先日、とあるスタートアップイベントに共に出席した人と話していて、自分にショックを受けました。その人は「あのイベントのアイディア、ほとんど微妙じゃないですか?」と言っていて、僕も薄々勘付いてはいたものの、場の雰囲気に流されて「前よりレベルが上がり?ましたね!」とか言ってしまいましたが、この人のコメントで違和感が少し払拭されました。
スタートアップ業界ではスタートアップのサービスに苦言を呈するのは御法度的な空気すら感じます。微妙なサービスでも、いいんじゃない?とりあえずやれよ。と言ったり、メディアが持ち上げたりする状況が日常茶飯事。辛口派だった僕かて、その空気に飲み込まれかかっていたことを自覚した。
きついこと言って、相手に嫌われたくない人が大多数でしょう。僕は嫌われることになれているのでさほど気にしていませんが、本当の優しさとは微妙なサービスを褒め称えて盛り上げることではなく、建設的な批判の上により良い方向に近づける一助を担うことではないでしょうか。
サービスを褒めることで対象者や周囲の人から煙たがられたりけなされるリスクは極めて低いですが、サービスの微妙さを指摘すると相手から感情的に嫌われることもあるでしょう。僕かて僕が書いた記事に対するネガティブな反応を見ると、感情的にムカつくこともあります。どんな意見であってもそこは堪えて、一理あるなと思うようにしています。記事の反応に対しては一切反応しないのがポリシーです。
たしかに、いいね!されることは承認欲求も満たされ、一見悪くないと思うでしょう。しかし、ネガティブな意見の中にこそ改善の余地がある。スタートアップのサービスなど完璧なプランはほぼなく、穴だらけといえます。狙う市場すら怪しいものも多い。
具体的にどの市場を攻略するのかすら怪しく、収益モデルも検討がつかないサービスを、例えば「不動産市場、市場規模大きいからイケルヨ!グッ!」とか言っちゃう人って無責任だと思うのです。(あくまで喩えなので、喩えの信憑性を疑うレベルの低いツッコミはお控え下さい)その人のイケルヨ感を信じる起業家もアホですが、何人か業界で名の通った人に認められると、イケルヨ・モメンタムが形成され、勘違いしてしまうんじゃないかな。
■イケルヨ・モメンタムループ
あの投資家も!
あの起業家も!認めてくれた!!
あの(コピペ)メディアでも紹介された!!!
俺たち、イケルカモ!
僕は深く反省しました。微妙なサービスを手放しで褒めることはしません。自分が考えられる限り、そのサービスはどう改善できるかという点を見極め、伝えていきたいと思います。それが真の優しさであると思いますので。
最後にイケルヨ・モメンタムの事例として松浦亜弥の「どっきどきスタートアップ」(PV)をお送りして締めたいと思います。
【どっきどきスタートアップ】
投資家にも慣れた
デューデリのコツも掴んだ
事業計画作り直すのも
早くなったしメディアで
この気持ち届くのかしら
あー今頃ユーザー
どうしてるでしょこのドキドキはなぜ止まらない
サイトにユーザー来ない
スタートアップこの感じ
今までにないこの感じこのドキドキはなぜ止まらない
何度もTech Crunch
見ちゃってるこの感じ
Wow Wow Wow イケるかもしれない
(Fu〜)
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