あなたの仕事は何ですか?1つしか答えられない奴はエンドレス・栽培マン

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2010年代に入って働き方が大きく変わってきているようですね。

私が独立したのは2011年のことでした。それ以降、クラウドソーシングやフリーランスが増えていき、非正規雇用の比率もどんどん上がっていき、正社員という形態自体がオワコン化しつつあります。

同じく仕事や職業に関してもそうで、「あなたの仕事はなんですか?」と聞いて「オラ、電通マンだ!」とか「会計士です」と「会社名」「職業名」で答えられない人の価値はどんどん下がっていくと思います。

理由はとても簡単。会社名や職業名で「仕事」を答えられる人はコモディティだからです。「電通マン」も「会計士」も数万人いますよね。しかし、電通からリストラされたら?会計士の仕事がAIにリプレイスされたらどうするのでしょうか?

彼らは他の仕事に就くことはできるかもしれませんが、多くの場合はそれまでの仕事より価値と報酬が低い仕事に就くことしかできないのではないでしょうか。

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特に未来を予見していたわけではないのですが、私は学生時代から「サラリーマン」的なコモディティワークに強い拒絶反応がありました。「会計士」日本一の輩出数を誇る慶應商学部出身なので会計士予備校の「CPA」に1週間だけ通いましたがすぐ辞めました。簿記が苦手だったんですwww しかもこんなのマジつまらないし誰か勝手にやってろよと思いました。

私は人事労務管理のゼミに属していたのですが、「エンプロイアビリティ」なる言葉が印象に残っています。直訳すると「雇用され得る能力」でしょうか。これと対になる言葉として「企業内特殊能力」という言葉がありました。その企業の中でしか通用しない能力です。なにそれやばくねw その企業クビになったら使えない能力やん!と激しく脳内に「意味あんのか」と「???」が浮かびました。三菱商事の中でしか使えない能力ってなんなんだろう…。

大学時代に「手に職というかなんかスキルないとやばいんだろな」と直感的に思ったことを覚えています。ここで普通に考えると「手に職=会計士とかの資格職」となるのですが、資格職は自分には(真面目にコツコツ勉強できないので)向いていないのと、資格職もそれはそれでコモディティだなと思っていました。

大学時代の私など無力もいいところです。しかし、「自分にしかできない仕事がしたい」と思っていましたし、ぼんやりとですが将来は起業しようかな的なことも考えていました。編集とかを学んでいたのは「オリジナルな仕事ができそうな要素」を感じたからだと思います。

当時から「将来は梅木雄平業で食べられるといいんだけどな」と思っていました。こんなことを周囲にいうと「お前馬鹿じゃね」という視線を感じましたね。「高城剛的な生き方」に考え方としては近いと思いますが。私もある種の高城剛病だったのかもしれません。

話を整理しましょう。

あなたの仕事は?と聞かれて、「電通」や「会計士」などの会社名や職業名を答える。それは今までの世界では通用したかもしれませんが、明日は通用しなくなる確率がどんどん高まっている。「規定されている職業」ほどAIにリプレイスされやすいものはなく、(熟練工は別かな。ホワイトカラーの場合、と一応断っておきます)その1つの仕事が通用しなくなると他の仕事で生きていくことができない。最悪、貧困ルートへ転落です。

それよりは様々な種類の仕事ができるようになること。しかも、その仕事の中に「自分らしさ」を埋め込むことができる人が最も価値が上がっていくのではないでしょうか。その「らしさ」というのものは、代替可能性が低いからです。価値を上げることは、代替可能性を下げることを意味します。「自分らしさ」=「自分にしかできない」=「オリジナリティ」なわけです。

私の仕事でいえば、私が手がける複数の仕事から「Umeki Flavor」が香っていれば成功といえます。そのフレイバーは真似できないからです。もちろん最初からそんな仕事ができたわけではなく、私かて苦しい栽培マン時代もありました。しかし、志というほど崇高なものではありませんが、「オリジナルへの強いこだわり」を持ち続ければ「コモディティ」を回避することはできます。

ニュースリリースなどがまだ送られてきますが、いかなる人もTheStartupに「記事を書かせること」はできません。これが他媒体であれば「1億円調達ね、おっけー」といって記事にしてくれますし、その方が多くの人に好かれるでしょう。しかし、それはコモディティな記事で、TheStartupで書く意味はないものです。その手のリリースは今後は全てTheBridgeへ送ってください。うちにはいりません。

逆に他媒体が書かないようなネタに目を光らせるわけです。これはどこも書けないだろうと。そういうことを繰り返すことで「らしさ」が醸成されていくんですよ。「このネタはあいつが書くしかない」と思わせれば、それだけエッジが立ったことを意味します。

様々な仕事をできるようにする。しかもその仕事に「自分らしさ」を埋め込むことができるとベストである。クライアントの意向を無視して、「カンヌ獲りたいぜ」とかいって自己表現にクライアントの商材を使うことは間違っていますけどね。そうじゃなくて、「自分らしさ」を求められる存在になればいいわけです。

たとえば私は今の仕事の配分は上記の通り。これに対する危機感としては「5つ目の柱を来年には作りたい」ということ。この4つを1つずつ極めるというよりは、別の柱を作るということなんです。それぞれの柱はそれぞれで連動したりもします。

「TheStartup」のクオリティが上がることは「M&A」の精度が上がることも意味します。1つの仕事だけしていたのでは、見えないこともあるため、他の仕事をすることで別の角度から物事を俯瞰することもできるようになります。

例に挙げると、本誌でたびたび登場する木村新司氏は「anypay創業者」であり「グノシー大株主」であり「スタートアップ投資家」でもあります。どこかに特化するのではなく複数の事業体を営みたいという話もあり、同じ文脈で強引に括ってしまうと「複数の顔がある方が影響力が増す」とか「ポートフォリオ組んだ方がビジネス的に安定する」という考えがあるのかもしれません。

ポートフォリオの概念でいうと、「オラ、電通マン!」や「会計士」は基本的にポートフォリオなしです。会計士の中でも「事業もできるよ」とかそういう場合はまだ掛け算で価値があるのでいいです。

この話、簡単にいうと「仕事のポートフォリオ組まないと、将来怖くないですか」という話ですね。

あなたの仕事はなんですか?1つしか答えられない人が大多数ではないでしょうか。ちなみに経営者って複数の仕事を兼務している人が多いので、「経営者」しか答えられないことは特に問題ではないですね。

本誌の読者の皆さんの仕事はなんでしょうか?ぜひ2つ以上答えてみてください。



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