木村新司氏3つの投資基準と最新ポートフォリオ検証

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本誌でも人気コンテンツ?である木村新司氏だが、最近決済会社のanypayを立ち上げた。

β版は9月ローンチとのことだが、ウメキワークスのエクセル権限のみの機能だけ特価で販売したところ、10個程度サクッと売れたので、追加で5個限定で販売してみる。

noteで累計600万円近くの売上を出しているパブリッシャーの私としては、決済手段が多様化するのは好ましいことだ。今後もanypayには注視していきたい。

そんな木村新司氏だが、2年前の2014年6月には本誌では木村氏の個人投資家としてのポートフォリオのリターン分析を発表している。2年経過した現在、2016年8月における進捗具合と、木村氏の投資基準について改めて伺う機会があったので、記事として残しておきたい。

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EXIT済み銘柄:gumi4倍、Gunosy100倍?

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上記の整理を見ていただければ良いだけですが、2014年6月時点でIPO予測した両社がきっちりIPO。公募時時価総額の予想は大きくは外れていませんでした。gumiに関しては実際は0.74%保有ということで、売った時期はわかりませんが、時価総額500億くらいの時に売却したと仮定すると4億くらい。3-4億のキャピタルゲインと予測し、投資時の1億から3-4倍ではないかと。

Gunosyは公募時に30億程度の売り出し。少なくともまだ30%は保有していると思われるため、直近の時価総額200億に掛けるとGunosyの株式で60億程度の資産価値となります。いつ現金化するかは分かりかねますが、約1億の投資に対して事実上100倍近いリターンが木村氏にとってのGunosyとなります。

IPO見込み:ウォンテッドリー、Bitflyer、メドレー

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続いての注目銘柄の3社の最新状況を上記に整理しました。

まずウォンテッドリーですが2017年のIPOが濃厚説があり、直近の時価総額は約92億まで上がってきています。前回予測では公募時150億としていましたが、もう少し盛って今回は200億としました。B2Bなので手堅く売上も上がっていそうです。

次にここ2年で跳ねたBitflyer。2014年6月時点ではBitcoin市場自体への判断が懐疑的でしたが、市場のトッププレイヤーとしてグロースを遂げ、30億の大型調達も実施。時価総額は約191億に。ここもIPO観測が聞こえてきていますが、公募時にいくらつくのかは判断し難い。初物に対しては高いvaluationが正当化されやすいことからも、本誌では強気に800億予想としました。

最後にメドレー。最近、トップクラスのプレイヤーの採用をよく見かけます。本命は遠隔医療でしょうが、足元は求人医療サイトジョブメドレーで手堅く。前回はM&A予想にしていましたが、チーム力と瀧口CEOの戦闘力から、IPO予測に修正。公募時時価総額はコンサバに150億で見ておきます。

この3社をざっくり合計すると、投資額0.5億程度に対して、ベストシナリオで30億ほどのリターンが実現。60倍です。

その他:コイニーやSpotifyなど

それ以外の銘柄だと、コイニーあたりが注目です。決済は時間がかかるでしょうから、2017年のIPOはないでしょうが、コイニーに投資しながら、anypayという決済事業に参入されたあたり、決済自体は有望市場と判断していると推測します。コイニーの現在の推定時価総額は51億。GMOPGなどを見ると、たしかに息が長い領域です。2020年ごろにどうなっているか、といったところでしょうか。

海外案件カウントとしては、米国では最近話を聞かないが福利厚生のanyperkやようやく日本上陸を果たすと噂されるSpotify、ゲイのAirbnbであるMisterbnb、インドでは生鮮マーケットプレイス&デリバリーのFreshToHome、リワード広告のPokktあたりが期待の投資先だという。Spotifyの未上場ラウンドの株主に日本人がいるって、驚きですよね。。

何気にcrunch baseに登録がありますね。もっと情報充実して欲しいですねw

木村新司氏による、3つの投資基準

ハイリターン銘柄にシード、アーリーで張っている木村氏ですが、最後にもう少し踏み込んだ話を。投資基準について伺いました。

①:人を殺しそうな目をしているか

これはUmeki Salonでも度々話題になる話です。起業家たるもの、会社を守るため、事業を伸ばすためには、時として競合を潰したり、取引先に不利な条件を飲んでもらったり、社内ではリストラしたりなど、刺し違えなければならない場面もあるかと思います。

そこで、人に飲み込まれるのではなく、いざとなれば刺しに行くことも厭わない。事業の成功のためなら、なんでもやるような狂気があるか。これを一言に凝縮した話が「人を殺しそうな目」なのだと思います。たしかに木村氏の投資先企業は殺気立ってそうなCEO(國光さん、福島さん、仲さん、加納さん、瀧口さん、たしかに…w)が多いかもしれませんし、社外取締役に就任されているクラウドワークスの吉田さんなど説明不要ですらあります。

②:クリエイティブか

何か解決すべき課題を発見し、その解決方法やアプローチが普通ではなく、創意工夫に富んでいるか。アプローチがクリエイティブだった結果、課題を解決できた。ということはありそうで、そういうことを指しているのではないかと思う。

起業家であればすでに存在する事業ではなく、少し違った角度からその市場に参入するはずで、案外クリエイティビティのある人は少なくない気はするのだが、逆にクリエイティビティが突き抜けているレベルも、多くはない気がする。

③:本質論者か

物事の表面的な面だけではなく、本質まで見抜けるか。事業を通して解決する課題が本質的か否か、大した本質的ではない表面をなぞっただけの課題解決のようなサービスは少なくありません。起業家がそういう本質までみ向けるタイプかどうかを、見極めているようです。

以上です。木村氏の投資額自体は海外案件を累計するとわかりかねますが、10億にはとどかないように思えます。シードやアーリーのファンド規模より少し少ない程度です。しかしながら、リターンはGunosyの残り保有分を除き、今回詳細にお届けした5案件だけでも100億に届くポテンシャルがあり、Spotifyなどでどれだけ伸ばしてくるのかと考えると、末恐ろしいです。下手なアーリーファンドより、リターンが良いことは、確実でしょう。

シードアーリーはご存知ながら当たれば大きいですが、ヒット確率10%程度で見込み、ばら撒くというのが普通のやり方ですが、木村氏のヒット率はまるでレイターステージでのプレイ(レイターでのヒット確率は50%程度と見込む)を彷彿とさせます。アーリーなので張っている金額は低い分、ヒット率が高いとリターン倍率がかなり大きくなります。

私も一件だけ木村氏に案件を持って行ったことがありますが「人を殺しそうな目をしていて、いいね」と氏に言わしめたCEOであり、おそらくその案件はIPOまでいくのではないかと、私は踏んでいます。



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