ニーズはあるが、スケールが怪しい?場合の投資判断

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起業家が投資家にビジネスプランを持っていく時によく突っ込まれる二大ワードが「ニーズ」と「スケール」といえる。投資家は最終的には起業家自身を見て投資を決めるケースが多いが、ビジネスプラン単体で見ると「ニーズ」と「スケール」は明らかに重要な話だ。

スクリーンショット 2013-06-03 15.49.37ニーズが明らかにあり、スケールもする。これは文句の付けようがなく、投資適格だ。多くの投資家が群がり、ビット案件になるだろう。ニーズが限りなく小さいし、スケールもしない。こんなビジネスプランでもたまに投資を受けていることもある。起業家を見て投資をしているのか、こういう微妙なビジネスに投資をしている投資家は生き残っていけない気がする。

実務レベルで悩ましいのが、「ニーズはありそうだが、スケール怪しくないか?」というプランがそれなりに存在するということ。先日の1億円「以下」調達の40社に対して、Umeki Salon内で投資レーティングをABCで発表しているが、「ニーズがあり、スケールしそう」かつ「経営チームが強そう」なところをA判断としている。

一方でどっちに転ぶかわからないものはB判断としており、このB判断を事業をピボットさせるなりして確度Aに転換させるのが投資家の腕の見せ所ということもできるであろう。

「ニーズありそうだが、スケール怪しい」に対する答え

「ニーズなさそうだが、スケールしそう」というモデルは皆無と思われ、ニーズを起点に新規ビジネスは考えられていると思う。「ニーズはありそうだが、スケール怪しい」というモデルを見つけたときは、むしろラッキーだと思った方がいいかもしれない。他の投資家が投資を見送る可能性が高い。

スケールに関して再考する軸は3つある。

1:ターゲット
2:利用頻度
3:利用シチュエーション

まずターゲットだが、toCなのかtoBなのか、はたまたtoBtoCなのか。toCからtoBのピボットって結構穴場で、ハマるケースがあると思う。次に利用頻度。たまになんとなくの利用なのか、このシチュエーションでなら絶対このサービス利用するでしょ、なのか。特定の状況で必ず使われる必要性を訴求するのか、何らかの機能を追加して中毒性を訴求して習慣化させるのか。

極力絞った方が提供価値は上がりそうだが、するとスケールはどうよと突っ込まれる。最初はハイスペックなターゲットに絞り、スケールとともに裾野を狙うという手法もよくある。広いターゲット層にリーチするために、初期はどんなターゲットを攻めるべきか。段階を踏んだイメージをすることはとても大事だ。

特にターゲット選定は重要で、最初から万人ウケを狙うと上手く立ち上がらないことも少なくない。The Startupも最近は意図的にポジションを取ることで、支持派とアンチ派を作り出そうとしている。

意外にターゲットや利用頻度の観点が明確ではないサービスは少なくない。明らかに投資判断Aといえるプランは既に磨き込まれており、バリューアップの余地はあまり残されていなかったりする。むしろこの「ニーズはあるが、スケールどうなの?」という投資判断B的な案件に対して、自分ならどうバリューアップできるのか。そこを考え抜いていきたいと思う。ここで必要となるのが、個としてのコンサルティング能力だと思う。

事業に限らず、人生はグレーゾーンばかり。グレーゾーンからどう勝ちに転換できるか。力の見せ所であり、そこが面白くもある。

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