Snapeeeの事例から、写真アプリを利用したプロモーションとマネタイズ方法を探る

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写真アプリというとどこか儲からない匂いを感じるのは私だけではないはずだ。実際にマネタイズを視野に入れたと見なされる、Instagramの利用規約改訂に多くのユーザーから反発があり、その主な要員と思われる下記の条項は2013年1月19日の新利用規約施行の際に削除されていたようだ。

「ユーザーに対価を支払うことなく、プロモーションや広告コンテンツにユーザーの名前、リンク、いいね!、メタデータ付きの写真を表示するために企業から使用料を受け取ることに同意する」

■参考記事

Instagram、利用規約改定について説明「あなたの写真を売ることはありません」
利用規約を改定したInstagram、初めてMAUを明らかに

Instagramは上記の記事によると2013年1月現在でのユーザー数は1億、MAUは9,000万となっている。

国内の写真アプリに関してはLINE CAMERAの2,000万DL、DECO PICの1,200万DLなどが主要どころだが、これらは写真を加工するツールアプリ。Instagramのようなコミュニティ機能型の写真アプリだと、国内サービスとしてはSnapeeeが400万ユーザーを誇る。私に限らず多くのスタートアップ業界人が疑問に思っているであろう写真アプリを利用したプロモーション方法やマネタイズについて、Snapeeeを運営する株式会社マインドパレット執行役員羽根田竜樹氏に伺った。

ちなみにSnapeeeに関してはかつてmy365との比較で取り上げたことがある。1年半くらい前の懐かしい記事だ。国内の写真アプリの全体感も以前本誌で触れている。

■参考記事

Snapeee以上の衝撃を受けたライフアルバム写真共有アプリ「my365」
CAスマホアプリ vs スタートアップ :群雄割拠の写真アプリ編

月間100万枚以上の写真がSnapeeeに投稿される

「Make your Kawaii!」がコンセプトのSnapeee。2012年8月から写真加工アプリからSNSへとピボットした背景がある。(参考:「Snapeee」がリニューアル、写真加工アプリからSNSへ

Snapeeeの2013年3月現在の状況を、羽根田氏に伺った。

スクリーンショット 2013-03-13 20.55.23「400万ユーザーを有するメディアに成長しています。最重要指標は写真投稿枚数で、月間で100万枚以上の写真が投稿されています。その写真に対するリアクションを総括した『プッシュDAU』という指標も置いています。「いいね!」だけではなく、「すごい」「かわいい」「おいしそう」の4つがありますが、その合計が1日で約23万回あります」(羽根田氏)リニューアル後のグロースの数字は下記の通り。

流石にInstagramほどまではいかないものの、コミュニティサービスとして礎はしっかりと築けている数字と言えよう。 元々アジアに強いという印象があったが、2013年3月現在はユーザーの30%が日本、台湾とタイが16%と続く。その他も含めるとアジアの占有率で94%となる。「引き続き、アジアに注力していきたい」(羽根田氏)という。

Snapeeeを利用したプロモーション:タイアップ広告

Snapeeeを活用してのプロモーションは、タイアップ広告が現在は主流のようだ。タイアップ広告は下記をパッケージしたもの。既に20社くらいの掲載実績があるようだ。

・特設カテゴリへのコンテンツ掲載
・企業オリジナルタイアップスタンプの配布
・ユーザー参加型キャンペーン
・公式アカウント開設

代表的な事例として、PEACH JOHNとGUの事例を紹介する。

PEACH JOHNはタイアップ開始直後から利用を開始。PEACH JOHN限定スタンプを2,000人に配布するなど、既にフォロワー約50万人を獲得。GUも既に約30万人のフォロワーを獲得している。

「GU様はSnapeeeのアジアでのユーザー数に着目し、アジアに店舗出店していく際のプロモーションのプラットフォームとして有用であると感じていただいていました。Snapeeeで認知を高め、店舗へ誘導できればという狙いがあります。一方でオンラインショッピングへも誘導しています。Snapeeeの写真をクリックするとGU様のコマースページへ遷移し、ショッピングをお楽しみ頂けます」(羽根田氏)

「アパレル系のクライアント様が多いですが、コスメや映画、イベント関連のクライアント様の掲載実績もございます。写真がコンテンツになるものならなんでもアリ。我々は特にアジアに強みがあり、アジア展開したいプロダクトを持つクライアント様にご検討頂きたいですね」(羽根田氏)

Snapeeeの4つのキャッシュポイント:スタンプ課金も

上記での紹介に加え、スタンプ課金やOEM提供も考えているという。キャッシュポイントをまとめると下記となる。

■Snapeee4つのキャッシュポイント

1:タイアップ広告(From B:含む公式企業アカウント)
2:アフィリエイト広告(FromC⇒From B⇒Snapeee)
3:スタンプ課金(FromC)
4:OEM提供(to B)

スタンプ課金はLINEでお馴染みなので説明不要であろう。OEM提供に関しては、他社にSnapeeeの写真システムをカスタマイズして提供していくことを考えているという。

スマホで画像中心になる時代:写真アプリプロモは必須?

スマホ時代の到来により、画像がトラフィックの起点の中心になるという話はよく聞く。画像を利用したプロモーションといえば、Pinterestを思い浮かべるが、ビジネスアカウントはあっても、本格的な広告メニューはまだ開始していないように見える。時代を読むセンスがあるプロモーション担当者は画像を利用したプロモーション方法を模索していそうだが、まだ媒体側のメニューが整っていないのが現状だ。

「画像はノンバーバルでコミュニケーションできるので、グローバルでの拡散力があります。グローバルに瞬時にプロモーションを掛けられる媒体として、写真アプリは魅力がある」と羽根田氏は自信を覗かせる。

ちなみに、マインドパレット主催のマーケティング戦略セミナーがが近日あるようだ。

3/22(金):New Wave Vol.1 超HOT!スタートアップとマーケティング戦略 Powered by Snapeee

写真アプリを利用したプロモーション。黎明期だからこそ、一足早くその動向を掴み、上手い活用法を見つけられれば、先行者優位ゆえの果実は大きいのではないだろうか。

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