追記:IPO銘柄カウントとなっていなかった、メンバーズとシフト、ウルシステムズ、ブレインパッド、HameeをIPO銘柄の欄に移動しました。また、プレIPO予想に関してスローガン代表取締役伊藤豊氏からコメントが入りました。
本誌をご覧であろうスタートアップ企業が多数利用している、新卒をベンチャー企業へ送り込む就職情報サイト「Goodfind」。実は筆者は利用ユーザーの一期生であり「大企業なんてクソだ」という教育をスローガンから施されました。
このGoodfindですが「厳選企業リスト」があり、そこにはベンチャー企業を中心とした92社が掲載されています。そこにはプレIPO銘柄やIPO前から付き合いがありそうな銘柄も多数あり、新卒学生にとっては「文字通りGood find!」な場になっているかもしれないと感じました。
92社全て目視で確認しましたが、半分近くは知らない企業で勉強不足を痛感しました。新卒を採用するということは少なくとも短期でのM&AではなくIPO路線の企業が多いという証拠ではないでしょうか。スタートアップメディアには登場しない、隠れた優良企業があるかもしれません。92社を5パターンに分類して掲載企業を紹介します。
ここ数年のIPO銘柄16社&プレIPO銘柄11社?=合計27社
まずはIPO銘柄を下記に列挙。ここ数年で発表されている企業群です。
イトクロ |
グノシー |
じげん |
リブセンス |
モルフォ |
オークファン |
ブイキューブ |
エイチーム |
クラウドワークス |
アライドアーキテクツ |
アイスタイル |
ウルシステムズ |
ブレインパッド |
Hamee |
メンバーズ |
シフト |
本誌読者ならだいたいジャンル知ってますよねということで、ジャンル省きました。下記は本誌予測のプレIPO案件。
アカツキ | ゲーム |
ヴォラーレ | メディア |
PR TIMES | メディア |
Sansan | 名刺 |
ユーザベース | メディア |
リタリコ | 障害関連 |
ビズリーチ | 人材 |
Speee | メディア |
ネットマーケティング | マッチング |
オロ | ERP |
アイアンドシークルーズ | 太陽光 |
この中には二桁億円の営業利益が既にでている企業もありそう。プレIPO判定の企業群は今年来年のIPOがありそうなところから、直近はないけどそのうち確実にIPOしそうな企業群としました。
古豪?懐かしの企業8社
プレIPO予測とならなかったものの、よく名前は(特にGoodfind上で)よく見かけたよなという企業群です。
ウィルゲート | SEO |
アルー | 人材 |
ファインドスター | マーケ |
ビービット | データ |
レバレジーズ | 人材 |
Fringe81 | アドテク |
ユーザーローカル | データ |
ネットプロクテションズ | 決済 |
上の5社はよく名前を聞いたけど、伸びてるのかちょっと懐疑的。ストレートにいうと、オワコン感すら漂うのは否めないというのが本誌判断です。あ、自分の学生時代ビービットとか少し人気あったな。的な。
下の3社はFringe81とユーザーローカルは2015年に入った億単位調達を発表。ネットプロテクションズはかなり昔にCAVが投資しています。
コンサル関連8社、マーケ関連企業6社、システム関連3社
以下が筆者があまり馴染みがなかった企業群です。まずはコンサル関連。
MCI | コンサル:マーケ |
フィードフォース | コンサル:マーケ |
コムニコ | コンサル:マーケ |
セルム | コンサル:人材 |
エル・ティー・エス | コンサル:戦略 |
レノバ | コンサル:環境 |
リレーションズ | コンサル:コスト |
ヴァリューズ | コンサル:データ |
唯一、フィードフォースは知ってました。ブログがたまにバズってる会社という印象です。コンサル事業を中心とした企業はIPOはあまりなさそう。続いてマーケティング関連。
メディックス | デジタル |
デジタルアイデンティティ | デジタル |
ディマージシェア | アドテク開発 |
ECマーケティング | 戦略 |
イノベーション | ツール? |
フュージョン | データ |
1社も知りませんでした。代理店業的なとこもありそうですが、ツール提供やデータ分析がサービスの企業もあるようです。続いてシステム関連。
シャノン | CRM |
エスキュービズム | システムと農業 |
ドリーム・アーツ | データ |
エスキュービズムは2012年のトーマツFast50の記事で紹介しているので、それなりの売上規模なのでしょう。
コンサル・マーケ・システム領域は「ふーん」という感じです。本誌が追いたい(IPOポテンシャルのある)企業群ではないですね。
ユニークな領域12社
あまり被りがなくユニークと思われた企業群です。
フィッツコーポレーション | メーカー:商社グローバル |
ネイチャーラボ | メーカー:消費財 |
アイソルート | ビジネスコミュニケーション |
ねこじゃらし | クラウドストレージ |
47 | 仲介:オフィス |
カービュー | 仲介:中古車 |
カジタク | 仲介:家事 |
アイペット損害保険 | ペット保険 |
キャンサースキャン | 予防医療 |
ポリゴンマジック | コンテンツ? |
フォルシア | 検索 |
イシン | ベンチャー通信 |
