STORES.jp成長の鍵はプラットフォーム戦略にアリ:競合はEtsyになり得るのでは?

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スクリーンショット 2013-07-16 18.42.31完全に乗り遅れましたが、STORES.jpがZOZOTOWNのスタートトゥデイに約6.3億円で株式交換にて買収されるという話(参考:CNET)が今日は駆け巡りましたね。まずは光本さん、おめでとうございます。3年前くらいに一度お会いした気が…。

この分野に関しては1度も書いたことがなかったので、機を伺っているうちに今日のようなニュースが入ってきました。STORES.jpは何がイノベーションであり、どんな価値を見込まれて買収されたのかという話を、簡単に本稿でお届けします。

イノベーション:誰でも手軽にECを開設できる

これはBASEに関して家入さんがtweetしていたことそのままであるわけですが、既存のテクノロジーでは個人がECを始めるのは結構大変だった。EC cubeのようなオープンプラットフォームを使って作らなきゃいけなかったり、楽天のようなモールに出店しなければならないなど、敷居が高かった。

STORES.jpやBASEは煩雑な手続きなしに、約2分でショップが開設できちゃう。その手軽さが最大のイノベーションでした。BASEで家入さんが石とか売ってたのを覚えていますね…。楽天に頼らなくても手軽にショップを開設できる。それがキャッチーな最大の売りでしょう。

課題:EC開設後の販売チャネルは個人の力に大きく依存

個人が手軽にECを開設できるようになった。開設まではいいですよね。しかし、その後どうやって売り手を見つけるのでしょう。想定される施策はこんな感じでしょうか。

■個人ECの販売チャネル

・FBとtwitterに代表されるソーシャルメディア
・ブログ
・ショップカード
・リスティング / SEO

通常のECと同様ではありますが、この程度ではないでしょうか。開設者がインフルエンサーであれば多少売れるでしょうが、インフルエンサーでもなく個人としてのプロモーションチャネルを持っていない人にとっては、開設しただけでは売れないでしょう。個人での開設が多いはずですから、リスティングなどの広告費もさほど掛けられないはず。

よって、インフルエンサーではない売り手に取っては商品が売れるプラットフォームが必要なはずで、STORES.jpやBASEはツールとしてスタートしたサービスに見えますが、それ自体がプラットフォームとして機能しないと売り手にとってはキツいのではないかと思っていました。既にBASEはアプリを出して、アプリはちょっとプラットフォームっぽく見えますね。買い手がショップを発見する場が必要です。

その点、STORES.jpは今回のZOZOTOWNとの連携でプラットフォームとしての力を強めることができるんじゃないか。正直、STORES.jpとBASEは素人目にはほぼ同じサービスに見え、些細な点で差別化を図っているだけ。スピード勝負でスケールしないと全然儲からない市場だと思いますので、STORES.jpの今回の判断はいい判断だなあと思いました(上から目線と思われたらすいません…)

今後の展開:実はEtsyが競合になり得る

STORES.jpもBASEも個人が開設するECで、カテゴリー的にはハンドメイド品の比率がけっこうあるのではないかと推測しています。BASEのアプリのカテゴリーを下記に洗い出してみます。

■BASEのカテゴリー

・ファッション
・ユニーク
・夏
・ハンドメイド
・モノトーン
・ピックアップ
・リーズナブル

実際にショップ数は目視で確認していませんが、個人で販売したいモノのニーズとしてハンドメイドは強そう。Etsyのような市場が確立されているくらいなので。他のカテゴリーと比べて原価も低く、利益率を上げやすいとも思われます。Etsyはプラットフォームモールとしてスケールしていっていますが、ハンドメイド品を売りたい人は今後下記のような動きをするのでは。

■ハンドメイド品の売り手の動き予測

▷オウンドメディア
・STORES.jpでオリジナルショップを開設

▷プラットフォーム利用
・Etsyに出店
・STORES.jpのプラットフォーム?に出店

日本国内でEtsyクローンがたくさん出現した割に、どこもイマイチ飛び抜けませんでしたが、STORES.jpがEtsyクローン(+α)的なポジションも取り得るなと思いました。「競合」と書いてみましたが、厳密には売り手にとっては販売チャネルが増えた方がいいので、共存すると思われますが、分野としては少し競合になっていく可能性はあると考えます。

参考:国内で乱立するEtsyクローン。その結末はGroupon系と同じ道を辿るだろう

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