自社サービスを「燃やしてください」と言えますか?

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今年に入ってから大きく炎上した記憶はないのですが、スタートアップ業界ではThe Startupは「可燃系メディア」として紹介されることが少なくないようです。僕も過去の反省を踏まえ、大きくは燃えないような書き方を心得ようとしていますし、取り上げられるスタートアップの皆様も極力ネガティブな意味で燃えたくないでしょう。

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ところが。「どんどん燃やしてください」と仰る方がおりました。Gunosyの木村さんです。出会い頭のアイスブレイクにも聞こえましたが、本気にも聞こえました。

Gunosyといえば、たびたび燃えている気がします。レコメンド精度の問題、ウルトラマンCM前の大幅なリニューアルが僕の記憶にあります。後者に関しては、スマートニュース化したグノシー vs スマートニュースという記事を僕は出しました。

しかし、燃える度にグノシーの社内は活況だったようです。僕らのような色んな書き手が記事を書くことで、瞬間風速的に露出が増え、微力ながらユーザー獲得に貢献するからです。TVCMやアドネットワークでもCPIを必死にチューニングしているでしょうが、炎上によるメディア露出でのCPIはゼロ円。

僕はこの「CPIゼロ円」という旨味に対して、木村さんが「ぜひ燃やしてください」という気持ちが理解できた気がしました。普通の経営者は自社がネガティブなネタで認知が上がることは嫌がるでしょう。しかし、認知はないよりもあったほうがいい。話題になるに越したことはない。しかも無料。

iemoの村田マリさんも、この投稿を見ると結果的に萌えられてしまったようですが、むしろ燃やしてほしかったのではないかと心境を察することもできます。

スクリーンショット 2014-06-10 15.32.07だいぶ自由に執筆した結果はこちらです。

木村さんにしろ村田さんにしろ「燃えてもいいのでユーザー獲得を。無料だし!好きにしてYO!」という良い意味での割り切った器の大きい経営者マインドが伺えました。

「自分たちに都合のいい情報だけで認知を獲得したいとか思ってんじゃねえよ!こんちくしょう!!!」と日頃から思っていた僕としては痛快でした。ああ、燃やしていいんだと。今後僕に記事を書いてくれとアプローチしたい方は「燃やされるかもしれない」ことを前提にアプローチしてくださいね。しつこく言いますが、The Startupは広報誌じゃないんでね。

とはいえ自社サービスを炎上させてまで認知を取りに行くか否かは経営判断としては悩ましいでしょう。意図的に炎上を仕込む必要は無いのですが、結果的に燃えた時にそのメディアや記者に企業側はどう対応するかを考えておく必要がありますし、可燃性の高いメディアへの接触は避けるというのも一つの手です。

自社で持つサービスが単一なのかコングロマリットかによっても事情は異なるでしょう。単一サービスであれば燃えて認知を上げるのが良くても、他のサービスやコーポレートブランディングに傷が入ると危険。B2Bサービスの場合も顧客獲得の際のリスクが生じるでしょう。なので「燃やしてください」といえるのは単一サービスでB2Cの場合が言いやすい。と限られる可能性はあります。

企業側としてはメディアへのチャネル数を絞るのではなく、各々の特性に応じた上手い使い方があると思いますし、各メディアを使いこなせた方が機会が増えるので、「可燃性メディアは避ける」という選択はむしろ怠慢だと思います。スタートアップの広報担当でThe Startupにまだ接触していないあなたは、職務怠慢なのです。僕のことが嫌いとか接触の仕方が難しいとかで、避けるのは都合の良い言い訳。僕に追い返されようが、接触を試みるのが広報の仕事のはずでしょう。潜在的な露出機会を失っているのです。

木村さん、村田さんに代表される「自社サービスを燃やしてください」と言えるか否かは一つの踏み絵になるなと思い、紹介してみました。認知を取るか、保守的なブランディングを取るか。その経営者の思想が垣間見えるでしょう。僕も狙っているわけではなく、結果的に燃えるだけですけどね。

燃えてもいいので認知を上げたい人はとりあえず僕に接触することをお勧めします。サービスやネタがイケてないと思えば当然弾きますが、無礼な接触の仕方さえしなければ僕は悪い対応は取らないはずです。

木村さん、村田さんに代表される「燃やしてくれ」という方々のサービスは、伝家の宝刀・ポジショニングマップでガンガン燃やしにいきますよ。そうして彼らのユーザー獲得に貢献できれば良いと思っています。The Startupのブランディングを毀損しない範囲内でね。

メディア論は併せてこの辺もご覧下さい。

Gunosy木村さんも参加する、会員数261名突破のUmeki Salon
内容の参考:Gunosy木村氏の降臨、野村證券の近未来的なIPO時価格算定方法など

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