最近人生で最も暇というレベルに暇すぎて、昔の自分と対峙するというプレイを始めてみましたw
そういう時にブログというものは非常に便利なもので、当時の自分の考えと対峙することができる貴重な資料です。その記事たちなしには、昔の自分とは対峙できません。
僕は大学時代にコツコツブログを書いていたので(「メディア」ではなく「ブログ」です。)、当時の思考とか読んだ本の感想とか書いてあって、読むに耐えないレベルのものがほとんどですが(死にたくなるほどに)、自分の未来を考えるにあたり過去を紐解くのは面白いです。
そこで、僕が大学時代や社会人1年目の時に書いた書評からいくつかピックアップして、2017年時点での解釈を付け加えてみます。2008〜2009年頃の僕はこういった本を読んで育ったわけです。
今も色褪せない名著を選定したので、大学の授業を聞く暇があるなら、ぜひこれらも読んでみてください。
クリエイティブクラスの世紀:ソルジャー・クラスとの対比
これは書籍ビジュアルとタイトルがカッコイイという理由で読んでいた気がします。当時の僕の紹介を整理したものが下記。
クリエイティブ・クラスの仕事とは、誰にでもできるような仕事ではなく 自分で考える余地の大きい仕事。対義語はソルジャー・クラス(梅木の造語)で、誰にでもできるマニュアルがある仕事を指す。大量採用の職種とか。
僕が最も恐れることは、創造性を発揮する機会を踏みにじられ、「言われた通りにやってればいいんだよ」と言われること。自分にしかできないという模倣困難性を伴う職業はほとんどないが、それゆえに価値がある。
成熟した社会ではクリエイティブを中心としないと経済成長を達成できない。(2008/5/12)
今でいう「栽培マン」が「ソルジャー・クラス」として紹介されていますw
結果論として、言われた通りにやっていればいいんだよ!という仕事が僕にはできなくて、会社員時代はまあ役立たずでしたね。
時代的に昭和ならソルジャー・クラスが中心で良かったのでしょうが、今後はクリエイティブ・クラスが中心とならないといけない。自分はたまたま、ソルジャーよりはクリエイティブの素養があったということで、ラッキーでしたね。
しかし、2008年には将来はこうなるんだろうなと確信を持ったのが、この書籍で、振り返ると大きな影響を自分に与えていたのだろうと思います。
当時はAIという言葉は一般的ではなかったのですが、ソルジャー・クラスの仕事がAIに取って代わられるのは自明です。
その最たるものが、メガバンクだと思うのですが、私が卒業した2009年も直近の2017年も、慶應義塾大学卒業生が最も多い就職先はみ◯ほ銀行です。
フリーエージェント社会の到来
こちらは過去の書評を見つけられなかったのですが、米国ではフリーランスの比率がかなり高い(当時でも30%程度)ということで、漠然とフリーランスという存在を初めて意識した?書だった気がします。
2017年現代はtwitterなどでフリーランスの存在を知ることができますが、私の学生時代はtwitterなど存在しなかったため(日本国内では2009年=私の新卒1年目からtwitterが普及しだす)、日本のフリーランスというのは写真家とか編集者とか作家とか、そういう存在を雑誌を通して知るくらいしかありませんでした。
ビジネスだと経営コンサルタントとかもフリーランスに該当します。著名コンサルタントの寄稿記事とかを、HBRや単著などで追っていました。
なぜこの本を学生にお勧めしたいかというと、就職が全てではなく、こういう選択肢もある。というか、米国では比較的普通である。ということを認識したほうが、視野が広がって良いだろうと思うからです。
会社に就職しようが、フリーランスになろうがどちらでも良いのですが、フリーランスと仕事をする機会というのは今後誰しもに訪れると思いますし、稼ぐ額も労働時間も比較的自分でコントロールしやすい働き方も、一度体験してみても良いと思います。
クリエイティブ・クラスの世紀とかけ算しての極論だと、ソルジャー・クラスの会社員は今後どんどんAIに取って代わられて、専門性があるフリーランスが優位な社会になるという論調もたまに耳にします。
総合職は総合職としてのエース人材は残るというのが私の見解ですが、今の規模ほどの総合職は不要ですし、エース人材だけ残せば良いので、私のような総合職のエース人材とは程遠いような人にとって、フリーランスという働き方は一考に値するため、早いうちに触れたほうが良いのではないかと。
ハイ・コンセプト:家入さんの時代に。
これもまた、フリーエージェント社会と同様に、ダニエル・ピンクなんですよね。ダニエル・ピンク信者なのかな…
これはmindomo.comというサイトから、下記のマインドマップを引用させていただくのが一番わかりやすいかと思います。
恐ろしいほど2017年的な考え方ではないでしょうか?
特に、「事実より物語」みたいな話は、クラウドファンディングやICOと相性が良い考え方です。
すごく平たく言ってしまうと、従来の戦略コンサル的な人よりも、家入さんのような面白い遊びを語ったり仕掛けられる人のほうが、多くの人の支持も得ますし、模倣困難性も高い。
比較するのも変かもしれませんが、もはや単なるマッ◯ンゼーの人はソルジャー・クラスになっていて、いくら遅刻を繰り返そうが、家入さん的な人がハイ・コンセプトの時代は非常にマッチしている。
私が本書を読んだ2009年から現在の2017年にかけて、この書籍で示されているハイ・コンセプトが社会に浸透してきていますし、まさにハイ・コンセプトの時代になってきています。
それなのに学生は2009年と変わらず、ソルジャー・クラスを志望する人が相当多いわけです。
とはいえ最近は20代の起業もSNSで見る限りは増えてきた気がしていて、喜ばしいことだと思います。しかし、ソルジャー・クラスは時代と逆行しているにも関わらず、相変わらずそこがマジョリティなようにもあくまで一面的に学生の就職先とか、学生の様子を見ると感じてしまいます。
以上です。港区お兄さん・梅木からのお話でした。
この3冊を読んで、ソルジャー・クラスとは違った働き方を続けていけば、平日の昼間に銀座でシャンパン飲みながら鮨を食べる港区お兄さんにはなれますが、この3冊を読まずに何の疑問も持たずに就職していくと、10年後はシワシワスーツで新橋でクダを巻く東◯おっさんになってしまうかもしれません。あっ、東◯が存在してるかがまずは怪しいか。
どちらの人生を好むかはあなた次第ですので、一概にどちらが良いとは言えませんが。