プロの動画が課金されるとは限らない。動画CGMの可能性 #bdc

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2015年4月9日10日はB Dash Camp 6thが福岡で開催されている。イベントレポートはもうログミーに勝てないと思い、あまり書くつもりがないのだが、今回は極力レポートを書いてみようと思う。記事の最後に#bdcと付けたものが今回のレポート記事だ。

本稿では動画ビジネスのざっくりしたトレンドと概要をお届けする。要約すると、プロによる動画コンテンツとCGMを上手く組み合わせて、広告モデルから始めてコンテンツボリュームがスケールすると課金すると収益的にスケールするサービスになるのではないかと筆者は思った。という話。

◆セッション:ついに本格化してきた動画ビジネス

◆パネラー(敬称略)
福山 誠 株式会社Donuts MixChannelプロデューサー
宮地洋州 株式会社スリーミニッツ 代表取締役社長
杉本誠司 株式会社ニワンゴ 代表取締役
◆モデレーター
佐藤裕介 株式会社フリークアウト COO

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スマホで動画投稿ハードルが下がり、MixChannelが爆発

最初に軽くサービス紹介を。

ニワンゴはニコニコ動画の運営で幅広く知られている。MixChannelは本誌でははじめて触れるが、ソーシャルゲームで知られるDonutsの新規事業として流行っている動画CGMだ。3Minuteに関しては女性モデル特化版YouTuberやInstagramerタレント事務所的な感じで知られており、LINEやB Dash Venturesから資金調達も実施している。

動画がようやく来る!という背景としてはスマホ普及が最大の要因であろう。SNSでシェアされる、簡単に投稿できるものがスマホ時代は増えた。スマホ以前のニコニコ動画やYouTubeでは、スマホ時代ほど手軽に動画をupできなかったため、動画の投稿量が相対的に少なかったといえる。

ニコニコ動画とMixChannelの違いはこんな感じだ。

スクリーンショット 2015-04-09 14.12.36そりゃそうだろという図である。MixChannelは「10秒動画コミュニティ」というタグラインである。ちなみに300万DLを越えているようで、詳しい情報はこちらの記事を見ると良いだろう。

◆引用:「恋人アリ60%、友だち100人以上」リア充な女子中高生が集まる動画アプリ「MixChannel」300万ダウンロードまでの道のり。

動画と写真でウケるコンテンツはかなり違う

一方で3ミニッツはCGMではなく女性モデルが出演する動画を作り込んでいる。YouTubeやInstagramでウケるコンテンツについて宮地氏はこう語る。

■YouTube

☆ウケるコンテンツ
・メイク動画(すっぴんから完成させるハウツー実況)

★ウケないコンテンツ
・洋服を見せるだけ
・雑誌ぽい感じ

■Instagram

☆ウケるコンテンツ
・洋服見せるだけ

3ミニッツはYouTuberをネットワーク化している、ゲスト出演した3ミニッツに所属するizuさんは「動画を作成する前にラフを書いて考えている」との話もあった。海外の人気YouTuberの動きも見て、研究しているという。

スクリーンショット 2015-04-09 13.50.27

MixChannelもCGMだが、人気ユーザーは6-7万人の購読者数を抱えるユーザーもいるようだ。人気動画(例:高校生のキス)は真似されることも多く、人気動画の類似投稿も増える構造にあるようだ。

ニコニコ動画だと、コミュニケーションが生まれる動画が人気になりやすいという話もあった。収益化の観点でみると、「コンテンツ課金」よりコミュニケーションによる「感情課金」というロジックなのかもしれない。

◆参考記事:WEBコンテンツには、論理ではなく感情で課金する

動画の収益モデル:広告から始めてスケール後に課金が王道

各社の収益モデルについて。200万人以上の有料会員を抱えるニコニコ動画から。

ニコニコ動画は「動画コンテンツビジネス」ではなく「コミュニティサービスとして動画をサブスクリプションで見れる」というものである。ユーザーがお財布を開く瞬間をよく考えた方がよい(杉本氏談)

MixChannelはプレミアム動画広告を発表し、広告を主軸に展開していく。10代のユーザーが多く抱えるメディアはあまりない。

ちなみにYouTubeもサブスクリプションモデルをYou Tube Music Key(日本では未提供)で月額9.99ドルで開始していたりと、ニコニコ動画のようにサブスクリプションも開始している。CGMは投稿ボリュームが相当にあれば月額課金が成立することは食べログやクックパッドなどのサービスも証明しており、動画の収益モデルの本丸は月額課金だと筆者は考えている。

MixChannelくらいの規模感であればまだ月額課金するほどのコンテンツボリュームではなく、まず広告から入るというのは賢明な判断であろう。その後、凄まじくスケールすれば月額課金に入るというのが、動画の収益モデルの王道なのかもしれない。

プロコンテンツだからといって課金されるとは限らない

セッション後半からはLINEの舛田氏も登壇し、プロコンテンツという論点の話もあった。要約するとこのような感じだ。

ネットフリックスのような「自社でコンテンツを作る」企業はグローバル展開しないと収支が合わない(舛田氏談)

プロコンテンツは課金に結びつくものが限定されている。ジャンルによっては全然課金されないこともある。視聴者が付かない課金されないプロコンテンツもあるし、視聴者が付いて課金されるCGMコンテンツもある(杉本氏談)

これは動画に限らず、テキストコンテンツのNewsPicksやcakesにも通じる話に思える。コンテンツを内製化するとCGMよりどうしても初期はコスト高になる。ネットフリックスのようなドラマを内製してグローバル展開すればコストを回収できるものの、日本に閉じた内製コンテンツだと、ひょっとすると厳しいかもしれない。

モデレーターの佐藤さんは3ミニッツのモデルと結婚とかしないだろうか。



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