ジャフコだぜ!回収だま〜しい!
ジャフコだぜ!上場も倒産も♬
ついに本誌にVC業界の真打ちジャフコ様が登場です。日本を代表するお祈り系VCとして名を轟かせる同社。規模は国内最大です。最近HPでポートフォリオを公開したこともあり、昔取材を断られましたので、好き勝手にジャフコ様特集を2回に分けてお届け致します。ジャフコ様はファンドサイズが大きすぎてファンドリターンを予測するのはほぼ不可能です。本稿ではまずインターネットセクター限定で上場済および上場観測がある銘柄をご紹介します。
筆者の中ではガッツだぜの歌詞が「ジャフコだぜ」に聞こえてしまい、そのテーマソングを脳内で流しながらリサーチ致しました。
ここ2年の上場企業、じげんとgumiは100億リターン!
*クリックすれば拡大できますので、細かい数字は是非クリックして読んでください。
まずは上場済み銘柄のリターン分析です。2012-2013年と2014年に分けました。厳密にはロックアップ掛かっていて初値で売れていないとかありますが、めんどくさいので基本的に公募で売出以外のものは公開後初値で全部売却したという仮定の下でリターン予想を出していきます。
■コロプラ:5億⇒20億?
最初はすっかり時価総額数千億円企業となったコロプラです。レイターステージでシレッと5億円入れていますね。この時のバリュエーションは100億程度とか言われていた気がする。実際に初値で全て売ったか知りませんが(その後保有し続けて少しずつ売った方がリターンは大きかったでしょうが)最低でも5億投資して20億程度のリターンにはなっています。
■アライドアーキテクツ:しょっぱい
次に小粒案件のアライドアーキテクツ。本誌でも上場承認時に売り推奨の記事を出しており、2014年12月11日時点での時価総額は50億円です。本件の出資額は推定であり、しかもジャフコ様は4つのファンドから出資。これは途中でJAICの分を株式譲渡で別のファンドで買い取っている可能性があると踏んでいます。リターン倍率はそれなりにありますが、上場して3億程度のリターンはジャフコ様にとってはしょっぱい案件だったでしょう。
■メディアドゥ:保有比率少なすぎ
またも小粒銘柄のメディアドゥ。メディアドゥ自体は伸びてそうですが、ジャフコ様のシェアがこれは低かったですね。出資日と出資額のデータは見当たらず、保有比率も1%前後と低く、リターンは雀の涙です。
■じげん:MBOスキームでの取得価格不明だが100億リターン!
最後がじげん。ジャフコ様のじげん株取得情報は目論見書を読んでもよくわからなかったのですが(MBO時にいくらで買ったのかよくわからない)とりあえずリターンだけは100億越えだったのではないかと思われます。じげんMBO時にジャフコとどういうスキームを組んだのかは、平尾さんにぜひコメントいただきたいところ。サロンでコメントもらいましょう。
続いて2014年銘柄の解説です。
■フリークアウト、メドピア:2億前後⇒20億前後
フリークアウトへはシリーズAで2億出資し、初値で全て売っていれば24億程度のリターンが出ています。メドピアは1.65億の出資で、これも初値で売っていれば売出と合わせて26億程度のリターン。100-300億ほどの上場の場合は、1-2億の出資が20億程度という安定的なリターンになりますね。これくらいのレンジの案件は今後ありそう。
■ロックオン、データセクション:数億円台のリターン
小粒案件としてロックオン。これは出資日と出資額がわかりませんが、大したシェアではないのでそんなにリターンにならない。12月に上場予定のデータセクションも小粒なため、初値初値予測を1.5倍くらいにしてみても5-6億程度のリターンです。
■gumi:悲願の100億越えリターン!!!
