日本酒のSAKE LIFEにみる定期購入サイト成功の方程式の解の1つは『コミュニティ』

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昨日、日本酒の定期購入サイトであるSAKE LIFECampfireに登場し、一瞬で目標金額を達成した。本誌では先日のブロガソンで、モノの定期購入市場には注目していないとの見解を発表したばかり。ただ、モノの定期購入市場にもパターンがある。少数で運営すればそれなりの規模で継続可能なモデルのパターンの仮説を立てたので、本稿で紹介する。(サービスを財とした方がスケールするという考え方に変わりはない)

本稿執筆にあたり、定期購入サイトの事例を調べるために、2012年注目の人気定期購入サービスの特徴と新たな兆候 を参考にさせていただいた。

ニッチな趣向品に絞ることでテイストグラフが形成される

まずは財(プロダクト)の視点。 参照記事を拝見したり、ニュースで目にするものを鑑みると、「趣向品」と「コモディティ」の2種類に大別される。今回取り上げたSAKE LIFEは日本酒という趣向品を扱っており、一方では男性の下着というコモディティを扱うサイトもある。

定期購入サイトは通常の総合型やセレクトショップ型ECよりも最初から財を絞っている場合が多い。その中でもニッチな趣向品に絞ることで、そこにそれなりの人が集まればテイストグラフが形成されるといえる。SAKE LIFEは数百人の「日本酒に興味がある人」を資産に持てる。

情報共有のメリットがある財がコミュニティを醸成しやすい

モノの購入にあたり、情報共有のメリットが大きい財と少ない財がある。日本酒は奥深い嗜好の世界であり、詳しい人から日本酒の情報を共有してもらいたいという欲求はあるであろう。(ワインなども同様)

一方で、パンツなどの下着もたしかに履き心地などの情報共有はあってもいいだろうが、そこまで奥深い話にはならず、ワンショットの情報交換で済み、継続性はあまりないように思われる。洋服も情報共有の価値がないとはいわないが、情報共有しても同じものを買いたいとはあまり思わないのではないだろうか(特に知り合い同士だと被りたくないどかで)

よってこの点では飲食は情報共有のメリットが大きいといえるであろう。情報共有を元にしたコミュニティが醸成されやすい財の性質がある。

定期購入サイト成功の方程式の1つは『コミュニティの醸成 』

定期購入サイトはECであるわけだが、通常の1商品1回の買い切り型ではなく、継続購入が前提となるモデルである。このモデルを上手くいかせば、事業者側からはお客さんの顔が見え、お客さんからは事業者に親しみを持ってもらいやすくなる。この温度感をいかに演出できるかが付加価値となり、差別化や高いリピート率、口コミによる新規会員獲得に影響を及ぼすであろう。

その一つのわかりやすい形となるのがO2Oだ。SAKE LIFEでは会員限定の試飲会を企画しているという。日本酒に興味のある人が数十人集まる会となり、日本酒談義に花を咲かせる場となることは間違いない。そこで出会った人たちが分科会として「美味しい日本酒を飲みに行く会」などを企画すると、日本酒を軸とした新たなコミュニティが自転し始める。

O2Oを軸としたコンテンツ施策でファンを形成

O2Oでのコミュニティ形成に成功しているのがRettyだ。Retty Nightというヘビーユーザー限定のオフ会から、各自の食の趣味に適した分科会が発生しており(都内で餃子を巡るコミュニティなど)こうしたコミュニティはサイトに強力なロイヤリティをもたらし、ファンを形成する。
SAKE LIFEもRettyも「飲食」が起点であり情報をシェアするメリットが大きいため、 コミュニティが形成されやすいというメリットがある。

O2Oは一つの強力な武器となるが、通常時もメルマガなどの発行のみならず、CGM的な施策を用意し(ユーザーにお気に入りの日本酒を紹介してもらうなど)独自のグループ機能(FBグループになってしまっても、ないよりはマシであろう)での交流などでコミュニティを温められれば定着率は高まるであろう。

O2Oを軸としたコンテンツ施策でユーザーロイヤリティを上げて、コミュニティを醸成できる定期購入サイトは、それなりに安定した収益をもたらすであろう。この条件が揃うSAKE LIFEの今後に期待したい。

まだまだCampfireでパトロン募集中だ。僕はお酒が飲めないので控えますがw 日本酒好き、もしくは詳しくなりたい!という方はぜひ。日本酒が全くダメだった僕でも、SAKE LIFEの日本酒を飲んではじめて日本酒が美味いと思えました。(ステマでもなんでもなく本音です)



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