100万ユーザーを目指して見失う、大切なこと

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シリーズAでそれなりの金額を調達して、ユーザー数が現状5-10万人くらいのコンシューマー向けのサービスを展開するスタートアップの数はそれなりに国内でもあると思う。このフェーズの複数社にコンサルティングなどで携わった経験を通して「1年以内にユーザー数を100万人に!」とユーザー数をKPIにしている経営者が多いなと感じます。「100万人いくための施策、何かないですか?」と言われることもあります。

ユーザー数って、本質的な価値なんでしょうか?

なぜユーザー数を追うのでしょうか?

すごい角度で伸びているように見せかけないと、次のファイナンスが難しいからとか、そういう理由じゃないでしょうか。ユーザー数は外部ネットワーク性が効くサービスであれば関係はあるでしょうが、ユーザー体験にはクリティカルに関係ないのではないでしょうか。

拝啓、アフィリで買ってきたユーザーの退会率はいかがでしょうか。
拝啓、リワードで買ってきたユーザーのアクティブ率はどうでしょうか。

僕もスタートアップでプロモーションを担当していた頃、数百万円をアフィリエイトでドブに捨てたことがありました。アフィリやリワードは短期でユーザー数を伸ばす魔法に見えますが、砂上の楼閣だと思う。アプリのリワードでランキング上げて自然流入を狙うというロジックは分かるけれども。アプリのようにリワードと自然流入が連動するたしからしい仮説があるならまだマシですが。

だがそもそも1年で100万ユーザー獲得するという目標は、サービスにとって正しいことなのか。論点思考という本でもスタートアップの方々には読んでいただきたい。そこが僕が感じる最大の違和感だ。

ユーザー数を伸ばす最大の秘訣は、そのサービスが提供できる限りの最高のユーザー体験を提供することではないだろうか。マッチングサービスであれば成約体験が最高のユーザー体験だろうし、CGMサービスであれば、投稿に対するリアクションの有無が成功体験になるだろう。それぞれ、「成約率」「リアクション率&数」を最重要KPIに置いても良いかもしれない。

ユーザーはそのサービスでの成功体験を高い確率で口コミするだろう。そしてその口コミは他のどんなプロモーション施策よりも強力でCVRが高いだろう。地道なその連鎖がやがて大きな流れを創ってゆく。僕だって何かの成功体験があれば友だちに話したい。omiaiでコンバージョンしたりしたら、絶対に話すだろう。アフィリでゴミユーザーを獲得するくらいなら、最高のユーザー体験を提供することに予算を割いた方が良い。

ソーシャルメディア、SEOを頑張るのもたしかに大切だが、プロモーション施策ではなく、プロダクトの磨き上げをもっと頑張るべきだろう。

法人として外部資金を入れてサービス展開する上ではたしかに高い成長性を求められる。しかし、ユーザー数への過剰なこだわりは中長期的にはブランド価値を損なう危険性も孕んでいるだろう。ユーザー数にこだわる経営者、投資家が多いのは事実だ。そしてアフィリに手を染める。

100万人会員がいるサービスよりも、10万人が高い満足度で利用しているサービスの方が、価値があるのではないだろうか。見せかけの数字じゃなく、魅力的な体験をより多くのユーザーに届けるように、足固めする方が大事なのではないだろうか。ユーザー数なんか、クソ喰らえだ。最近違和感を覚え続けていたことを、主張してみた。

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著者(Yuhei Umeki)について

株式会社The Startup代表取締役。テック系ブログメディアThe Startup運営の他、複数のスタートアップ企業の企画面やライティング面の支援を行う。