1億以上調達:2014年上半期は47社、10億以上調達は5社。VC版リーグテーブル発表も

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2014年も上半期が締まり、タイミングが良いので出しておきます。前回の調達まとめ記事はこちら。2013年の1億以上調達は70社だったようで、2014年上半期は既に47社。昨年よりハイペースですね。このペースでかつ非公開案件もあると、年間100社超えるかもしれません。既に7月に入ってからも、gumiの50億やスターフェスティバルの28億など規模の大きな案件が増えていますね。

まずは淡々と調達額ごとに整理してみていきましょう。

10億以上:グノシーなど5社。どこもTVCMやってますね

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10億以上案件は5社。ラクスルもTVCMを始めましたし、グノシー、SanSan、メルカリも既にTVCMを打っています。ゲームのアカツキもTVCMを投下してくる説があり、10億以上を未上場で調達すると、人件費だけでは使い切れず、CPAが見合うことを鑑みて、TVCMに積極的に投下してくることが考えられますね。

それにしてもグノシーの12億2回は2014年上半期の国内スタートアップ業界では異次元ですね。B2B起点なのはSanSanとラクスルですが、どちらもB2Cの要素とミックスさせてきている印象で、B2Bだけだと手堅いのですが、爆発的にスケールする印象にはならず、10億未満調達のスタートアップにとってはB2Bで手堅く売上を上げた後に、B2Cでスケール感を出すというのが課題になると思います。

この点、ユーザベースがSPEEDAでB2Bで堅め、NewsPicksでB2Cを取りに行くという綺麗な描き方をしている印象が在ります。

3億以上10億未満:クラウド系B2Bを中心に14社

スクリーンショット 2014-07-02 12.56.263億から10億レンジではB2Bが増えてきた印象。中でもFinTech系とクラウド系が台頭してきています(厳密にいうと、FinTech系もクラウド系と言うことができますね)

EdTechが何気にQuipperとスマートエデュケーションの2社並んでいるのもポイント。レアジョブのしょぼいIPOの後で、この市場に対する不信感(というか儲からなくないか、感)はスタートアップ業界では一層増したと思いますが、その感覚を吹き飛ばすほど売上利益を上げてくれるのか、注目したいですね。

1億以上:メディア関連が増えている?28社

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さすがにここの市場はバラエティに富んでいます。敢えて傾向を述べるのであれば、形態は様々にせよ、メディア系スタートアップが複数社1-3億の調達を実施しているのが興味深いですね。

僕個人としては、非公開案件ですが、小耳に挟んだYouTuberのマネジメント会社のuuumが気になります。2回ほど取材断られましたね。アーメン。あとはO2OのOr:derも気になりますが、ここも取材断られましたね。

取材して燃やすということはまずないので、皆さんあまり警戒しないでくださいね。むしろ取材断られると燃やしたくなります。

VC別リーグテーブルを発表:グローバルブレインが3位に

最後に1億以上(シリーズA相当以上)で出資する主要VC別投資件数を。1億以上投資の案件で3件以上に出資したVCを下記のようにまとめ、The Startup独自の評価制度に基づく「リーグテーブル」を発表します。

注:リーグテーブルとは、証券会社などの引受業者の引受実績ランキング表のこと。リーグテーブルは引受能力を示す効果があるため、引受実績を積み上げ、リーグテーブルの上位にランキングされるための競争が行われている。

スクリーンショット 2014-07-05 13.50.40VCの真の競争力を図るには、案件数での単純評価ではなく、リード案件とフォロー案件で傾斜を掛けてレーティングした方がよりたしからしいだろう。とのことで、リード案件に2点、フォロー案件に1点として総合点を算出。M&Aのリーグテーブルでは案件数別と実行金額別が出ていますね。The Startupではリードとフォローに差を付けた評価ロジックとしました。投資実行額で評価するとファンド規模大きいところが必然的に上になってしまい、それは実力評価とは比例しないだろうということで。

詳しく見ていくと、1位はGCP。GCPは先日本誌でも4号ファンドのリターンは既に4倍という見解を出しています。特徴的なのはリード案件しかなさそうに見えるという点。メルカリの投資家が5社くらいわさわさいた案件でも、高宮さんがボードに入っているあたりを見ると、リードVCなどではないかと思います。

3位にダークホース?グローバルブレインが登場。2006年頃のファンドの満期なのか、ファンド事情による理由に重きがあると囁かれるレアジョブの上場や、SSPのジーニーにも同ファンドから出資していると思われ、ジーニーもそろそろ上場との噂が。賃貸情報などの渋い案件でリードを取り、メルカリやラクスルもフォローでカバーしてくるという抜け目ない動きです。

それ以外の2014年上半期の際立った特徴としては、2013年12月組成のWILもリードで3件。7月のgumiの50億もリードで入れています。300億規模のファンドのようですから、その規模をどう張っていけばいいのか、案外投資先がなくて困っているのではないでしょうか。

米国に拠点を置くDCMの動きも活発になってきているように見えます。SanSanやfreeeは海外展開の後押しに期待して、DCMを投資家に迎え入れている感じでしょう。ただ、tabに関してはセカイカメラのサンクコストを引きずった投資に見えますね。

2014年下半期は、上半期以上にVCの激しいソーシング争いが繰り広げられそうです。

Gunosy木村さんも参加する、会員数292名突破のUmeki Salon
内容の参考:強者メディア運営者が集うメディア論の良スレ、Talentioがイケてる件など

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