プロダクト名を主題歌に埋め込む、ペイモ型マーケティングの可能性

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anypayの新作である割り勘アプリ「ペイモ」が1月19日木曜にリリースされたようです。

私のFacebookやtwitterのタイムラインではペイモをよく見かけ、招待コードを使って私もログインしてみました。割り勘するタイミングがないほど人と会っていないので、まだ実際に割り勘はしていませんが、ペイモのローンチで感じたのが、プロモーションビデオに「ペイモの歌があるのがすげえ。しかも今風だし」ということでした。

ぜひ「音あり」でご覧ください。

この手のPVって、いくらお世話になっている人がやっているプロダクトだからといっても、普通最後まで視聴できないんですよ。ふーんで離脱する。しかし、このPVは面白くて最後まで見ました。この3分に利用シーンを様々入れて、しかもかなり絵的にスタイリッシュ。聞けば「PARTY」の制作とのこと(制作費高そう)

音楽とバイラルは親和性が高く、マーケ施策として有効

この動画の短い版をグルグル回していくことが、プロモーションの一つとして有効に機能しそうな気がしました。

TVCMで冒頭や最後に「メルカリッ♫」的な耳覚えの良いトーンでプロダクト名を連呼するクリエイティブは結構あるのでしょうが「ペイモの歌」レベルまで落とし込んで来るところはあまりみたことがなく。

「ユーザーに勝手に歌われるプロダクトの歌ができれば」そのプロダクトはバイラル係数がグッと上がり、グロース確度が上がる可能性が極めて高く、「プロダクトの歌を作るのって、マーケティング戦略として、非常に理に適っているな」と感じました。「音楽のバイラル性」はPPAPで十分に証明されています。

強いていうならば、サビがもっとキャッチーだといいなと。「ぼくも〜きみも〜ペイモ」は頭に残るフレーズ&メロディーなんですが。

私がペイモのマーケターなら、さらに踏み込んでCGM型の真似しやすい音楽&ダンスの仕掛けを考えるかもなと、ペイモのPVをみて感じました。

決済は非常に地味ですし、インフラなので消費財的プロダクトといえますよね。プロダクト自体での差別化が難しいため、ゆえにマーケティング勝負になりがちだと思います。

いかにスマホアプリ「ペイモ」を使った割り勘がクールか!ということを訴求し、割り勘文化を定着させる。それがペイモの第一ステージでの狙いかと思います。

プロダクト名を主題歌にしたマーケティングを核にしつつも、利用シーンをもっとグサグサと訴求していくマーケティングと相性が良いと思うんですよね。たとえば、私が手がける、東京カレンダーWEBとかと。

東カレWEBドラマ「新司の割り勘ラブストーリー」

中目黒のコンサルティング・ファームに勤める、新司。

東大卒でイケメン、高年収な彼にアプローチしてくる女は、常に絶えない。

そんな状況を自覚していた彼は、食事会やデートで、“あるテスト”を試していた。

そう、彼のテストとは、“割り勘”。

会計時にペイモでの割り勘を提案した時、どんなリアクションをする女なのかー

割り勘を通じた新司の様々なラブストーリーが、港区に一石を投じる…!

続きは東カレWEBで!新司さん、ご発注お待ちしております!

どうですか?続き、読みたくないですか?

ペイモでの割り勘後に「あの男、高年収のはずなのに割り勘だなんてサイテー」と言ってくる港区女子の話や、「港区おじさん」同士での会合時も、誰がおごるか気にせず、ペイモで綺麗に割り勘できる話とかが出てくるのではないでしょうか。

割り勘を合コン相手に要求した際の気まずい空気で、「いや俺、夢を孵化させる仕事してるから、案外お金なくてさ」と言い訳する新司(もちろん、金は実際にはある)とか、マニアックすぎてPVが見込めないネタもあるかもしれません。

実際に最近港区女子から「三◯商事と合コンしたら、翌日3,000円の請求と振込口座がLINEで送られてきた(あり得ない!)」という愚痴を聞いたばかりです。お会計問題は、東カレWEBの十八番。実際にPVも結構取れます。お会計じゃなくとも、「生活費問題」とか鉄板の人気コンテンツです。

実際にいい男と付き合いたければ、割り勘も辞さないくらいな価値観の流れが、今後あってもいいのではないかと思います。割り勘やお会計で文句をいう女は、大抵自らの価値を過大評価しており、valuationが割高です。割り勘でいいよといえる女性こそが、ポジショントークでもなんでもなく、結婚に近い女性といえると思います。

それなりの高年収の男であっても、“金がかかる女”を意図的に好む男は少数派です。(ちなみに私はその少数派であると自覚していましたが、「固定費がマジで高そうな相手」だとひよった実績があります)特に結婚後は妻が専業主婦化すると固定費になるため、「若さと引き換えに減少する美しさの割に、固定費が高い女」は「付き合うにはいいけど、結婚はちょっと」となりやすいんですね。なので売れ残る港区女子が大量にいるという現象が起きるわけです。

新司の割り勘ラブストーリー(仮)、楽しみですね。読みたい人はぜひ記事をtwitterやNewsPicksでシェアしてみてください。反響が多いと、ご発注いただけるかもしれません。

ぼくも〜
きみも〜
ペイモ〜♫

私の招待コードはこちら。【PNNCDGP】
ダウンロードはこちら

(1.21土13時)補足しておくと、実はanypay CEOの木村さんは本誌では「人を殺しそうな目が好物」な投資家や、名言を放つ経営者としての側面を皆さんご存知かと思うのですが、2014年3月にグノシーがウルトラマンTVCMを打ち始めた際の陣頭指揮をとっていらっしゃったと思われます。

当時、未上場企業がTVCMをやることは極めて異例でしたが、その後多くのスタートアップ(具体的には10億以上調達している企業)がTVCMを打っていきましたが、その流れを作ったのは、グノシーであったという見方も歴史的にはできます。

木村さんとクリエイティブについての会話をあまりした記憶はなく、どこからペイモの歌の提案があったかはわかりませんが、それをGOできる(言い換えると目新しくとも効果が見込めると判断すればアクセル踏める)クリエイティブのセンスも、お持ちな方なのだと思います。つくつぐ、バランスの良いベジータ、いや、スーパーサイヤ人ですね。

最後に対抗して、お蔵に入りにした「梅木雄平のPOISON」も貼っておきます。約3年前に作った、プレゼン資料です。当時、半日だけTheStartupの記事下でも公開されました。「面白さ」という観点では、ペイモのPVに負けてないと思うんだけどな〜(勝負するところじゃないですね)



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