メディア論はよく耳にしますが、コンテンツ論はあまり聞かない気がします。メディアとコンテンツの関係は、コンテンツが主だと私は思っており、メディアはコンテンツの集合体であり、コンテンツがメディアの最小単位といえます。
よって、もう少しコンテンツについて考えてみても良いのではないかと。
私が考えたビューティフル・コンテンツの条件は以下の通り。
☆ビューティフル・コンテンツの条件
1.賞味期限が長い(参照:こちらの記事)
2.ユーザーの心を突き刺すオリジナリティ
3.空で思い出せるほどのインパクト
まず1の賞味期限は関連記事をご覧いただければと思いますが、ストレートニュースはその日1日は消費されますが、「新しい情報の集合体であるニュース」はその性質上、新しいことに価値があります。
スクープも同じで、文春砲は「まだ世に出ていない(ゲスい)ニュース」を報じることで、瞬間的な注目は集めますが、取材対象者に依存する点や、ニュースの域を出ないので、そういう役割としてメディアのポートフォリオ上あることは否定しませんが、コンテンツとしてビューティフルかというと、そうではないというのが私の持論です。
テキストコンテンツに限らずもっと幅広い領域のコンテンツを見ると、音楽や映画やドラマは20年後や50年後でも愛され続けるものもあり、賞味期限が非常に長い。賞味期限が長くなった要因に、2と3があるのだと思います。
2は一見「オリジナリティ」と書きそうになりましたが、ただ単にオリジナルなだけでは無意味で、何かしらのユーザーの心を揺さぶったか否か、が重要と見ます。経済記事であれば、何度も読み直したくなるような示唆に富む論考であったり、エンタメであればユーザーの潜在意識にリーチして「気付かなかったけどわかるぅぅ!」的なリアクションがあるかとか。(タラレバ娘はおそらくそれが上手い)心を突き刺す=インサイトを突く、とも言い換えられるかも。
2の結果として、3が起きます。ここはバイラルとも紐づく。2を満たせば、勝手にユーザーがコンテンツについて語り始めます。「あれ見た?」と会話し、布教し出すのです。なので、意図的に「極端な表現や意見」にしたほうが、3につながりやすい。ミスリードにならないギリギリの範囲で、過激にすることは、立派なビューティフル・コンテンツを狙う条件の一つだと思う。
1,2,3は連動します。エンタメと経済では賞味期限軸が全く異なってくるので、経済の方がビューティフル・コンテンツ制作の難易度は高いといえます。エンタメで例えば恋愛や結婚は普遍的であり賞味期限は長いですが、それゆえ競争過多な市場なので、競合偏差値が高いといえます。よほど質が高いものじゃないと、勝てない。
メディア運営において、全てをビューティフル・コンテンツ狙いにする必要はなく、ポートフォリオで考える必要があります。しかしながら、強いメディアには必ずビューティフル・コンテンツが一定比率埋め込まれていると思う。その繰り返しで、ユーザーが定着していくはずであり、コモディティ・コンテンツだらけのメディアに、ユーザーは再訪しない。
2の条件を満たすには、どのユーザーインサイトを突くのかを日々考え続け、「このスペースが空いている」という領域に対して、ぶち込めば良いわけです。
私は日々、それを考えています。
こんな条件もあるのではないか?などの意見や反論ございましたら、ぜひ。