そんなジャフコ様にとっての2014年の悲願はgumiでしょう。gumiには2011年の年末に発表された20億出資と2014年夏のレイターステージのラウンドで出資。2011年のラウンドの10億出資は推定ですが(もう少し多いかも)ここで取得した株のほとんどを公開時点で売り出します。これだけでリターン100億です。
その後少し残った分を初値で売り、レイターステージラウンドの分は直近だったためロックアップが掛かっているとし、上場後の公開価格が半減して時価総額が500億円程度になるというワーストシナリオ時に売っても微々たるリターンは出ます。gumiで合計130億くらいのリターンになるのではないでしょうか。ジャフコ様は13.92%でgumiの筆頭株主です。そりゃ野村証券も必死で機関投資家に売り捌いてくれるでしょう。
2015年以降の上場見込みはグノシーなど6社
本誌独自調査により2015年以降の上場が有望視される銘柄を6社選定。
■グノシー:手堅く50億リターン?
まずグノシーは堅調に広告売上を積み、2015年の上場が期待されます。シリーズAでジャフコ様出資後、継続的に追加出資を積み重ね、それなりのシェアを確保していると予測。グノシーの時価総額予想は公開時300億と僕としてはコンサバに見ましたが、それでもジャフコ様は50億くらいのリターンを確保。
■エイミング:グミの影響を受けるか?100億リターンも夢じゃない?
続いてはグミに続くゲーム銘柄として期待がかかるエイミング。ジャフコ様以外にもインキュベイトファンドが最初に入っており、ポケラボ以来のインキュベイト会心の一撃リターンが見込める銘柄です。公開時時価総額予想は適当ですが、最近App Storeのランキング上位に上がってきています。500億くらいまでは付くポテンシャルあるかも。
■ロコンド:メディアからのウケも悪く、レイターで3倍程度のリターン?
よくネタにされるロコンド。Tech CrunchもThe Bridgeも一切触れないあたり、ネットメディア界隈での人気のなさを象徴しています。ロケットインターネット発の同社であるため資本政策が複雑過ぎですが、2015年上場観測説を耳にしています。ですが、本誌では売り推奨のバーティカルコマース銘柄であるため、値があまり付かず、既存投資家EXITのための上場と思われても仕方なさそうな気がします。
■フリル、ごちクル、ビズリーチ:そのうち上場あるかも?
4社目はフリル。これは直近銘柄ですので、僕の東洋経済オンライン取材記事をご覧下さい。TVCMが滑って獲得効率悪そうという話を耳にします。
5社目はごちクルのスターフェスティバル。アスクルとの大型資本提携を結んでいますね。上場の噂は耳にはしていませんが、そのうち上場できると思います。
最後はビズリーチ。ルクサの方がKDDIなどから大型調達を決めていますが、ビズリーチ事業自体は堅調に伸びてそう。これは一般ユーザーからではなく法人課金がワークしてそうですね。まあ100億くらいでの上場上ではないかなと。もう少し値がつくかな。
次回は回収できるか際どい案件特集?
以上の3つのエクセルをまとめると、上場済み銘柄では累計投資金額25-30億円に対して、350億円程度のリターン。上場予測銘柄では約50億円の出資に対して約230億のリターン予測となりました。合計すると約80億の投資で約580億のリターン!!
さすが日本屈指のお祈り系ファンドです。コロプラやじげん、gumiのようなインターネット系の上場ではメガディール銘柄には必ず顔を出してくる点も見逃せません。今回のリターン予測の半分がじげんとgumiなわけですが、VC業は1勝9敗でペイするんだというのがよくわかります。。。
そんなジャフコ様のキラキラIPO特集でしたが、ジャフコ様といえども百発百中なわけがありません。気が向いたら次回は「回収できるか際どい案件特集」をお届けします。
それではテーマソングを聞きながらお別れしましょう。
ジャフコだぜ!回収だま〜しい!
ジャフコだぜ!上場も倒産も♬
「逆風を、追い風に。」ってコーポレートスローガンなんですが、きっとスタートアップが苦境な(逆風)な時に追い風(出資)になろうという意味だと思うんですが、ジャフコ様の回収事件の記事とかもありましたし、そうしたネガティブなイメージから自社を奮い立たせるようなスローガンにも見えてしまいました。
「生まれ変わるジャフコ」という表現もあるくらいですから、生まれ変わらなきゃいけない事情でもあるんでしょうか。。
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