スタートアップのM&Aには実は回答がある

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今日はDeNAによる旅行キュレーションメディアFind Travelの買収発表がありました。買収価格は非公開ですが、3-5億円の間と本誌では勝手に推測しておきます。こういうM&Aのニュースが出る度に世間一般では「!」「驚き!」「高い」「(たまに)シーン・・・」といったリアクションがありますが、実はスタートアップのM&Aには回答があるんです。

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まず国内に関しては買い手のプレイヤーが決まっています。インターネット企業の上場後の成長戦略は基本的に3つです。

①:既存事業を伸ばす
②:社内で新規事業を伸ばす
③:M&Aで多角化して連結売上を伸ばす

明確に「M&A強化します!」と宣言してぶっこんでくるのはじげんとかですが、①や②の強化に繋がるのが結局M&Aで「時間や人を買う」というのがその時点での最適解であることも往々にしてあるわけです。

M&Aの回答:買い手が今後強化したいテーマとお財布状況

上場インターネット企業各社は今後数年で取り組みたいテーマがあり、そのテーマに合致したスタートアップを買収していきます。DeNAなど2014年10月にmeryとiemoを買収した際に「キュレーションプラットフォーム構想」というのを表明しているので、引き続きキュレーションメディアを買収していくというのはなんともわかりやすい回答であり、Find Travelを買収することになんのサプライズない。それだけ明快だということです。

mixiのチケットキャンプ115億円の買収という「ぐぬぬ・・高いな。よくそんな金あるな」という案件もありますが、モンストで得たキャッシュを新規事業に突っ込むという判断であれば、まあアリかもしれないとか、各社のお財布事情によって買収価格のキャップはある程度想定できてきます。

◆参考記事:主要上場インターネット企業現預金ランキングを見て売却シナリオを考えよう!

今後の案件としては、DeNAが子育て領域のキュレーションメディアを内製するといえば、GREEが意地になってママリを買収してくるかもしれないとか、想定される回答は何パターンかあるわけです。

この「買い手が強化したいテーマ」はDeNAのようにIR資料で「キュレーションプラットフォーム!押忍!」と開示されている場合もあれば、開示されていないこともあります。

VCの中にはM&Aするプレイヤー側と継続的なコミュニケーションを取って、ニーズを把握しているところとそうでないところがあります。各社のニーズがわかっていれば、その企業が欲しがりそうなところに投資をする。順当に成長すれば買収してもらう。そういうシナリオを描けるVCとそうでないVCではファンドリターンに大きな差が出てくるでしょう。

国内のスタートアップのM&Aには実はある程度の正解があるのです。過去実績からすると、アドテク系はKDDIなら20億前後買ってくれるんじゃないかとか、そういう感じです。

ただし、非ゲームM&Aはチケットキャンプみたいなのではない限りは15-20億円が相場のベースであることに違いはありません。20億円程度でのEXITではシリーズAで2-3億突っ込むGCPのようなVCには旨味が薄いため、インキュベイトファンドやB Dash Venturesのようなアーリーステージに張るプレイヤーが2-3倍のリターンを出してくるディールが今後増えるのではないかと本誌では予想します。

私も投資買収事業を手掛けているので、今年発表されたインターネット企業のM&Aも何件か検討させていただいたりしました。(実行には至らず)。M&A情報や経営者からの持ち込みは歓迎ですし、実は私から積極的にM&Aを仕掛けにいったりも水面下でやっています。



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