オウンドメディアが昨年からバズワード化する中、オウンドメディア関連事業を手掛ける企業がいくつか出てきました。オウンドメディアは無理ゲーであり、カスタムメディアに活路を見出したいという論を最近唱えました。
オウンドメディアを作りたくても、コンテンツを作れる人が社内にいないことが多い。それならば外注しようということで、オウンドメディア運営を受託する企業がいくつかあります。(念のため、僕が寄稿していたサムライトではありません)
僕が知っている限り、2社ありまして実名は今回は出しませんが、ムムッと思ったので事例を紹介します。基本的にコンテンツマーケティング企業の構造はこんな感じです。
ここ数日「中抜き」的な記事がバズっていますが、構造は似ています。(一次受けが単なる中抜きか否かの議論は今回は論点ではないので省きます)まずコンテンツマーケ企業のA社やB社がクライアント企業から「オウンドメディア作って記事書いて」と依頼を受けます。コンテンツマーケ企業は自社のリソースだけでメディア構築と運用をする場合もありますが、手が足りなくなってきます。そこで、自社でクラウドソーシング的なライターネットワークを構築します。
A社について聞いた評判としては、コンテンツをA社で内製すればまずまずの質のコンテンツが上がってくるが、単価は高い。だが、クラウドソーシングされると単価は下がるがだいぶ質が下がる。こんなジレンマがあるようです。オウンドメディアの記事がつまらない原因は、クラウドソーシングで安価に大量生産されるコンテンツの比率が高いからだといえるでしょう。
そんな1記事数百円とかで作ったコンテンツの大半は面白くないでしょうし、オリジナリティを出すのは難しいはずです。こうしたゴミコンテンツ量産の場となっているのが、コンテンツマーケティング事業となってしまっているのではないか。ディレクション上手ければ、低単価でも面白い記事を作れるかもしれませんが。
B社は僕も試しにライターネットワークに登録しました。ポートフォリオを持って面接まで行ったので、力量は把握していたはずです。それで来た案件は1記事300〜500文字で1,000円という案件でした。1記事15分で書けそうな内容で、主婦の内職には良いかもしれません。そういうプラットフォームであれば納得ですし、そうであれば単価感も納得です。
しかし、面接でポートフォリオまで持っていって、一応物書きとして生計を立てている僕としては、こういった案件を依頼されるのは如何なものかと思いました。ごく控えめに言うと「ふざけんなよ」と思ったんですよね。
昨日良質なトラフィックという記事を出しましたが、数百円で記事を量産させ、PVの嵩を集めることで、マーケティングゴールが達成できると考えているのでしょうか。B2Cはそれで成り立つところもあるかもしれないし、クラウドソーシングのライティングの単価が安かろうが、受け手がいるということは、需給はマッチしていてビジネスとして成立しているのだろう。
しかし、クラウドソーシングで量産された記事で埋め尽くされたメディアはサステイナブルなのか?クラウドソーシング記事「だけ」では面白くないだろうし、記事の仕入れ先のポートフォリオを組んで、面白いメディアを作ることが重要で、今「面白いオウンドメディア」というのは片手で数える程度だろう。
クラウドソーシング記事量産によるつまらないオウンドメディア増加で、編集力のある人材がより際立つにようになった。
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