脱PV至上主義が叫ばれそうなご時勢ですが、定量的な指標であるPVやソーシャルバズ数は可視化できるので便利ではある。しかし、その数値にばかり目がいくとミスブランディングで数字が上がっていても「やった!PV上がったぜ!」と喜んでしまうこともあるという滑稽なことになる。
1PVの価値は読者が誰であっても(ほぼ)等しい。1PVは1PVだ。という時代もあった。本質的には、特に2014年現代においては1PVは等価値ではない。堀江さんや田端さんによる1PVとフォロー数が10人未満のtwitterやはてな村の匿名ゴミアカウントの1PVは等価ではない。インフルエンサーの1PVにはそこからシェアで何万人へと露出の機会を獲得する1PVであり、重みが違う。だからこそ僕はSearch Tabatta Optimizationなどの技術を意図的に仕掛けるのだ。
インフルエンサーと一般人のPVが等価ではないことを踏まえて、トラフィックの質を定量化するとこんな式が良いのではないか。
■トラフィックの質の算出式
PV×読者のKloutスコア×記事に対する反応(ポジ・ネガ)
ポジティブかネガティブかで±の係数が掛かる。インフルエンサーが読んでもマイナスの印象を与えてしまえば、それは良質なトラフィックとは判断できない。実際やるとすると相当面倒ではあり、実現可能性は低いかもしれない。記事をシェアする時のコメント内容がポジかネガかニュートラルか。アルゴリズムで判別して、数値を算出する。
算出式は置いておいて、質の高いトラフィックを連れてくるのは言うまでもなく質の高い記事だ。質の高い記事の構成要素を僕なりに考えた。
■質の高い記事の構成要素
1:思考のヒントとなる気づきがある(新しい発見、再認識など)
2:生データに終わらない付加価値がある
3:議論を巻き起こす(そして新たな思考のヒントを読者が得る)
4:記憶・印象に残る
簡単に思い付く限りはこの4つ。
1は読者にとっては新しいことを知れればそれだけで価値になり、それがわかりすい。速報性があれば尚良しです。また、知っていたことも整理された記事によって「なるほど」と腹落ちして再認識する。これも価値になる。レアな取材相手を取材できたとかでも価値になります。
2は僕がストレートニュースメディアを毛嫌いする理由。ニュースを伝えることだけで終わる記事です。これは「速報性」「わかりやすさ」がなければ価値にならず、読み捨てられる消費材記事です。生データで終わるのではなく、そのデータから書き手がどう考えたのか。思考が浅いこともありますが、そこはリスクを取ってトライした方が読み物としては面白いはず(特にビジネス記事では)
3は誰しもが「100%同意」する記事はむしろつまらないと思っていて、7:3くらいで同意される程度の案配の記事がちょうど良いかと思う。2:8で不利な状況になってしまっては、さすがに質の低いトラフィックになりますが。NewsPicksで議論を誘発させるような一言を僕が記事の最後に入れることがあるのは、この点を意図的に狙っているわけです。
4はすごいPVのあるメディアの記事でも「印象に残る記事は?」と聞かれて答えられないことが結構あります。質の高いトラフィックでは記録(PV)ではなく記憶が大事だと思っています。村上春樹風記事とかは記憶に残りやすいはずです。
ということでこの辺を踏まえて「良質なトラフィック」を生む記事を書いていきたいものです。「良質なトラフィック」の積み重ねにより、読者が書き手への信頼を積み重ね、それがやがてブランドとなります。ミスブランディングで数字を集めてもダメだということは昨年痛いほどよくわかりましたのでw、この方針はぶらさず地道に運営したいと思います。
LINE田端さんも参加する、会員数210名突破のUmeki Salon
内容の参考:【きまぐれUmeki Salon第1号】LINE田端氏の降臨など
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