僕がスタバユーザーであることはtwitterなどで見ている人は知っているだろう。とはいえ僕が本格的にスタバユーザーになったのは2011年に独立してからで、それまでスタバといえば呪文のようなメニューを読めなかったし「トール」と「グランデ」はどちらがサイズが大きいのかもわからず、せいぜいオーダーするのは「フラペチーノ」くらいであった。
独立当初からスタバをヘビーユースしたわけではない。実は最初はサンマルクだった。銀座にクライアントがあり、クライアント先の近くのスタバでアポの前後に時間を潰す。170円のチョコクロワッサンを食べて、30分から60分で雑務をこなす。隙間時間にコーヒーを頼むなんて贅沢な話であった。(僕は実は比較的倹約家で、雨でもない限りは一人で今もあまりタクシーに載らない)
スタバをよく使うようになったのは、2杯目のコーヒーが100円ということを知ってからである。そのワードが流行った当時、僕はTheStarup上でおそらくほどんと使わなかったけど、事実上のノマドワーカーであった僕は、当時入居していたコワーキングスペースの「co-ba」かスタバのどちらかで仕事をするようになった。厳密にいえば家から近ければco-baで、何かアポがある時はアポ先の近くでスタバを使うようになった。
2013年に恵比寿に引越してからはco-baを解約したので、もっぱらスタバとなった。駒沢通り沿いのスタバには午前か夜によくいるし(読者の方は僕っぽいやつを見かけたらそれはおそらく僕です)代官山蔦屋にも夜中出没する。この原稿は中目黒GTタワー下のスタバで土曜の夜に書いている。
僕のようなノマドワーカーは1日中クライアントのオフィスに常駐することはないし、家にずっといることもない。アポの合間の1時間や、予定がない日は様々なスタバを3時間程度ずつ回遊することもある。案外、取材後に2時間くらい入ってそこで原稿を書き上げるスタイルが一番効率が良かったりもする。
ゆえに、1日に2度以上どこかしらのカフェに入る可能性のある日が、少なくとも僕は週の半分以上を占める。よって、2杯目のコーヒーが100円であれば1杯目はスタバとし2杯目もスタバに行く。1度しかカフェに入る機会がなさそうな日はスタバ以外という選択肢も出てくる。最近僕の中でそれは星乃珈琲であり、表参道に用事があればブレンズだ。
今ではスタバのカードを持っており(いつかのGQの付録だったトムブラウンデザインのカード)5,000円ずつチャージしている。毎回コーヒーばかり頼むわけではない。時にはお菓子も頼むし、季節限定のなんちゃらラテを頼むこともある。気が付けばここ1年の毎月のスタバ代は平均すると1.5万円となっており、年換算では20万円近くとなっている。
おそらく2杯目100円がなければ僕はスタバのカードを持って2週間に1度くらいチャージすることもないし、特に固定を決めず様々なカフェをふらふらしていただろう。
何が言いたいかというと、スタバの2杯目100円というのは、CRMのとても良い事例ではないかということだ。スタバは2杯目を100円で売っても、そもそも客が2杯目を飲みにこないと損しない。対象商品はコーヒーなので、そもそも原価率は低いだろう。100円で売っても損にはならないかもしれないどころか、僕のような少なくない数のロイヤルカスタマーを生み出すことに成功している。
目玉商品を置いて顧客の目を引くことは簡単だ。だが、スタバのように最も定番の商品の二杯目を無料にするということで、一部の顧客のARPU(梅木事例:2万円程度から約20万円)を劇的に上げることができる。商品と価格と頻度の組み合わせの妙で売上を上げる。これは素晴らしいグロースハックではないかと思った。
スタバの二杯目100円施策がどれだけ売上にインパクトがあったかは単純計算はできない。だが、ミクロ視点でいうと僕のような顧客もいるので、少なからずこの施策は売上増に貢献したと思われる。
最後に言っておくが、スタバのブラックコーヒーは決して美味くはない。コーヒー専門店の方がずっと美味い。季節モノの甘いラテとかフラペチーノは好きだけど。
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内容の参考:ネットの未来を予測するには歴史を学ぼう、動画分科会を始めてみた
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