カジタクのような家事支援系はスタートアップでもany+timesなどが出てきており最近競争が激化しています。個人的に気になったのは予防医療のキャンサースキャンとか。イシンは旧幕末でベンチャー通信の会社。よく考えると「幕末」って社名で「ベンチャー通信」ってすげえな。
The Startup注目の3社:地域創生、リノベ、南米
バリューマネジメント | 地域創生コンサル |
ハプティック | 不動産:リノベ |
アルム | 医療&知育@南米 |
92社もあるわけですが、この3社が今後面白いかもなと思いました。
バリューマネジメントは、「天空の城」城下町の再建、(今話題の)安藤忠雄建築の直営店舗化など地域創生案件を多数手がけており、コンサル企業など腐るほどある中で、うまく差別化できています。よく見ると1,000人以下の働きがいのある企業ランキングで2位のようです。ハンズオンでの支援もとあり、地域創生に興味がある人には最適なのではと。
ハプティックは不動産関連。リフォームを主軸としながらも、good roomという賃貸情報サイト?も手がけています。リフォームは何気に成長市場なのと、キャッシュポイントが明確なので集客さえできれば確実に売上があがる市場です。不動産スタートアップはまだまだ数は少ないながらに、ディスラプト仕切れていない分野なので、期待。
アルムは旧スキルアップジャパンで同社の子会社のスキルアップ・ビデオテクノロジーはオプトに22億で買収されていました。知らなかった。2010年くらいからGoodfind上でも人気が高まっていた企業な気がします。ここに入社した知り合いが南米に飛ばされていましたが、南米で医療や教育事業をやるというエリア選定が面白いなと思いました。USや東南アジアはよくありますが、南米を選択するスタートアップはほとんどいないので、それだけで可能性を感じます。
新卒はどういう軸でベンチャーを選ぶべきか?
92社の中には大企業もあり、個社紹介は一旦上記で終わりに。
マニアックな話題を提供する本誌でも、少ないながらに学生の読者がいるかとは思います。筆者が卒業した2009年と比べて、ベンチャーを就職先に選ぶことはさほど珍しくない時代になってきたでしょう。
ベンチャーへ新卒として就職するモチベーションとしては(煽られて)「早く成長したい!」とかがあるかと思います。「まだ大企業の研修で消耗したいの?」というのがスローガン社の口説き文句であったりもします。
筆者が考えるに新卒でベンチャーに就職は目的が明確(例:3年学んで起業したい)な場合にのみ有効かと思います。なんとなくベンチャー行くくらいなら大企業の研修で消耗したほうが中長期的な経済リターンは高そう。学生にとって「成長」はマジックワードであり、どこでも心がけ次第で成長はできるわけです。成長を求めてベンチャーというのは違うのではと。
ベンチャーに就職する目的が明確な学生は「裁量が高く実力主義(案外そうじゃないとこもある)」「ワーカーでなくきちんと戦力として見られていそうか」というところあたりを選ぶと良いのではと。大量採用をやる企業は、口では上手いことをいいますが、頭脳ではなく手数(ワーカー)が欲しいだけなこともあります。新卒に大きな期待をかけ戦力として育成する気がありそうか否か。社長直轄のポジションがあるとかはわかりやすいです。そういうとこがいいのではないかと。少数精鋭採用のとこのほうが、入社する側としては良いのではと。
以上です。ベンチャーじゃなくて大企業行ってから起業したほうが、中長期的に見ると良いのではないかと思う今日この頃です。サラリーマン偏差値が著しく低い筆者は、大企業に入社できなかったわけですけどね。
追記:スローガン伊藤氏「予測が甘いんじゃない?」
*記事を出したのが12:00頃、19:00頃の追記です。
本稿をご覧頂いたスローガン代表取締役伊藤豊氏からご連絡をいただき、一部IPO済み企業の訂正を記事に反映。本誌予測のプレIPO群11社以外の「プレIPO銘柄」を挙げていただきました。追加するとプレIPOで22社となります。
☆スローガン伊藤氏指摘のプレおよびIPO予備軍なんと11社!
Fringe81・ウィルゲート・ユーザーローカル・レノバ・デジタルアイデンティティ・イノベーション・シャノン・エスキュービズム・ねこじゃらし・アイペット損害保険・アルム
その他企業に関しての訂正的コメントは下記。
ビービットとレバレジーズ、ファインドスターは自己資本主義ですが、成長し続けています。特に、レバレジーズとファインドスターはともに年商100億円規模。ネットプロテクションズは今はオリックスが大株主ですが、IPO路線ではあります。
筆者がIPO予測を10社もこぼしましたが、情報量が違いすぎるので仕方ありませんと言い訳します。
IPO銘柄16社とプレIPO銘柄22社合わせるとIPO関連がなんと38社も!マジですか!リストの92社には本稿に記載しなかった大企業が約20社あります。それを鑑みると約70社のうち半分近くがIPO銘柄となる可能性が。しかも本誌でも全くノーマークな企業もプレIPOに含まれておりました。このリスト、宝の宝庫ですね。就活生のみならず、VC各社も押さえておいた方が良いでしょう。グロースヒューマンキャピタルのスローガンのヒット率、恐るべしです。
ちなみに、スローガンが「イマイチ」と思った企業は掲載をお断りしているそうで、Good findならぬ事業者のマネタイズのためのBad findはなさそうですね。
注:本稿はスローガンのネイティブアドではございません。