ネット上場企業の時価総額を月次で定点観測する「TheStartup40」を開始

Pocket


定点観測すると全体のトレンドをよく把握できるのではないかと思い、インターネット上場企業を5つのセクターに分け、毎月月初を目安に時価総額の推移を定点観測する「TheStartup40」のコーナーを開始します。

2015.2.3に上場企業の妥当なPERとは?という記事のデータからの推移を比較するとちょうど半年とわかりやすくて良いので、初回は2015.2.3と2015.8.4の推移比較から始めます。データをもとに、軽い訂正コメントを添えて。このコーナーでは個別企業の踏み込んだ業績分析や投資判断はさほど挟まず、あくまでデータジャーナリズムとしてお送りします。

銘柄選定はTheStartupの独断で今後高い成長性が見込みうる企業群に厳選しています。この企業群に入っていない企業は、TheStartupとしては関心がないというメッセージとなります。

☆日経平均
2015.2.3:約17,500円
2015.8.4:20,520円

日経平均は約17%の伸びですから、各社業績不振がなければ連動してその程度は伸びているものかと。

*下記の各数字の単位は億円

インターネット企業 時価総額冒頭に今回のトピックスを。各トピックスの詳細は記事内にて。

・スタートトゥデイの時価総額が4,720億でネットセクター全体の5位
・エムスリーがもうすぐ時価総額1兆円
・クックパッド、ネクストがかなりの伸び
・DeNAが任天堂資本業務提携効果で回復
・KLabがラブライブで元気
・セプテーニなぜか元気
・イグニスは5月に下方修正したはずがゲームのヒットで株価を戻す

メディアセクター10社:クックパッドとネクストが大幅伸

ジャンル 2015.2.3 2015.8.4 増減
Yahoo! ポータル 23,000 31,265 8,265
エムスリー 医療 6,713 9,633 2,920
カカクコム 家電・グルメ 3,650 4,497 847
サイバーエージェ ブログなど 2,800 3,350 550
クックパッド レシピ 1,550 2,819 1,269
ネクスト 不動産 578 1,205 627
ぐるなび グルメ 883 1,094 211
エスエムエス 医療求人 468 744 276
一休 宿泊予約 431 778 347
じげん バーティカル 358 393 35

メディアセクターは全て半年前から時価総額がプラスに転じるという結果となりました。中でも高い伸び率を示したのがネクストの202%とクックパッドの182%となりました、一休も181%と高い伸び。

ネクストに関しては株価が2倍強です。個別分析してみる価値がありそう。

ゲームセクター9社:明暗分かれるが、DeNAが伸びる

2015.2.3 2015.8.4 増減
ネクソン 4,937 7,322 2,385
mixi 3,750 4,374 624
ガンホー 5,180 4,252 -928
DeNA 2,200 3,867 1,667
コロプラ 3,240 2,833 -407
GREE 1,700 1,769 69
KLab 426 759 333
エイミング 532
gumi 760 447 -313

本誌ではボラティリティの高さと、筆者がゲーマーではないのでプロダクトがわからないため触れないゲームセクター。データと軽い訂正コメントのみ紹介。

伸びたのはKLab178%、DeNA176%、ネクソン148%。KLabはラブライブが当たっているのか?DeNAは任天堂との資本業務提携がここ半年の大きなハイライトでした。

下がったのはgumi59%、ガンホー82%、コロプラ87%で、gumiはともかく、ガンホーとコロプラは今までが相当株価が高いレンジだったのではないかと思われますし、ゲームのヒット自体も落ち着いてきた印象で、市場からの期待値が下がっているのでしょう。

EC・コンテンツ・他6社:ZOZOがいつの間にか5,000億?

ジャンル 2015.2.3 2015.8.4 増減
楽天 ポータルEC 21,000 29,493 8,493
スタートトゥデイ アパレルEC 2,830 4,720 1,890
GMO インフラ 1,170 2,535 1,365
GMOPG 決済 718 1,513 795
角川ドワンゴ コンテンツ 1,251 1,030 -221
デジタルガレージ 決済マーケ 785 837 52

コマース単独でセクター分けするには銘柄数が少ないため、コンテンツやインフラ系と合算のセクターとしました。

GMOがGMOPGとともに絶好調で両社200%以上の株価の伸び。スタートトゥデイも好調で167%の伸び。時価総額も4,720億で、これはmixiやサイバーエージェント、カカクコムを上回るレベルで、今回の集計時点ではyahoo、楽天、エムスリー、ネクソンに注ぐ5位の時価総額となりました。ネクソン以外のすべてのゲーム企業より時価総額高いとは。ここ1年で約2.5倍。2015年3月期は営業利益150億出しています。

広告セクター5社:セプテーニが伸びている!

ジャンル 2015.2.3 2015.8.4 増減
ファンコミ ネットワーク 1,018 683 -335
ユナイテッド スマホRTB 378 433 55
セプテーニ 代理店 307 492 185
アドウェイズ ネットワーク 447 397 -50
オプト 代理店 212 200 -12

もっとも魅力がないセクターなのですが。リワード市場が叩かれていることもあり、アドネットワークも悪印象なのか、ファンコミやアドウェイズが下げています。

一方で、セプテーニが164%と大きな伸び。期末の営業利益予想が27億で現在のPERは18倍。よく決算説明資料を読み込む必要はありますが、オプトよりは調子が良いのでしょうか。

新興セクター10社:時価総額500億の壁を越えるのはどこ

ジャンル 2015.2.3 2015.8.4 増減
グノシー キュレーション 322
イグニス 無料アプリ 280 286 6
エニグモ アパレルC2C 206 268 62
Voyage スマホRTB 161 236 75
イトクロ 教育メディア 217
弁護士ドットコム 法律メディア 163 175 12
カヤック ゲーム 106 168 62
リブセンス アルバイト求人 200 160 -40
クラウドワークス クラウドソーシング 170 152 -18
フリークアウト DSP 184 118 -66

ここ2年ほどのIPO銘柄を中心に、その中でも将来的に時価総額500億を超えそうな銘柄を厳選(ゲーム銘柄であるgumiとエイミングは既に500億前後のレンジのため、ゲームセクターに分類)。この中にはリブセンス、イグニス、フリークアウトなど既に500億越えを経験している企業群も。

イグニスに関しては下方修正を2015.5月に出したにも関わらず、直近ではゲームがヒットの兆しで、株価を戻してきています。イグニスに関しては黒い取引の噂を数多く聞いており、明るみになった際にはどうなることやら。

伸びた企業はカヤックの158%、Voyageの147%、エニグモの130%あたり。カヤックに関しては上場時には成長性が微妙なので売り推奨を出しましたが、外してしまいましたね。公募時42億で上場後半年以上経って168億は、IPO銘柄らしからぬ堅調さを示しています。なぜ株価が上がっているのか。業績と関係なく、企業として人気なのが要因な気がします。

エニグモに関しては、2015年初に投資判断buyとして300億近くまで伸びると読みましたが、近い推移となっています。今後の利益額的にはグノシーあたりが時価総額500億越えにもっとも近そうな感じです。

この新興セクターには次回からメタップスも記載します。

以上です。

このコーナーが続くか否かは、読者の皆様の関心度合いにかかっておりますwので、清き「いいね!」なり「ツイート」なり「ピック」のほど、宜しくお願い致します。



Pocket

コメントを投稿する

「ネット上場企業の時価総額を月次で定点観測する「TheStartup40」を開始」に対してのコメントをどうぞ!