ライフネット生命にプレスリリースの書き方を聞いてみた

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プレスリリースのネタや書き方について悩まれた経験のある広報の方は多いのではないでしょうか?>私にも「バズるプレスリリース、書いてくれませんか?」と依頼が来たこともあります。

バズる、プレスリリース。難しいお題ですよね。

プレスリリースのお手本となるような企業はないかと探していたら、ライフネット生命のプレスリリースを思い出しました。マーケティング部部長代行の辻靖さんに、プレスリリース作成のノウハウをお伺いしました。

時事ネタと生命保険関連ネタが中心:時事ネタがやや多い

「月に1本出すことを心掛けており、ネタを洗い出す会議を半年に1回やっています。今後半年の季節性のあるイベントや、テクノロジーの流行を予測してネタを考えます。メディアに取り上げられそうな時事性の強いネタのみの場合と、自社サービスである生命保険を絡められるネタに分けられますが、生命保険を絡めたものの方が結果的には少ないです」(辻さん)

たしかに新卒採用関係者の意識調査などは保険に関係ないだろうが、時事性はある。このリリース内の小項目のキラキラネームは新卒採用で不利?などはたしかに気になる。一方で今どき20代男子のライフスタイルと将来の備え調査などはまさに20代男子の私は気になって読んでしまい、最後の方にちゃっかり生命保険に加入している“保険男子”は、結婚にも育児にも積極的。という小項目が。生保に関連しており、やられたと思った。

「記事タイトルはネタ会議で擦り合せています。単純すぎても読まれないので、どう捻ると魅力的に見えるか知恵を振り絞っています。後はリサーチの結果、意外性のある数字に注目することもありますね」(辻さん)

プレスリリースはあくまでブランディングの一環

「プレスリリースがソーシャルで多くシェアされ、ヤフトピに掲載されることもあります。しかし、プレスリリースから生命保険加入の問い合わせにどれくらい繋がるかというKPIまでは追っていません。ソーシャルバズを見るくらいです。本業と連動性のあるリリースなら、ビジネスKPIにも多少貢献できるでしょうが、基本的にブランディングの一環と考えています」(辻さん)

たしかにプレスリリースがどこまでビジネス的なKPIに寄与するのかは懐疑的で、測定も難しい。特にスタートアップに関してはプレスリリースに工数を割くべきかは悩ましい問題だ。TVCMを打てる規模の会社であればTVCMに投下した方がKPI的には効率が良いという話もあった。

「ライフネットを選んでいる人は、知的、革新的、 カッコいい、などのイメージを持っていただけるブランド作りを意識しています。そういうイメージに合うプレスリリースを出し、継続的な露出により、地道にブランドを築いていければという意図があります」(辻さん)

イメージのブランディングもあるであろうが、一方で露出数が一定量を超えると、いざ保険の加入を検討するときの想起率が上がり、問い合わせに結びつくのではないかという仮説も持たれているようだ。購入頻度が少ない商材なだけに、継続的な認知はボディー・ブローのように効きそう。

誰がソーシャルで拡散したかが重要、二次利用できる設計

「プレスリリースが注目を集めるパターンは2つあります。1つはヤフトピなどの大手メディアへの掲載。もう1つはソーシャルメディアで影響力のある方によるシェアです。どういう方にシェアされたかで、その後の拡散力が違ってきます。具体的なターゲットリストまではありませんが、この手の記事はこういう方が反応してくれるのではないか。という期待を抱くことはあります」(辻さん)

ソーシャルメディアでのシェアの方が注目を集めるパターンとしては多いのだという。シェアしたいと思わせるリリースを書くのも重要だが、誰にシェアされたかという方が結局は数字に直結するのではないかと。ライフネットは出口氏&岩瀬氏のツートップがソーシャルメディア上で強く、その関連を着火点としたソーシャルメディア上での拡がりもあるであろう。

「そのとき1回のリリースではなく、二次利用できるようなプレスリリースを作成しています。講演などで考えを主張する時の裏付けとなるようなデータとして利用したり、株主総会やIR向けに利用することもあります。初回リリース後の3ヶ月後などにまたソーシャルメディアでシェアすることもあります。ストック性が高く、使い回しが効くようなリリース作成を心掛けています」(辻さん)

定期的に継続的に、出来るだけ多くのリリースを打つべし

「プレスリリースはどれくらいの頻度で打つべきでしょうか?」(梅木)

「時間があるのであれば、出せるなら多く出した方が良いと思います。特にスタートアップなど知名度のないサービスを展開している場合は、知られないことには始まりません。目立ちすぎて困ることはないと思うので、どんどん積極的にトライすると良いのではないでしょうか」(辻さん)

知られなければ、お話にならないということですね。

「とはいえ現実問題、多くのリソースを掛けられない場合も多いと思います。最低月に1度は更新していると、活動的な企業という印象を受けます。継続的に世に何かを問いかけ、露出しようとしていく姿勢は重要だと思います」 (辻さん)

「どうメディアに取り上げられるか」は短絡的な発想

「どうすればメディアに取り上げられますか?という質問がたまにありますが、メディアに取り上げられることよりも、ライフネット生命を気にかけて下さる方々と継続的にコンタクトすることを重視しています。プレスリリースに関しては、今まで関係を持ったメディアの方々を中心にリスト化してお送りします。メディアで取り上げられなくても、リリースを読んで頂けたり、ソーシャルでシェアして頂けると嬉しいです」(辻さん)

メディアに取り上げられやすい方法という魔法はなく、地道で継続的なコミュニケーションがブランド資産を形成していくことを、ライフネット生命の事例から学びました。

「他社のプレスリリースを見て何か感じることはありますか?」(梅木)

「惜しいと思うのは粘りが足りない点ですね。リリース自体、1回で終わってしまう。タイミングを変えて、リリースを打ってみるとか。あとは自社サービスの強みをグイグイ掘り下げることが重要だと思います。例えば、土屋鞄製造所のFacebookページは、手仕事生まれの上質な革製品というブランドの強みを活かした情報発信で、ファンの心を掴んでいると感じますね」(辻さん)

強みを掘り下げることで魅力的なコンテンツができ、刺さる人には刺さる。ブランドに関する本質的な考え方の一つといえそうです。プレスリリースに限らない話であり、一考に値します。プレスリリースという枝葉の切り口から入った本取材でしたが、サービス運営やはたまた人生論にまで応用できそうなお話をお伺いできました。ライフネット生命様、取材ご協力有難うございました。

*本記事はBLOGOSに転載しないよう、お願い致します。

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