先日、とあるサロンメンバーとランチしていた際に一つ気づきました。彼はとある事業コンテストに出場中らしく、5人1チームでチームを組み、事業案を練りプレゼンするようです。
事業案の考え方について「他のチームも含めて、ヘルスケア領域に興味を持つところが多いようです。市場規模が約40兆円と巨大ですからね」と話しており、少し違和感を覚えました。そこで「市場規模は大きいかもしれませんが、具体的なサービスは思い付きましたか?先日雑誌の取材でヘルスケア領域で事業をやっている方に話を伺ったら、相当マネタイズは苦しそうに見えましたよ」と伝えると、「ええ、どこのチームも事業モデルで行き詰っているようです」という回答。
本誌の取材を含めて多くの投資家の方が「市場規模の重要性」を説いています。たしかに市場規模が大きい方が事業がスケールする可能性は高まり、無視できない論点です。しかし、「ヘルスケア市場40兆円だぜ、うぇーい」という発想を起点にすると事業モデルを構築するのはなかなか難しいのではないかと思います。案の定、ヘルスケア領域に関して上述の事業コンテストでは、ぐぬぬ感が漂っている雰囲気を感じました。
■事業構想の起点は「あったらいいな」のドラえもん的発想が自然だと思う
上述の市場規模起点の発想だと「とにかく大きい市場を狙おう、40兆あれば0.1%でも取れると400億だぜ!いける希ガス!」と希望を持ちがちですが、そこを起点にした発想はあまり本質的ではないように思えます。どんなサービスを提供すればどんな問題を解決できるか、という点が重要であり起点としてあるべき姿かと思います。解決すべき課題を明確に見つけていないのに、市場規模でかいぜ!うぇい!は的外れかなと。
なのでまずは解決すべき課題を見つけること。身近な出来事などを通して、こんなサービスがあったら便利ではないだろうか?こんなサービスあったら自分は使うよなと、こんなこといいなできたらいいな的なドラえもん的な発想の方が着眼点として良いと思います。
■解決すべき課題と解決しようとする人に関連したストーリーがあると良い
成功確度が高いと感じるのは、解決すべき課題に関連する事業領域に従事していた経験のあるチームです。例を挙げると、弁護士ドットコムは弁護士である元榮氏が立ち上げたサービス。弁護士ではない人が弁護士向けのサイトを立ち上げるのと、弁護士が弁護士向けのサイトを立ち上げるのでは、業界慣習を熟知している後者の方が成功確度やスピードが早いのではないかと感じます。
自分が従事していた業界で疑問に思ったことや、こんなサービスあればいいのにと思ったことは具体的な課題の解決に結びつくリアリティが高いのではないかと思います。
■課題解決を起点に市場規模も考慮に入れて構想するのが良い
市場規模を無視しろというわけではなく、あくまで解決すべき課題を起点に発想し、その課題を解決する市場規模は小さすぎないか。どれくらい大きいのか。どれくらいのシェアを奪えそうか。という考え方をすればいいと思います。スクーの授業などでも感じましたが、これから起業する人がさらに増えてきそうな感覚があります。
その際に
「起業したい⇒市場規模大きいビジネスならなんとかなるんじゃないか?」
ではなく
「この課題を解決したい⇒市場規模もそれなりにあるようだ」
という発想で事業構想した方が良いのではないかと感じました。当然のことを言っているだけかと思いますが、意外に市場規模起点で考える方もいるのではないかと思い、発想の順序を自分なりに整理してみました。少なくとも課題解決起点で発想すると、最初は形にしやすいかなと。
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