当たり触りないことを書くメディアも多いですが、八方美人な態度ではなく、「誰に向かって書いているのか」という態度をもっと明確にしても良いかなと思います。
メディアのスタンスにもよるため、新聞のような最大公約数に届けたい場合はこの考え方を押し付けるつもりはないですが、PV最大化のために多くの人が好きそうな(嫌われなさそうな表現とも言い換えられる)ことを書きたい気持ちはわかるのですが、この記事は誰に読ませたいんだ?ということを強く意識した方が、そのターゲットには刺さります。
率直にいうと、猫のハフィントンポストとかですね。
本誌では意図的に読者をスクリーニングする表現(平たくいうと横文字)を使いますし、これくらいのことは知ってますよね?という前提(ハイコンテキスト)で話を進めます。冒頭でそういうことを言って、「知らない人はここで離脱してください」と離脱を促すこともあるほどです。
炎上の一つのパターンとして、本来の読者ではない人にまでコンテンツが届いてしまった。というものもあります。たとえば、年収1,000万以上の人向けで「資産運用でお悩みですよね」という記事があったとしましょう。それを見た年収400万円が激しく反発してくるとか、そういうことです。あくまで超適当な例ですが。
読者は思いっきり差別してですね、あなたは読者ではない。読まなくていい。と言い切ってしまう態度はけっこう重要なのかなと。「読者ではない人」を想定することで、自然と読者が見えてきます。読者の顔が見えないとダメです。
あの人はThe Startupの読者だ。IPO関連の話に興味があるから、イグニスの下方修正の記事は読んでくれるだろう。イケダハヤトさんはメディア関連の人だから、メディア関連のネタはきっと読んでくれるだろう。とか、完全に一人一人にカスタマイズする必要はありませんが、一定のニッチな需要に対して記事を作る方が、強い読者コミュニティなり、エンゲージメントを獲得できると思います。
スマートニュースで10万人に読まれても「あんな記事があったけど、どこのメディアだっけ?」ではなく、1,000人にしか読まれなくても「いやー、あれは印象に残ったよ」という方がブランド価値の向上に寄与するはずです。
八方美人は御法度。あなたはうちの読者ではないから、読まなくてよし。
多分、この記事が届いている読者は、一見さんではなく、The Startupの本当の読者なんだと思います。