ブログメディアをwebサービスとして捉えた時の最高のUXとは何か

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スクリーンショット 2013-05-12 15.42.11ブログメディアについて考える機会が多く、またもメディア論。

メディアを運営する立場の方と話をすると、最重要KPIはPVで、PV最大化のために記事本数を増やす運営方針を取るところが多い。

事業者の立場からすれば致し方ないかと思っていたが、果たしてそれで本当に良いのだろうか。兼ねてよりPV至上主義に疑問を抱いていたので少し考えたい。

私はメディア運営者であると同時に、webサービスの運営に関わった経験が多数ある。言わずもがな、一介の読者(ユーザー)でもある。ブログメディアに読者(ユーザー)視点は本当にあるのか。webサービスの運営を考えるように、最高のUXを提供するブログメディアの形について考える。

読者はどのような過程で「読者」になっていくのか

■ブログメディアのUXポジティブ・ループ

1:自分にとって役立つ良質な記事を読む
2:1の経験蓄積により、そのメディアの更新が楽しみになる

■ブログメディアのUXネガティブ・ループ

1:読んでつまらないなと思う記事が増えていく
2:1の経験蓄積により、そのメディアの更新が楽しみじゃなくなる
3:(梅木であれば)RSSからそのブログを外す

一人の読者としてこう感じている。自分にとって役立つと思った「良質記事」の本数が増えるほど、自分にとってそのブログメディアの信頼性は上がり、再訪率が上がり、更新される記事の多くに目を通す可能性が上がる。そして正直にいうと、私にとって更新が楽しみなほどのブログメディアは現在はあまりない。強いていうとAMのはあちゅう女史のコラムくらいである。

良質記事本数「比率」がブログメディア成否の鍵?

ブログメディア運営者の観点で考える。

■ブログメディアのUXを上げるポイント:良質記事本数比率に留意

1:記事数数の増加
2:良質な記事本数も増加
3:だが良質な記事本数「比率」は下がりがち
4:「良質記事本数比率」の最適化を考えるべき

読者は多くの記事数を求めていない。良質な記事を求めている。ゆえに「良質記事本数比率」に留意すべきである。ブログメディア運営者は「記事本数増やせばPVあがるぜ、うぇい!」と考え、実際にPV自体は上がる。

しかし、記事本数を増やすことで「良質記事本数比率」が下がり、熱狂的だった読者が離れていく可能性も考慮すべき。新規読者開拓も重要だが、ロイヤリティの高いファンを如何に繋ぎ止めるか。ある程度の知名度を獲得した後は、新規獲得よりも既存読者を失わないか、という観点の方がブランディング上は重要な気がする。

営業の一般論でも、新規営業は既存営業の8倍のコストが掛かるとか、何かで読んだような。Webサービスの運営者であれば、新規獲得と同様に離脱率のも目を向け、離脱率を下げるPDCAを回しているはずである。

記事数の増加と良質記事本数比率のジレンマとの戦い

「良質な記事」を量産することは極めて難易度が高く、ブログメディア運営者はそのプレッシャーと戦っている。そして「良質な記事であるか否か」は自分ではなく、市場が判断する。なのでスケールにあたり、「良質記事本数比率」が下がることはほぼ不可避であり、その比率をどこまで許容するかという点が運営上の一つのポイントになるのではないか。

The Startup立ち上げ当初は、週に1本の更新と決めていた。「更新頻度は上げなくていいから、質を落とさないでほしい」読者からそう言われたことがあった。この意見は本質を示唆している。

1:週に100本更新される中に2本の良質な記事があるブログメディア
2:週に1本の良質な記事が更新されるブログメディア

ユーザーはどちらにロイヤリティを感じるだろうか。1の場合は良質じゃないと判断された98本があることを忘れてはならない。読者は98本の見出しを読み飛ばしており、つまらない記事が多いメディアだと無意識下に判断し、その蓄積がそのブログメディアへのロイヤリティを下げるネガティブ・ループに繋がっている可能性がある。

事業者視点:記事本数を増やしてPVを上げたい
読者視点 :良質な記事を効率的に多く読みたい

闇雲に記事本数を増やして質の低い記事を乱発してはならない。僕はしばらく記事本数を増やす実験に出るけど、質が落ちたと言われないように、戦ってみたい。良質記事本数比率を下げずにスケールさせることに挑戦します。

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