段階の話をしてはいけません。採用候補者がその会社での仕事のイメージをし、自分がどれくらいの価値を提供できるか想像する前に、金額条件を出してはいけない気がします。

ということで、スタートアップ経営者は恋愛工学のACSモデルを学ぶべきです。ACSモデルをきちんと習得すれば、採用の精度が上がると思います。

恋愛工学のACSモデルは恋愛工学の所長藤沢数希氏の最新小説を一気読みすれば理解が早いでしょう。メルマガを読むのも手ですが、エッセンスを小説で2時間ほどで消化することをお勧めします。cakesで毎週木曜に更新されていますが、私は毎週楽しみにしております。

この小説に出てくる田町の大学出身のAクラス女子の長谷川玲子さんみたいな方が私はタイプです。ぜひこれを読んで、スタートアップ経営者は採用力を高めましょう!という強引な紹介でした。



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