かの昔(といっても2011年なので1年半くらい前ですか)、「テイストグラフ」という言葉が国内スタートアップ界隈では流行っていた気がする。The Startup:iQonとRettyにみる成功するテイストグラフの特性(とても懐かしい記事だなあ…)当時は「ソーシャルログイン」が革命だったかのような感じですね(今やデフォルト化してます)
iQonやRetty以外にはPinterestやSumallyも趣向が近い人同士がフォローするという点ではテイストグラフといえる。Get Glue的なエンタメ分野は国内で飛び抜けたところはまだ出ていませんね。
各サービスの主な使い方(閲覧)として下記の3つが想定される。
1:twitterライクなフォローした人のフィード(主にホーム画面がこれ)
2:カテゴリやエリアで絞ったフィード
3:個人のプロフィールページから投稿を閲覧
大体の人は主な使い方が1だと思う。twitterやFacebookのようなフロー情報を受け取る体験に慣れているから。一方でテイストグラフであれば3の使い方はかなり有意義だと思うんですよね。しかし、3の使い方をしているユーザーはあまり多くないように見受けられます。
時折、Rettyなどで自分の過去の投稿にメンションが入りまくっている時は、こういう使われ方をしているのだと思いますが、その頻度は高くなく、特にリテラシーがさほど高くないユーザーにとっては、個人プロフィールページから投稿を閲覧してアクションするという行動には至りにくいのかなという仮説を持っています。この辺のUXを掘り下げて考えたい。
趣味が合っていれば、プロフィールページは宝の山のはず
おそらくいずれのテイストグラフでも「感覚的に」趣味の合いそうなユーザーをフォローしているはずです。もしくは知り合いか(twitter / FBでログインで先に始めていたユーザーを一斉フォローするのが王道)フローで流れるフィード情報にも価値はありますが、本当に趣味が合うユーザーを見る付けることが出来れば、その人の過去ログは自分にとって宝の山といえるでしょう。
個人プロフィールの閲覧やそこからのアクションを増やすにはどうすればいいんだろう…。フローではなく、ストックになっているデータをレコメンドエンジンでフィードに上位表示させるとかもありなんだろうが。自分にとってマッチング精度が高い情報が、個人プロフィールページにストック情報として眠っている。これをもっと上手く活用できないだろうかと。
通知機能が個人プロフィール上からのアクションを制限?
テイストグラフの前にtwitterやFacebookで思い返してみる。私自身のユーザー行動を振り返ると、twitterの場合にはプロフィールページに飛んで、その人の過去の投稿をザーっと見ることは稀にある。特にフォローしてなくて、フォローしてみようか考えた場合。Facebookの方が一人当たりの投稿が少ないこともあり(あとはリア充な写真ばかりということもあり)あまり閲覧しない。
いずれにしても、他人のプロフィールページに飛んで、過去の投稿を閲覧するだけでユーザーは満足できる。わざわざRTや「いいね!」する必要はない。してもいいけど。
一方でテイストグラフの場合、実際にユーザーとして利用しているRettyやPinterest、Sumallyを例に上げると、それぞれ他人の投稿に対して「行きたい」「Repin」「want」することで自身の欲求を可視化する。ロムるだけよりも、自身のログを作りたいという欲求が強いのがテイストグラフの特性である。(特に、中級レベル以上のユーザーの場合)
いずれのテイストグラフにも通知機能があるが、個人プロフィールに潜っていき、その人の投稿に対していずれかのアクションをしまくることに抵抗のあるユーザーは結構いるんじゃないかという仮説を私は持っている。そこそこ通知が来るのは承認欲求を満たされて良いのだが、同じ人から通知が来まくるとストーカーかと思ってしまうことがありそうだ。私の考え過ぎだろうか。だが、無意識にこの感覚を持つユーザーもいるんじゃないかな。全く気にならない、むしろカムカムな人もいるでしょうが。
ということで、通知機能の有無が個人プロフィールからのユーザーアクションの心理的ハードルを上げているというのが一つの指摘です。考えうる施策としては、相手へ自分のアクションが通知されるか否かを選択できるようにするとかか。優先度は低いんだろうなー。これ以外にもUI上でのソリューションがある気もするがパッとは思いつかない。
ログから相手のためになる情報を引き出すこともできる
投稿者のログデータをこういう風に活用することもできる。Rettyはその人の「行った」「行きたい」飲食店のログが残っており、その人と食事に行く機会があればそのデータを元にお店をセレクトできる。どれだけの人がこういう使い方をしているか分からないが、有用な使い方だ。
Sumallyの場合では「want」しているモノをプレゼントにあげようという発想に至る場合もあるだろう。テイストグラフはデータが溜まれば溜まるほど、ピンポイントで有効な活用ができる。
フロー情報のフィードだけでなく、ストック情報にも注目
今回は、ユーザーメリットとなる個人プロフィール内のストック情報を活かして、トラフィックやアクションをもっと増やせないかという妄想をしてみました。特にUIはtwitterからのフォローによるフィード、Pinterest発の画像フィードが主流で、それを踏襲しているところが多いように思える。ユーザーがそれに慣れているからそれで良いとは思っていて、メモレーンみたいな横スクロールUIは意味が分からなすぎて死んだ方がいいと思いました。
しかし、フロー情報によるフィードがメインである一方で、データが溜まればストック情報、特に趣味が合うユーザーのストック情報を上手く活用できれば大きなユーザーメリットになります。この辺のソリューションを考えたいなと思い、思考整理のために記事を書いてみました。
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