スタートアップPRに必要と思われるスキル

読者の方からこんな質問をメッセージでいただきましたので回答します。ラジオのDJみたいですね笑。

メディアやベンチャーでうまく自社製品のPRをするにはどんなスキルが必要でしょうか？（読者Mさんからのご質問）

今回はスタートアップのPRパーソンのスキルに絞った話を。僕は広報の経験とかないのですが、メディア運営とスタートアップ支援の知見を元に。

スタートアップPRパーソンにおいて必要と思われるスキル

大前提として、スタートアップにおいては社長がPRパーソンを兼ねているのがほとんどです。まずはPRを構成する要素を考えてみましょう。

PR力の最大化
＝PRするネタの威力×メディアとの関係値×PRする人の魅力

ネタがあっても掲載してくれるメディアが皆無であったり、メディアとの関係があってもネタがしょぼかったりすると取り上げられません。メディアという外部の力も借りつつも、自らがメディア的な存在になるというのが一番手っ取り早いと思います。スキルセットに分けると下記の2点で、どちらかのパターンを極めればメディア的な存在に近づき、PRする人自身の魅力が上がります。

■１：プッシュ型（営業に超強い）

Facebookフレンドが2,000人から5,000人くらいいる方がここに分類されるでしょう。フレンド数がそれだけ多いということは、多くの人と最低限の関係性を築くことを得意としているということの裏返しになると思います。ここで気をつけておきたいのは、その関係性は表面的な関係がほとんどなのか、いわゆる「握れている」関係か否か。

営業に強い人は多くの人から信頼を得ているため、応援されやすいです。ゆえにメディアの方との関係をしっかり構築できているケースも多いように見受けられます。メディアの方との関係構築は、営業ができる方であれば直接お会いして事業を説明して、相手に応援してもらえるような後味の良さを残すことができると思います。

メディアとして多くの方と接してきた中で、この「ごく普通の営業ができる方」というのは案外少ないと思いました。まともな営業経験のある方であれば、面識のない相手にいきなりプレスリリースを送って「よろしければ記事書いて下さい」とか言わないと思います。そういう場合は「舐めんなよ」と説教混じりに僕はレスしています。

■２：プル型（コンテンツ制作に強い）

営業が超強い方と同様に稀なスキルなのですが、社長ブログなどでコンテンツを発信していくことで自社のサービスにも注目を集める手法があります。この手のPRが上手いスタートアップの方としては、nanapiのけんすうさんやwantedlyの仲さんが挙げられると思います。けんすうさんなど一見顔が広そうですが、FBフレンド数は約700。一方でフィード購読者数は約7,000でした。展開的なインバウンドが上手い例といえそうです。

ちなみに僕は営業が苦手な方で、どちらかというとプル型に分類されます。プッシュも強くプルも強い方もごく稀にいますが、プッシュが苦手でプルが得意な人はむやみに人間関係を拡げようとはしない気がします。僕はそうです。たまに「Umekiさん、顔広いでしょ？」と勘違いされますが、自称メディアの人間としては極端に顔は狭い方だと思っています。その代わり、信頼できる方と濃密な関係を築きたいなと思っています。人間関係は量より質派です。

プッシュとプルの掛け合わせでPRパーソンの魅力を挙げる

ちなみにメディア的観点でいうと「PRする人自身の魅力」は非常に重要であり、言い換えるとソーシャルメディアでの拡散力、ひいては数字が取れるか否かという視点があります。twitterフォロワー数やFBフレンド数が多い方がソーシャルメディアでの数字は取れそうだと判断します。

スタートアップの世界ですら、どの経営者にどれくらいの視聴率的なものがあるかは観察していればわかります。そういうランキングを勝手に作ってみても面白いかもしれませんね。

今回の質問は「スタートアップの場合」という点が肝だと思うのですが、大企業などのPRと異なる最大の点はサービスの発信者の顔を押し出すべき点でしょうか。この点も大きな論点であり、特定人物にPRを依存し過ぎると企業としてどうなのか、という観点でこの手法を避ける方もいます。

とはいえ、立ち上がったばかりのサービスなど認知度は限りなく低く、周りの人たちからファンを増やしていく他はないと思います。そういった意味で、スタートアップのPRパーソン（ひいては経営者）はソーシャル上での影響力を上げるためにソーシャル上で繋がりの数を増やし、届けるPRコンテンツも魅力的なものに磨き上げていく、というのが最適解になるかと思います。

この手のPR的な話はオッサンたちからツッコミが入りそうな気もしますが、あくまでスタートアップに限っていうとサービス提供者を中心としたPRが功を奏しているケースが多いように見受けられますので、一意見までに。

今後は「良い質問」をいただいた場合は、記事化してみたいと思います。練った質問であればFB宛にお気軽に。

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