AKBとEXILEとスタートアップに共通する構造

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どこかでこんなツイートを見かけて切なくなった。

バラードの曲なのに、ダンサーがいるから踊りを付けなければならないEXILEの宿命・・・

グループであるがゆえのジレンマの話。これを噛み砕いて言うと、バラードの場合はあんな大量のダンサーが必ずしも後ろでワサワサ踊っている必要はない。「Lovers Again」であっても、曲がヒットすれば比率配分はあるものの、ダンサーにも給与を支払わなければならない。

AKBはご存知の通りあれだけの人数がいる。ミリオンヒットを飛ばしても、そこから配分される一人当たりの収益はたかが知れている。

どちらもプレイヤーであるEXILEのボーカルやダンサー、AKBのメンバーは事務所から給与を得るという形式を取っている。活躍していて我々の目に触れるのは彼ら彼女らだが、構造的にはプロデューサーである秋元康やLDHの代表取締役であるヒロが儲かる仕組みとなっている。

スクリーンショット 2015-02-13 17.23.54ざっくり図解するとこういう構造である。ハードスケジュールや露出の割にたとえば大島優子の年収が4,000万円程度だったとしよう。それはこの構造の問題に大きく起因する(厳密にはAKBはメンバーごとに所属事務所が異なり、単独出演TVCMなどがあれば跳ねる仕組みだが、AKB48自体の活動のみではさほど個人に還元されないモデルといえる)。

たしかにEXILEやAKBのようなユニットで活動すれば、個人では出せない爆発力がある。だが結果的にはプロデューサーなどの一部に富が偏りがちな構造である。

スタートアップも同様で、成功した時は株主や経営者(AKBでいえば秋元康)に多くの富が分配され、現場社員(AKBでいえば大島優子)などにはさほど配分されない。スタートアップの経営者にこの点を指摘すると「実力主義だから当然だろ」と主張する人の方が多い気がする。一方で、M&AでEXITした際にはストックオプションも配っていなかったこともあり、キャッシュインした中から幾分か現場社員にも配分する心優しい経営者もいる。

昨今はピケティ経済学なるものが流行っており、富裕層と栽培マンの格差を是正するよう、富裕層対象に増税すべきという主張もある。ピケティ経済学への賛否を論じる前に、こういう構造であることを理解し、自分は秋元康側の人間を目指すのか、大島優子側の人間を目指すのか考えた方がよい。

僕自身もたしかにプロデュースや経営側と現場の間の格差は広がりすぎだとは感じているが、実力と言えばそれまでである。こういった話を論じるのは不毛であり、ケチをつけるなら実力を付ける方に時間を割きたい派だ。

スタートアップに一般社員としてジョインするのは経済的には大きく得はしない。ハイリスク、あってミドルリターンくらいだ。そうでれば能力ある方にはスタートアップにジョインするのではなく、リスクを取って起業する人が増えてほしいと思う。経済的リターンが全てではないことは重々承知だ。だが、読者の皆さんに構造的な問題を改めて認識してもらいたく(本誌固定読者においては必要なさそうな記事だが)書いておいた。

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今日も適当にツイート中。 @umekida

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