アメブロの競合はLINEブログではなくインスタグラム

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タイトルで言いたいことを言い切った感がありますが。たまに記事っぽいものを書いておかなくてはと。

サイバーエージェントの決算資料を見ても、最近は「AbemaTV」祭りで、Amebaについて触れられることはなくなりました。

決算資料からメディア事業の売上推移を下記に抜粋してきましたが、ここ2年は辛うじて現状維持で、Amebaの落ち込みを新規事業の売上で補填できるほどではなく(AbemaTVは先行投資時期なので)、新規事業の売上がなければ(そもそもそこが全然ない可能性もありますが)Amebaの売上の落ち込みはもっとあるとのことです。

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プロダクトにはライフサイクルがありますから、サイバーエージェントにとってのAmebaは成熟期で、感覚的には2014年の日本国内における「ガラケー」のような位置付けで、残存者利益をあとどれだけ搾り取るかというフェーズです。

特に何も問題ないことで、本稿はサイバーエージェントの経営を否定する論考ではありません。AbemaTVにエースを集め、Amebaは社内の二軍選手でなんとか耐え忍ぶ布陣と聞いており、非常に賢明な判断かと思います。

LINEがLINEブログに力を入れ始め、アメブロから移籍するブロガーも増えていることが、一見アメブロの不振に繋がっているように見えます。それも一理あるのでしょうが、それ以上にアメブロを書いていた層がブログを書かなくなったのではないかと感じます。

アメブロのPVはインターネットで検索しても手に入らず、現状非公開の可能性もありますが、アメブロユーザーの主流に見える「ワンツイート以下の記事(要は内容がゼロに等しいレベルの、30秒で読めるブログ記事)」を書く、(やや頭が弱い)読者モデル系ユーザーは、インスタグラムへ移行していると思います。

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インスタグラムが2016年に日本国内で大きくグロースし、マスメディアとして定着しました。インスタのグロースを牽引したのは誰かというと、元アメブロブロガーたちなのでは?と。

そんなこと、インスタグラム関連の仕事をしている人であれば周知の事実でしょうが、おっさんの視点からすると「アメブロって、LINEじゃなくてインスタグラムにユーザー(情報発信者)を奪われたのね」というと、「意識してなかったけど、そうかもしれん」と、3へぇくらいは感じてもらえるのではないかと思い、わざわざ記事にしてみました。

もう少し経営学的に一般論化すると、同じレイヤー同士での競争はわかりやすいですが、違うレイヤーにユーザーを奪われていることには案外気付きにくい。グノシーの競合はスマニューではなく、マリオ。暇つぶしの可処分時間を奪い合うという意味で。そういう話。

元々のアメブロガーたちは、「見て!私たちのキラキラライフを!」って感じで、写真数枚と毒にも薬にもならん無意味なテキストを並び立てるだけで、彼女たちは「文章」を訴求したいわけではなく「写真」を中心とした「リア充感」を訴求したいだけで、ブログよりも写真共有アプリというフォーマットの方が、アウトプットの場としては最適だと思います。

仮にTheStartupがアメブロで毎回3,000文字の論考を書いていたとすると、インスタグラムは競合になりません。誰も梅木のリア充写真など、見たくないからです。

アメブロガーは、本来インスタグラムに適したユーザー層の構成比率が高く、ゆえにインスタグラムへ流れやすいのではないかなと感じました。

このように、競合を少しずらして考えることで、実はあそこにめっちゃユーザー奪われてるやん!というのはあるんですよね。同じコンテンツ(中身)でも、フォーマット(容器)を変えることで、ブレイクすることは数多くあると思う。

コンテンツとフォーマットの掛け算で最適解を探す努力は必要ですね。

同様に、TheStartupの競合はnoteであり、Umeki Salonです。フォーマットとして競合しており、コンテンツは不変ですが、サロンやnoteはTheStartupのコンテンツを一部切り出し、フォーマットを最適化したことで、一定の成功を収めたといえます。

コンテンツとフォーマットの掛け算は、もっと実験していくべきです。

蛇足ですが、日本国内で2010年頃にtwitterが流行り始めた時、ブログは終わると言われましたが、twitterがブログへトラフィックを運ぶ存在となり、一部のブログメディアはソーシャルメディアをトラフィック源として伸びていきました。TheStartupはまさにそのタイミングで一番最初はソーシャルドリブンで認知を高めました。

その時代と照らしわせると、インスタグラムによって脚光を浴びるインスタグラマーは出てくるでしょうが、ブログとインスタグラムこそ、ブログとtwitterのような補完関係ではなく、カニバル(カタカナ表記でいいんだっけ)気がしており、明確に「競合」と今回断定してみました。



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