欲しいの本質・隠れた心理「インサイト」が次代の商品開発の肝

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2017年12月に出たばかりのようですが、スタートアップに限らず商品開発に携わる人にとっては有益と感じる本でした。

Kindle Unlimitedで無料で読める対象になっており、読み放題を利用して読みました。

最近こんな質問もいただき、「うーん、ニーズじゃないんだよな」と感じていました。

記事を掘り起こしてみると書評がTSには乗っていませんでしたが、一応マーケターでもあるつもりなので(特にWEBサービスにおいてはプロデューサーは本質的にはマーケターを兼任しているようなもの)、「インサイト」という言葉は昔から気になっていて、過去に下記の本を読んでいました。

Amazonの履歴を辿ると、2012年11月に読んでる。

私は紙の本は引っ越すたびに結構捨てていて、今は手元に50冊も残っていませんが、この「インサイト」はありました!引越しのたびに「再読の価値あり」ということで手元に置かれ続けてきたのでしょう。

それでは「欲しいの本質」〜インサイト〜から、興味深かった点をご紹介していきましょう。図はiPadで読みながら本書をスクショしたものです。

「だいたい良いんじゃないですか時代」に必要なインサイト

本書によると、現代は大抵のプロダクトに対して、ユーザーは「だいたい、良いんじゃないですか?という反応を示す。

例として、ガラケーなどの国産電機メーカーが細部で競い合うことは、ユーザーにとって大した利益にならない。「画素数が少し良くなった?あっそう」という経験が、皆さんにもあるでしょう。

そうではなく、「隠れた欲求」に応える「革新的変化=イノベーション」で全く新しいものを作り出すことが必要。これの例に、スマホが挙げられています。

本書の定義するインサイトとは

「顧客を動かす隠れた心理」です。ですから、消費者自身も気づいていない、隠れた状態になっています。

一方、ニーズは「本人げ明確に認識できている欲求」で、顕在化しています。

インサイトは隠れていますから、競合他社も知りません。従って、その心理を充たすアイディアはまだ市場で具体化されていない状態です(本誌抜粋)

イン+サイトですから、内なる心理、ですよね。

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インサイトを突こうとすると、プロダクト作りの際に、ユーザーヒアリングしても成果が芳しくないという話も本書にはあり、納得感あります。

ニーズは顕在化していますが、インサイトはユーザーもそれが世に出てくるまで欲しいかどうかわからないので、なんとも答えにくいのです。

踏み込んで利益思考で考えると、ユーザーニーズに応えようとすると、競合はいるわ、機能を少し改善するくらいしか打ち手はないわで、薄利になっていく構造にあります。

一方でインサイトを突くプロダクトは、まだ世に出ていないの競合がおらず、価格決定権を握れる可能性はあり、美味しい利益率を確保できるかもしれない。

モノが溢れている時代には、モノの性能を高めることは利益につながらず、インサイトを軸に全く別の商品を開発していかないと、衰退していくのではないでしょうか。

そのインサイトはユーザーのどんな心理を充しにいくのか

続いて、インサイトの深堀り。

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最初の4要素でファクトを埋め、エモーションは上記の3つの心理で埋める。

私はフレームワークなどガチガチに覚えていなくて良い派なのですが、特にそのプロダクトは「どんな心理を満たすのか」という点は、よく意識しておいたほうが良いと感じます。

そして、インサイトを探しに行く際は、(その商品を使いうる)ユーザーをみるという感覚よりも、フラットに「人間を見る」という感覚で観察したほうが多くのことを得られると記載があり、これにも納得。

マーケターは根本的に「人間観察」が好きな人が多いんですよね。こういう言動をこの人はしているが、本当はこう思ってるんじゃないか?とか、そういうの考えるのが好きかどうか。

インサイトを元にプロダクト化するフレームワーク

何かしらのインサイトを見つけた後、いかにしてそのインサイトを充たすプロダクトを具現化するか。そこで有用なのが下記のフレームワーク。

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この事例はAKBやキットカットが紹介されています。

試しに私のプロダクトの場合でこのフレームワークに嵌めてみましょう。

☆Umeki Salon

インサイト:記事を元により深い議論をしたり別の視点が欲しいのではないか。ストレートニュースでは物足りない
バリュープロポシジョン:有識者にライトに聞ける場
アイデア:月額有料Facebookグループ運営

☆ウメキワークス

インサイト:資金調達情報を自分で集めるのは怠い、どこかで一覧で見たい
バリュープロポシジョン:データベース化して公開+定期的に各社を公表する記事
アイデア:月額有料note+Google Docs公開

こんなフレームワークは知りませんでしたが、インサイト自体はもともと明確に持っていました。ゆえに、それなりにワークしたプロダクトになったのではないかと。

インサイトを見つけて、うまく整理できれば半分は仕事は終わったようなモノで、あとはいかに上手くエグゼキューションできるかだと思います。

タイミングや時間軸の問題ですぐにワークしないものもあるでしょうが、インサイトがハマっていれば、オペレーション磨けばなんとかなる。

インサイトとは、平たくいうと「誰のどんな(隠れた)心理を、どう充したいか」ということなんだと思う。

「(隠れた)心理」という点がポイントで、今更スマホ作り出しても遅い。スマートスピーカーだとギリ間に合うかも。な感じですかね。

オペレーションに落とし込む際に下記の考え方が有用。

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ひとこと化とは、プロダクト名ないしはタグライン、キャッチコピーみたいなものですね。

私の場合は、「梅木のクラウドソーシング」(13文字ぴったり!)でウメキワークス(名前からも少し連想できる)と、「スタートアップ版フライデー」(これも13文字ぴったり!奇跡w)でUmeki Salonでした。

この13文字以内というのは相当重要で、特に人が「あのサービスさ」って口コミしてくれるときに、簡単に説明できるか否か。というのが、バイラル係数とすごく相関があると感じるのです。

今まさに新サービスの構想中なので、自分で書評を見返したいがために書いておきましたが、多くのプロダクト開発に携わる方にとっては、有用な書だと思いますので、オススメですよ!



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