シェアリングエコノミー銘柄は儲からないという仮説

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明日夜のイベントですが、シェアカンファレンスなるイベントのモデレーターをやります。

シェアリングエコノミーシェアリングエコノミーはAirbnbのブレイクにより、一つの注目分野なのですが、マッチングサービスであるがゆえに、成約数がスケールしないと儲からない分野だなと思っています。ゆえに投資家ウケも悪いのではないでしょうか。僕がモデレートするセッションは2つですが、セッションに登場するサービスを下記にプロットしてみました。(ペダレスト?はロゴが見当たらず割愛)

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唯一高単価商材のスペースマーケットはスケールする?

2014年のスタートアップピッチイベントを総なめ気味にしていたのがスペースマーケット。大きなスペースのマッチングサービスで、結婚式場とか寺とかを社員総会とかで借りれたりします。

スペースマーケットは遊休資産を活用したビジネスであるがゆえ、手数料率が50%でも成立するモデルだと思います。(厳密には20-50%取るという紹介がありますが、50%寄りの案件が多いと推測)スペースマーケットが売ってくれなければ、空き時間のそのスペースの売上はゼロですからね。

しかも成約平均単価はけっこう高いと踏んでおり、そこそこの売上規模にはなるかもしれない。現に1億円の資金調達を既に実施済みです。代表の重松さんは営業力ありそうですし、掲載スペース数はかなり増えていますね。来年さらに伸びるか期待しています。

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低単価は成約数のスケールか月額化が鍵

次にマッピングの右下のサービス群。ここでまず注目したいのがバックオフィスのクラウドソーシングであるBizer。月額2,980円で士業のクラウドソーシングが可能というサービス。僕のような一人で会社をやっている人は顧問税理士を付けている必要性が低かったりするので(僕は付けていますが)コストダウンできる有難いサービスです。

回答する税理士側にフィーは支払わず、営業チャネルとして活用してもらおうという考えがあるらしく、こちらも高粗利率の確保がしやすいサービスかと思います。問題は会社がスケールしたらさすがに顧問税理士を付けざるを得ないのでライフタイムが短いかもしれない点と、スケールする社数ってどれくらいなんだろうかという点。

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他には家事周辺領域のany+times。僕も何度か発注していますが、1.5hの掃除を4,000円程度でお願いできるので便利です。どのカテゴリーの発注が多いのか分かりませんが、数万円規模の案件がバンバン成約しているイメージはなく、5,000円前後の案件を数千件単位で成約させる必要があります。

これも掃除月に4回で1.5万円とか月額化できるところはそういうメニューを用意するのが良いと思います。ただ、ここはスペースマーケットのような50%の粗利が取れる領域ではなさそうですね。20-30%程度の粗利率と見ています。

As-Mamaは子育てのアウトソーシングのため最も単価は低いけど、成約数はそれなりにボリュームが出るかもしれません。ただ、単価が低いと儲かりにくいのではないかと。TimeTichketは海外のスキルシェアのローカライズっぽいですが、文化を作って行く系で、何のサービスを買うのか。しかも、高単価では成約しにくそうに見えるので、スケールが難しいのではないかと思っています。

カフォレ光本「5年運営したが、かなり苦労した」

最近たまたまC2Cカーシェアリングサービスのカフォレを運営していたブランケットの光本さんとランチしたのだが(注:同社はStore.jpを運営しており、スタートトゥデイに6.25億円で売却済のスタートアップである)カフォレ事業をこう振り返っている。

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2008年にカフォレというサービスを出して、当時は「シェア」というワードが流行ってきていましたが、なかなかスケールせずに苦労しました。シェアリングサービスは時間がかかりますね(光本氏談)

やはり、シェアリングエコノミー銘柄は簡単には儲からないのかもしれない。ただ、そんなC2Cカーシェアリング市場も、米国ではGetaroundというサービスが2014年11月にシリーズBで24億円を調達しており、「市場自体のポテンシャルはあると信じている(光本氏)」というとおり、マクロ的には明らかに市場はあるといえるだろう。どの時間軸まで我慢できるかという問題な気がする。

シェアリングエコノミー銘柄といえば、国内では先日のIVSLaunchpadで優勝した駐車場C2Cシェアリングのあきっぱ(累計3億程度調達積み)や、Airbnbちっくなサービスを展開する百戦錬磨(WILから2億円調達)というプレイヤーもいる。

結論としてはよほど高単価で粗利率が高いか、低単価でも成約数がスケールするサービスじゃないと儲からない。高単価のスペースマーケットもようなサービスの方が早期に売上は上がりやすく、成約数でのスケールを狙うサービスはかなり時間がかかるだろう。

マッピングの右下のサービス群が2015年に大型資金調達を実施できるかに注目したい。いずれのサービスも社会的意義は高いので、頑張っていただきたい。イベントの前に記事が燃えないといいが、シェアリングエコノミーは儲からないだろ?と思っている本誌の読者も多いと思うので、その声を代弁しておいた。イベントでは「儲からない」という仮説を覆す話を、各社から期待したい。最後に本誌独自予測による各社月次PL予測を貼って締めよう。

スクリーンショット 2014-12-09 18.55.07単位は万円。

スペースマーケットの月間の粗利は500万円もあるのだろうか。さすがに盛り過ぎか。PLの真相は如何に?イベントにて聞き出しましょう。

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