＊著者の他のブログの2010/11/30の記事の改訂版です。

こんな風にまとめられたりもしました。

nanapiを運営するロケットスタートに3.3億を投資した
グロービス・キャピタル・パートナーズ。

停滞している日本のスタートアップ市場において際立った投資活動が目立つため
グロービス・キャピタル・パートナーズ（以下GCP）に焦点を当てて考察してみます。

GCPの会社概要に全てのポートフォリオが載っていないのは承知ですが
ザッと見た限りはインフラに化ける可能性があるベンチャーに
特化した投資戦略であると推測します。

■会社概要のまとめによる投資戦略

・基本的にはリードインベスター
・1社あたり3～5億円の投資
・サービス、テクノロジー、IT中心の高成長が見込まれる分野

リードインベスターで億単位が基本という投資姿勢は日本のVCでは
珍しく米国型に近いと言えるでしょう。

■インフラに化けそうな一貫性のあるポートフォリオ

まだ未上場で有名どころでいうと

・ライフネット
・リサイクルワン
・フィジオス

特に直近で入れたところだと

・キラメックス（kaupon）：2億円
・美人時計：2億円
・ロケットスタート(nanapi)：3.3億円

■直近の案件って入れすぎじゃない？

皆さんが声を大にしてはつぶやけないところでしょうが
これが皆さんの正直な感想だと思います。

キラメックスさんに関してはグルーポンレースで
pikuや当時のQ:podと比べるとインパクト不足は否めず
直近ではLUXAの5億円調達も相まって
市場では知名度売上共に4,5番手くらいといったところでしょうか。
グルーポンレースは既に終わった感がTL上では蔓延していますが
当時は「え？入れすぎでしょ？valuationどうなってるの？」
って議論になっていたと思います。今もそう思いますが。

美人時計とロケットスタートに関しては
市場の識者たちからは33%のシェアを取得しているのでは？という推測を多数頂きました。
単純計算すると7億くらいのValuationですが
さほど売上が上がっているように見えないスタートアップにしては
割高なValuationではないか？と市場から見られていたと感じますが
逆にそれだけGCPがリスクを取りに行ってリードしているという点は
素晴らしいことだと思いますし
その後のハンズオン具合によるエクイティストーリーの描き方に注目です。

■なんでそんなに入れれるの？

GREEの成功事例があることが関係しているか否かはわかりませんが
ポートフォリオを見る限りではインフラに化ける会社に
特化した投資をしている印象があります。稀にアプリ系なども入っていますが。
個人的には私はこの戦略に全面的に同意できます。

とりわけネット上では主にプラットフォーム（PF）と
コンテンツプロバイダー(CP)の二つに役割が分かれると思いますが
「Think Big」の発想でいうとインフラに掛けた方が時間も長くかかるかもしれませんが
後々のリターンも大きくなると思います。

CPは黒字化も早いかと思いますが
私は個人的には長くマネタイズし続けられるものとは思えません。
んなこと知ってる。だったら新たなアプリを投入すればいいだろ！という人もいるでしょうが
私は焼畑農業には興味がありません。美人時計は美女暦を買収する？など
アプリで小銭稼ぎしつつガジェット系のインフラを整える。

nanapiは投稿記事数を増やしてPV数を増やすのが増資の使用用途らしいですが
メディアとして確固とした地位を目指し広告でマネタイズする。
どちらもすぐにできることではありませんが
「誰もが毎日見たくなるインフラ」になる可能性は秘めています。

僕が普段見ているサイトは
コミュニケーション系：twitter/facebook
メディア系：TC/Tech wave
EC:Groupon系/前職の洋服サイト
ツール系：google
このローテーションの一角を占める可能性がある。

普通のアプリでは「普段見る」という感じにはならず、いずれ飽きられると思います。

インフラを1社でも多く生み出そうとする（ように見える）
GCPの投資哲学には全面的に賛成ですし
他のVCも見習って欲しいなと思います。
まあ、ファンドの規模が大きいからできる戦略だとも思いますがね。
ようわからん投資戦略をとる日本のVCの中でも一貫性があるように見えて
個人的には「イイネ」ボタンを押したくなる。
インフラ系サービスならGCPが入っているかどうかを見て
ブレイクするかを判断する基準にもなるかもしれませんね。
今後もGCPの投資活動には目が離せません。