思いのほか読まれたキュレーションメディアサミットのイベントレポートのバイラルメディア編。言葉の定義がどうとかいうコメントが散見されましたが、定義云々で文句を言ってる人々は賢ぶって思考停止しているだけです。思考停止している読者はThe Startupには不要。どうぞここで離脱してください。
後編ではキュレーションメディア特化の話で、iemo村田マリさんとAmebaCOCO金山亜衣さんの話にフォーカスします(「ゴミじゃないヨ」の渡辺さんはもう登場しません)
「雑誌のリプレイス」をメディア運営のゴールに据える
何を目的(ゴール)にしたメディアを始めたか。という質問から。
iemoはWAU(週間アクティブユーザー数)が主要KPIとのこと。
「キュレーションメディア」もバズワードですが、詰まるところ何らかのジャンルに特化した「バーティカルメディア」になっていけるか。
住宅情報メディアはSUVACOとかもありますが、筆者にはiemoの方が経営体制もコンテンツも全然有利に見えるし(村田さんは競合メディアはないとパネルでおっしゃってましたが)、雑誌の置き換えがスマホで最適化できてない分野にチャンスがあります。個人的には、FRIDAYっぽいゴシップキュレーションメディアとかも市場があると思うんだけどな。
キュレーションメディアは編集長ひつヨ
バイラルメディアに関してはオペレーション勝負となるため、編集長は不要と論じた村田さんですが、キュレーションメディアに関しては編集長が必要とのことです。
実際にiemoではAll Aboutのメディア編集統括を務めた徳島久輝氏を編集長に据える人事を発表したばかりである。
AmebaCOCO金山さんも編集長を置く必要性を認めながらも、サイバーエージェントが外部から編集長を登用するのは考えにくい。サイバーエージェントは「編集力」が足りないという記事も出ているが、自社の編集力についてどうお考えなのか。
キュレーションメディア、meryが大勝ちか?EXITは?
最後に。キュレーションメディア、どこが勝つと思いますか?という質問。
金山さんはスタートアップ界隈では有名なiQonの金山さんの妹。兄弟対決とは面白いですね。市場は丸被りはしないと思うので、むしろ提携するかもだけど。あとやはりmeryは意識しているそうで。meryはいつまでステルスを続けるのでしょうか、meryを運営する中川さんはThe Startupで「mery徹底解剖」をされる前に、取材を受けてくださいね。
付け加えると、キュレーションメディアの行く末は通信キャリアやポータル会社による買収であると村田さんはおっしゃっていました。
例えば、HOME’Sとかが自社に集客するためにSEOやリスティングで金をかける。iemoを買えばそこに定常的にトラフィックが集まるため、SEOやリスティングにかける費用よりiemoの買収コストが安ければ、買収は合理的といえます。
キュレーションメディアはwebならではの運用効くメディア
パネル紹介は以上。ここからは僕の見解です。そもそもここでいうキュレーションメディアって何なんだと。僕なりの定義を振り返りましょう。
コンテンツ生成方法が従来の取材などに基づく「純粋?な記事」のみならず、NAVERまとめのようなまとめ記事や、海外メディアなどの外部メディアからの引用を中心に構成する記事、などコンテンツポートフォリオが増え、まとめや引用であればオペレーションを突き詰めれば高額な外部ライターを雇う必要がなく、内製や果てはクラウドソーシング化でき、安く大量にコンテンツを生成し、その結果PVが伸びる。というメディア構造が2014年に入り顕在化し、注目を浴びてきています。
僕が1人で3年半、片手間で運営してきたとはいえ歴史あるThe StartupのPVですら一瞬で抜かれてしまうPVを獲得できるのが、大量に記事投稿をして数の論理で圧倒しようというキュレーションメディアなのです。各媒体によるでしょうが、1日15-30本出します。大手の日経や東洋経済と同等かそれ以上の本数。The Startupなんて1日0.7本くらいですから、数の論理でPVで負けるのは致し方ない。
■キュレーションメディアの拡大サイクル
1:とにかく数で勝負!
2:数打ちゃ何本か当たる!
3:当たった何本かで認知が上がっていく!
4:オラオラ、meryだぜ!(サイト名=ブランドワードでの検索流入がじわじわ上がる)
メディアは「認知」が生命線ともいえます。広く認知されるか、ターゲットとする市場での認知率を上げるか。The Startupでいえば、地方のおじいちゃんとかに知られている必要はないですが(ターゲットではないので)都内のIT業界の人の間での認知率を上げる必要があります。
数の論理は認知を短期で高めるには、やはり有効だと思う。数を出す打ちに、ターゲットに刺さるコンテンツの勘所を押さえ、PDCAを回す。供給量(雑誌でいえば、誌面といえます)が限定され、質にこだわり過ぎる紙の雑誌とアプローチが異なり、極めてweb的なアプローチです。とりあえず記事を出してABテストしてユーザーニーズを確認しつつ、コンテンツを最適化していく。
編集力も重要で、コンテンツの勘所がわかっている人を入れた方がいいでしょうが、案外運用力の方が重要な気がします。ファッション雑誌の編集者がmeryの編集者に適しているとは限らないでしょう。運用力の高い柔軟性ある人材がキュレーションメディアの編集者に適していると思います。ある種、コンテンツがわかるグロースハッカーであるべきでしょう。
キュレーションサミットのイベントレポートは以上としますが、「そもそも編集力ってなんだよ」という良い質問を受けたので、近々記事化します。イベントに参加した方がこのレポートを見ると、単なるイベントレポートではなく、だいぶ編集されていることにおそらく気づくでしょう。僕なりに編集力について、またの機会に考察します。
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